ゆめろぐ

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Netflixドラマ『ザ・ディフェンダーズ・サーガ』シリーズの感想【マーベル】




Netflix制作のドラマシリーズ、通称「ザ・ディフェンダーズ・サーガ」の各作品の感想です。
一番有名な所で言うとMCUの『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』や『シー・ハルク:ザ・アトーニー』に登場したデアデビルを主役としたシリーズが含まれる作品群です。

元々はMCUとは別のシリーズという扱いだったようですが、近年デアデビルやキングピンといったキャラクターのMCU作品の登場が増えてきたことにより、この「ザ・ディフェンダーズ・サーガ」の作品も正式にMCUに属するということになったようです。また、現状ではDisney+で全話視聴することができるようになっており、逆にNetflixでの配信は終了してしまっています。

結構量が多い(全部あわせて161話)ので見たいと思いつつも敬遠してしまっていたんですが、2025年3月4日配信のMCUのドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』がこのドラマシリーズの正当な続編になるという情報が出てきましたので、事前にちゃんと見ておこうと思いシリーズ全話を視聴しました。『デアデビル』『ジェシカ・ジョーンズ』といった様々なキャラクターを主役にした作品がありそれぞれが複数シーズンあったりするため、結構複雑なシリーズになっています。なので、最初に「どの順番で見るべきか?」といったところもあわせて書いておこうと思います。


以下、各作品のネタバレを含んでいる箇所がありますので予めご了承ください。
 




目次


シリーズ作品一覧

 
「ザ・ディフェンダーズ・サーガ」に含まれる作品は以下の通り。

  • 『デアデビル』(全3シーズン)
  • 『ジェシカ・ジョーンズ』(全3シーズン)
  • 『ルーク・ケイジ』(全2シーズン)
  • 『アイアン・フィスト』(全2シーズン)
  • 『パニッシャー』(全2シーズン)
  • 『ザ・ディフェンダーズ』(全1シーズン)


『デアデビル』から『パニッシャー』までは個別のヒーローを主役にした作品。そして『ザ・ディフェンダーズ』がそれらのキャラクター達が集まる(『アベンジャーズ』的な)合流作品になっています。



ズバリ、観るべき順番は??

 
普通に全ての作品を観るつもりであれば、配信された順に観ていくのをおすすめします

この「ザ・ディフェンダーズ・サーガ」では別作品同士でもつながりが結構強くあり、作中の時系列も基本的に配信順になっていますので、「デアデビル3シーズンを見てから、ジェシカ・ジョーンズに行って~」とかすると逆に結構こんがらがってしまうと思います。そのため、以下の通りの配信順に見ていくのがおすすめです。


【配信された順番】

  • デアデビル(シーズン1・全13話)
  • ジェシカ・ジョーンズ(シーズン1・全13話)
  • デアデビル(シーズン2・全13話)
  • ルーク・ケイジ(シーズン1・全13話)
  • アイアン・フィスト(シーズン1・全13話)
  • ザ・ディフェンダーズ(全8話)
  • パニッシャー(シーズン1・全13話)
  • ジェシカ・ジョーンズ(シーズン2・全13話)
  • ルーク・ケイジ(シーズン2・全13話)
  • アイアン・フィスト(シーズン2・全10話)
  • デアデビル(シーズン3・全13話)
  • パニッシャー(シーズン2・全13話)
  • ジェシカ・ジョーンズ(シーズン3・全13話)


今回はこの配信された順番に沿って視聴し、同じくその順番で感想を記載しています。


ちなみにMCUの『デアデビル:ボーン・アゲイン』配信前の時点で予告から登場することがわかっているヒーローはデアデビルとパニッシャーの2名。最低限そこだけを押さえておくとすると、『デアデビル(S1~3)』『ザ・ディフェンダーズ』『パニッシャー(S1~2)』の3作品を観ておけばいいと思います(その際の視聴順番も上記の配信順で)。




見た作品の感想

ここからは実際に視聴した各作品の概要や感想です。

デアデビル(シーズン1)(2015年)

幼い頃に事故で失明した代わりに、他の感覚が超人的なレベルに研ぎ澄まされたマット・マードックは、昼は弁護士として法の下に正義を追求し、夜はデアデビルとして、ニューヨークのストリートにはびこる犯罪に立ち向かう。やがてニューヨークの裏社会を牛耳るキングピンことウィルソン・フィスクと対峙することとなる。自らの行動は正義なのか?孤独と矛盾を抱きながらも、巨悪へと迫る。
Disney+公式ページより抜粋)

  • 企画:ドリュー・ゴダード
  • 公開:2015年4月
  • 話数:全13話(1話55分前後)

 
記念すべきシリーズ最初の作品。ベン・アフレック主演の同名の映画作品とは完全に無関係の別作品(映画版の方はMCUにも属さない完全な単独世界の作品)になっています。
ニューヨークのヘルズキッチンを舞台に、昼は弁護士、夜はデアデビルという2つの顔をもつマット・マードックの戦いを描いたクライムサスペンスアクション。配信ドラマ作品と言うこともあり、現在のMCU作品群と比べるとかなりハードでダークな雰囲気の作品になっていました。グロや残虐な描写も多々あり、Disney+でのレーティングはR18+。

この先3シーズンまであることはすでに分かっていることですが、このシーズンだけでも一つの物語としてまとまっていて非常に楽しめました。正直1話から13話までずっと面白かったです。1日1話ぐらいのペースでゆっくり見ようと思ってましたが、毎回次が気になって結局数日で一気見しました。

メインのキャラクターは主人公のマット、学生時代からの親友かつ弁護士としての相棒のフォギー、二人に救われたことで事務所で働き始めたカレン。映画版でもそうでしたがマットの親友かつ相棒のフォギーが非常にいいキャラクターしてて好きです。色々あった末の最終話での「ヒーローになれ。でも死ぬなよ、わかったな」というセリフが非常に良かったです。
そして敵となるのはキングピンことウィルソン・フィスク(このシーズンではキングピンという名前はまだ出てこなかった)。デアデビルの敵と言えばキングピンという印象でしたが、本作では他にロシア・日本・中国のマフィアも絡んで色々と複雑な状況という感じでした。

デアデビルというと闇に紛れてスマートかつ冷酷に悪を始末していくというのが事前の印象でしたが、本作では意外と直情的というか無鉄砲に突っ込んでいってボコられたり罠にハメられたりといったことも多く、常に傷だらけというのがちょっと驚きでした。また、シーズン1の間のほとんどの時間を黒いニットを目深に被っただけの変装で、お馴染みのコスチューム姿が登場するのは最後の最後になってだったのはびっくり。後はメインヴィランのキングピンも、気になる女性を口説くのに助手兼親友のウェスリーに助言を貰っていたりとかなり人間臭い部分が強調されてたのも意外でした。


【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • マットの師匠のスティックに指示を出していた謎のマッチョの正体と目的
  • 学生時代の回想シーンでエレクトラらしき人物についての言及があった(ギリシャ人の女の子)

 

ジェシカ・ジョーンズ(シーズン1)(2015年)

過去のトラウマによりヒーローを引退したジェシカは、ニューヨークで私立探偵事務所を立ち上げる。ところが調査依頼には、特殊能力を持つ人々が巻き込まれてくる…。過去の悲劇に苛まれ、世界を救うことより、普通の生活を守りたいジェシカは、過去と向き合い、難事件を解決できるのか?コミックが原作の大人向けスーパーヒーロー・ストーリー。
Disney+公式ページより抜粋)

  • 企画:メリッサ・ローゼンバーグ
  • 公開:2015年11月
  • 話数:全13話(1話55分前後)

 
シリーズ全体では2作目となるジェシカ・ジョーンズの第1シーズン。
『デアデビル』の第1シーズンよりもさらに重くて残酷な話が多く、相変わらず面白くてストーリー展開のテンポも非常に良いのでどんどん見進めていけましたが話の内容は結構きついです。ということでDisney+でのレーティングは引き続きR18+。

ニューヨークを舞台にヒーローをやめ私立探偵として活動するジェシカ・ジョーンズの戦いが描かれるシリーズ。ちなみにジェシカは原作のアメコミでは「ジュエル」というヒーローの一人らしいですが、本作中では粗筋にある通りヒーローとしての活動はやっておらず「ジュエル」という名前も使用していたかは不明(作中ではトリシュとの雑談の中で一度だけ言及されたのみで本人もその名前は嫌がっている)。また、本作のヴィランとなるキルグレイブについても原作での名称の「パープルマン」は本作では未登場。各話タイトルの「AKA」は「also known as」の略で、「別名」や「またの名を~」みたいな意味とのことで、本作の原題に元々は付いていたものの名残りとのこと。ヒーローのジュエルではなく探偵のジェシカとしての物語であるという本作には確かにぴったりなワードです。

本作で一番印象的な部分はやはり何と言ってもシーズン通してのヴィランとなるキルグレイブ。いやー、気持ち悪い。本当に気持ち悪い(笑)。本当にもう清々しいぐらいのクソ野郎でした(誉め言葉)。「自身の言葉に他人を従わせる」という強力ではあるもののマーベル全体で見ればワンダやロキの劣化版といっていいような能力ではありながら、シナリオや作中の描写による見せ方が非常に効果的でした。個人的にはマーベルの映像作品でもトップクラスにぶっちぎりのクソ野郎に仕上がっており、そのとんでもないキャラの立ち具合はお見事としか言いようがないと思います。ヴィランとしては凄く良いキャラとして仕上がっていて印象には凄く残っているけど、フィギュアは絶対にいらないみたいな感じかな(笑)。

主役のジェシカ役のクリステン・リッターは非常に美人さんですが、ジェシカの「一見強そうに見えながらも頻繁に漏れ出てくる弱さや儚さ」みたいなものを感じさせる表情の演技が凄く良かったと思います。常に眉毛をへの字にしているのが印象的でした。もう一人のキーパーソンでもあるめっちゃ強くてカッコいい黒人のルークは後に単独のシリーズが制作されています(結構話が進むまでそのルーク・ケイジ本人であることには気づかなかった)。


『デアデビル』からは15分署のマホニー巡査や看護師のクレアが登場し、同一の世界の話であることを感じさせるようになっていました(今回もまた巻き込まれてジェシカらを助けるクレアが善人過ぎる)。マット本人は出てこないもののクレアから間接的に存在が言及されていたので、時系列的にも本作は『デアデビル』第1シーズンの後の話であることは間違いないようです。また、『アベンジャーズ』(1作目)のニューヨーク決戦の後であることもちょいちょい言及されていましたので、本作の時点でMCUと同じ世界であることは前提にして作られていたんですね。

あと本編には関係ないけどごっつい赤文字の「EXIT」の多さが印象的でした。1話のうち何回も見るし画面内に複数あることもあったり。これ過去に現地のホテルに泊まったときにも廊下の天井にどどーんとあって「なんかネトフリのロゴみたいだなー」って思って印象的だったんですが、向こうの方はそういうものなのかな。逆に向こうの人が日本に来て緑の非常口マーク見たら「なんだこれー」って思ってるとか?


【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • 探偵業を再開したジェシカと押しかけ助手のようになっていたマルコム。ルークはどこに行ってしまったのか
  • シンプソンに謎の薬を飲ませたIGHの正体は。ジェシカやトリシュの過去にも関係がありそう

 

デアデビル(シーズン2)(2016年)

  • 公開:2016年3月
  • 話数:全13話(1話55分前後)

 
デアデビルのシーズン2。
ウィルソン・フィスクの逮捕により平和が訪れると思われたヘルズキッチンにせまる新たな脅威。本作では後に単独の作品が制作されるパニッシャーが登場します。さらにマットの元カノであるエレクトラが登場し、前シーズンで焼死したはずのノブ率いる謎の組織"闇の手"との戦いも熾烈を極め、といった感じで前シーズン以上に混沌はちゃめちゃといった感じのストーリーになっていました。

今シーズンの前半では悪人でも生かそうとするマットの潔癖とも言える戦い方が正直鼻に付き始めてきていて、さらにそのせいで近しい人たちを(精神的にも身体的にも)傷つける結果になってしまう展開が続きます。さらに今回から登場のエレクトラも自分勝手な行動で事態を悪化させるように見えることが多く、シーズンの中盤ぐらいまでは結構イライラ展開も多いというか見ていて長く感じてしまいました。状況の切り替えが多くて「あれ、いま誰が何やってるんだっけ?」となる場面もあったりします(どちらも話の重要なキーワードになる「ブラックスカイ」と「ブラックスミス」が似ていてちょっと混乱したり)。逆にシーズン終盤に入ると色々なことが動き出して、10話ぐらいからは話全体が一気に面白くなったという印象でした。

個々のキャラクターで言えば、「復讐」という明確な目的をもって悪人には一切容赦しないパニッシャー(フランク・キャッスル)が一番見ていてすっきりするというか感情移入ができました。戦闘シーンも他のヒーロー達とは違って殺意MAXに振り切っている感じが良かったと思います。あとはパニッシャーだけデアデビルを一貫して「レッド」と呼ぶのもなんかいいですね。


あとはフォギーとクレアは相変わらずこのシリーズの良心。2人が出ているシーンはなんかホッとします。初登場時は高飛車な嫌味キャラに見えたマーシ(フォギーの元カノ)が実際には普通にいいヤツでいい女(しかもフォギーにベタ惚れ)な所は今シーズンでも描かれており、素直にこの2人は応援したくなります。この2人周りの話の際に同じ弁護士つながりということで『ジェシカ・ジョーンズ』のホガースが出てきたりしたのはシリーズのつながりが感じられて面白いです(後はジェシカとルークが間接的に言及されたりしてたかな)。



【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • マットと袂を分かち、ホガースの事務所で働き始めたフォギー
  • ユーリックの新聞社で記者として働き始めたカレン。そしてカレンに正体を明かしたマット
  • 死んだと思われていたエレクトラだが、闇の手によって謎の"蘇生"装置に
  • 素顔でフィスクと対面したマット。今後は"昼の顔"でも対決することになるのか
  • 敵であったブラックスミスの隠し倉庫から大量の武器を発見し、本格的に"パニッシャー"としての活動を始めたフランク

 

ルーク・ケイジ(シーズン1)(2016年)

冤罪で服役していたルーク・ケイジは、実験により超人的な能力と無敵の皮膚を獲得する。脱獄し、人生をやり直すためにニューヨークのハーレムでひっそりと暮していたが、思いも寄らぬ事件に巻き込まれてしまう。ハーレムの正義のために戦うことを余儀なくされたルークは、葬り去ったはずの自分の過去と向き合うことになっていく…。
Disney+公式ページより抜粋)

  • 企画:チェオ・ホダリ・コーカー
  • 公開:2016年9月
  • 話数:全13話(1話55分前後)

 
『ジェシカ・ジョーンズ』に登場したルーク・ケイジを主人公にしたシリーズ。舞台をヘルズキッチンからハーレムに移して、正義戦うルークとその過去が描かれる、と言う感じのシーズン1です。ちなみにルーク・ケイジの原作アメコミでのヒーロー名は「パワーマン」。本作中ではジェシカの「ジュエル」同様に雑談の中で出てくる程度。

時系列的にはこれまでの作品の後になりますが、ルークが無敵の肉体を手に入れる経緯だったりレヴァとの出会いが描かれていたりと、ルーク・ケイジというキャラクターの実質的なオリジンストーリーの役割も果たしています。毎回挿入される音楽(あまり日本では馴染みがない)が非常に良かったですね。OPの音楽とかもカッコよかった。

ストーリー的にはこれまでのシリーズに比べるとテンポが遅く中盤ぐらいまでは結構退屈な時間が多いという印象。感情的なキャラクターが多く、敵キャラもほとんどが「ヴィラン」と言っていいのか微妙な小者と言う感じで、結構中盤までは「あれ、これ大丈夫か?」と思いながら見てたと思います。ただ、終盤になって加速するのはもはやシリーズの恒例(ラジオでの歌のシーンあたりから一気に面白くなってきた感じ)で、最終的にはそれなりに楽しめた内容だったし、ルークはしっかりヒーローだったと思います。感情的で小物感の強い敵が多い分、一人常に落ち着いてどっしりしているルークのキャラクターの良さは引き立っていたように見えました。特に銃弾をはじき返しながら敵ザコをなぎ倒していく戦闘シーンは本作で一番楽しいシーンです。

ちょいちょい『アイアンマン』のハマー社の名前が出てきたり、ルークを傷つけることができる銃弾の材料になっている「地球外の物質」は『アベンジャーズ』のニューヨーク決戦のもの(『スパイダーマン:ホームカミング』とかに出てきた)だったりとMCUとのつながりが結構描写されていました。
そして過去作以上に重量な役割を果たしたクレア。もはやシリーズ通しての影の主人公になりつつある?

本作もレーティングは18+。



【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • カール・ルーカスとしての脱獄の罪でシーゲート刑務所に連行されるルーク。クレアの言っていた"いい弁護士"ことマットorフォギーとの今後の絡みに期待
  • レヴァの真意や目的、ルークに対しての真の感情がどんなものだったのかがまだ明かされていない
  • ポップの理髪店でカール・ルーカスが無実であることが書かれた資料を発見したボビー
  • ルークに敗北したストライカー(ダイヤモンドバック)に何かをしようとしているバーンスタイン医師。バーンスタインはルークを鋼鉄の肉体にした張本人

 

アイアン・フィスト(シーズン1)(2017年)

ヒマラヤでの飛行機事故により、大富豪の両親と共に行方不明だったダニー・ランド。唯一の生存者であったダニーは、過酷な修行の末、アイアン・フィストの力を身につけ、15年後、突然ニューヨークに帰還する。しかし彼を待ち受けていたのは安住の地ではなかった。
Disney+公式ページより抜粋)

  • 企画:スコット・バック
  • 公開:2017年3月
  • 話数:全13話(1話55分前後)

 
アイアン・フィストの第1シーズン。
主人公は「アイアン・フィスト」という謎の力を持ったカンフーの達人ということで、引き続き舞台はニューヨークとしつつも非常にアジアンテイストが強くなった作品。ジェシカ・ジョーンズに出てきた弁護士のホガースがダニーと古い付き合いだったり、記者としてカレン・ペイジの名前が出てきたり、本作のメインキャラの一人のジョイが依頼した探偵は「酒を飲んでいない時は腕のいい私立探偵」だったりと、これまでの作品とのつながりが強く描かれています。

そして今回は『デアデビル』のシーズン2で登場した"闇の手"が本格的に敵組織として登場。シリーズ常連の妖怪ババアことマダム・ガオが"闇の手"の重要人物として出てきます。ちなみにマダム・ガオは『デアデビル』では三合会のトップでしたが、本作ではガオは"闇の手"の重要なポジションにおり三合会はむしろそれと対立する形で描かれていましたが、その辺の整合性はちょっとよくわかりませんでした。他にはシリーズ全体の影の主人公ことクレアは本作でも大活躍。ついには戦闘にまで参加してくるようになりました。シーゲートからの手紙を読んでいる描写があり、ルーク・ケイジとの関係も続いているようです。

本作通しての感想としては正直これまでで一番微妙だったという印象。とにかく主人公ダニーになかなか感情移入できないのかきつかったです。15年浮世から離れていたとはいえ、あまりにも発想が幼稚・短絡的で空気が読めず、悪気なく周囲の人をイラつかせるタイプ。特に序盤はウォード兄さんの胃にいつ穴があくかと心配でした(笑)。戦闘もアイアン・フィストの能力があまりに限定的すぎるためか正直派手さが無く(特に『ルーク・ケイジ』の後だからそう見える)、殺陣も全体的にもっさりしていて地味に感じました。他にも行動が感情的・短絡的ですぐに癇癪を起す奴が多く、視聴者として誰の目線が入り込めばいいのかが最後までフワフワしちゃった印象です。個人的には最初は嫌味でイヤな奴かと思っていたウォード兄さんが一番人間味があって好きだったと思います。一番"弱さ"を見せていたキャラクターだったと思いますが、そりゃあんなイカれた親父にずっと支配されてたらそりゃとんでもないストレス抱えるよね、って感じで共感が持てる人物です。

本作もレーティングは18+。



【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • 消えてしまったバクトの死体。闇の手の人間だし普通に復活してまた出てきそう
  • ラストでクン・ルンを訪れたダニーとコリーンだが、闇の手の刺客の死体を残して忽然と消えてしまったクン・ルン
  • ダニーを殺すことをジョイに持ちかけるダヴォス。そしていつの間にか自由の身になっていてその話を聞いているマダム・ガオ


 

ザ・ディフェンダーズ(2017年)

4人のヒーローがニューヨークの街を救うために結集する。孤高の戦士たちが、それぞれに苦悩を抱えながらも、力を合わせることでより強くなれると気づいていく。
Disney+公式ページより抜粋)

  • 企画:ダグラス・ペトリ、マルコ・ラミレス
  • 公開:2017年8月
  • 話数:全8話(1話50分前後)

 
シリーズ全体では6作目となる合流作品。話数はシリーズの中でも一番少ない8話で、シーズンも1つのみ。

デアデビル、ジェシカ・ジョーンズ、ルーク・ケイジ、アイアン・フィストの4人がついに結集して"闇の手"との最終決戦に挑む。いわば『アベンジャーズ』的なお祭り作品、ではあるものの本作シリーズの流れを引き継いで話の雰囲気は全体的にダークで重め。それでもこれまでは別々の作品で活躍していたキャラクターたちが出会って少しずつ協力していくのは見ていてテンションが上がりますね。初めて4人が一堂に会しての戦闘シーン(3話)は本当にワクワクしてテンションが上がりました。

頑固で融通の利かないデアデビル、ひねくれもので酒癖の悪いジェシカ、悪気はないが空気が読めないダニー、といった感じでひと癖もふた癖もあるメンバーばかり。比較的常識的なルークあたりがまとめ役になるのかと思いましたが、結構ダニーが中心にいたのは個人的には意外でした。物語上アイアン・フィストが重要と言うのもありますが、よく考えてみたらもともと一番主人公気質なキャラクターはダニーだったかも。『デアデビル』のシーズン2で明らかに復活フラグが描写されていたエレクトラはブラック・スカイとしてディフェンダーズの面々と対峙する役割で登場。そして"闇の手"の中心となる幹部たちも集結してニューヨークの存亡をかけた最終決戦。という感じでお祭り作品の名に違わず色々てんこ盛りで結構楽しめました。勿論シリーズの裏主人公ことクレアも大活躍で、カレンやフォギーやトリッシュといった各作品のお馴染みキャラクター達もちゃんと登場。

パニッシャーが出てこなかったのは残念ですが、一人だけあまりにもスタンスが違いすぎるから仕方ないか。あとは合流作はこの1シーズンだけというのも残念ですね。そういえばタイトルの「ザ・ディフェンダーズ」という名称は特に作中では出ていなかったと思います。


本作でついに姿を現した"闇の手"の中心人物ですが、正直みんな残念というか色々描写するための尺が足りなかったという印象。そもそもルークと戦って勝てそうな奴が一人もいない時点で・・・という感じ。まだよかったのはみんな大好きマダム・ガオ。「クレアかガオか」ってぐらい毎回出てきますねこの人。ついに本作で本格的な戦闘シーンがありましたがもはや太極拳というよりはフォースの使い手みたいな能力で見ていて面白かったです。『デアデビル』のシーズン1に出てきたときはもっとヨボヨボに見えたのに、ジェシカの蹴りとか喰らってもピンピンしてたのは笑いました。全員のまとめ役っぽいアレクサンドラも結構雑に処理されてしまったし、前作『アイアン・フィスト』シーズン1から続投のバクトは思った通りの動きして思った通りの最後だったなって感じ。まあバクトに関してはほとんど前作で役割終わってたからしょうがないね。

特にひどかったのはソワンデとムラカミの二人。ソワンデは大物感を一切出すことなく画面の外でルークにタイマンで敗北して取っ捕まり、その後すぐにあっさり退場。今回この感想を書くためにネット検索しないと名前が思い出せないくらい薄いキャラでした。個人的にきつかったのが日本人のムラカミ。ムラカミは皆が英語で話している中でも一人日本語で話す奴で、そのスタンスは意味不明なもののキャラ付けとしてはまあ許せるとして、吹き替えでも一人だけ地声のままなので周囲との声のボリュームがあっていません。さらに俳優さんの独特な活舌と低めの声質が相まって、唯一日本語を話しているのに一番何言ってるかわからない奴になってしまってました。彼が出てくるシーンは見るのが正直きつかったです。吹き替え版では彼もアフレコを当て直すなり、編集の際にもう少し音量を合わせる努力なりをしてほしかったです。ソワンデ同様に大物感出そうとしている割には戦闘ではエレクトラ、ルーク、ダニーあたりにぶっ飛ばされて失神してるイメージしかないし最後も何かよくわからない死に方してるし、全体的に残念な扱いになってしまいました。というか日本人幹部だったらノブでよかったろノブで。めっちゃ強かったし。ノブ出さんかい。

本作もレーティングは18+。


【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • 爆発時に地下にいたエレクトラとマダム・ガオの行方は
  • マットの後を継いで"夜のヒーロー業"をはじめたダニー
  • 死んだかに思われていたマットはボロボロの状態で修道院らしき場所のベッドの上で目を覚ます


 

パニッシャー(シーズン1)(2017年)

"パニッシャー"ことフランク・キャッスルは自分の家族を惨殺した者たちに復讐を果たしたと思っていた。しかし彼は自身が海兵隊員だった頃に起きたある事件の裏に潜む巨大な陰謀に気づく。捜査官や元親友のビリー・ルッソや元NSAの分析官マイクロと協力しながら、フランクは真相を暴こうと奮闘する。
Disney+公式ページより抜粋)

  • 企画:スティーヴ・ライトフット
  • 公開:2017年11月
  • 話数:全13話(1話55分前後)

 
『デアデビル』のシーズン2に登場したパニッシャーことフランク・キャッスルを主人公としたシリーズ。
パニッシャーと言えば敵に対しての情け容赦の無さが特徴という印象でしたが、本作でもそれは健在。見ていて思わず「あ痛ててててて!!」と目を背けてしまったり、もはやそれも通り越して笑ってしまうぐらい振り切ったシーンが結構あって、他作品との一番の違いになっていて面白かったです。他のシリーズではなんだかんだ優等生なヒーローが多い中で、敵と決めた相手には一切の容赦をせずに鉛玉をブチ込む所はかなり異色というか際立っているというかもはや「ヒーローなのか?」とすら思ってしまうのがこのパニッシャーです。ただ、別に周り全てを傷つける乱暴者と言うわけではなく、守るべき対象と思っている相手に対しては人一倍情に厚く、不器用だけど実はかなり人間味があって意外に礼儀正しい所もあったりするのがとても魅力的なキャラクター。コーヒーのおかわりにちゃんと「ありがとう」が言える男、パニッシャー。何気に『ザ・ディフェンダーズ』シリーズの中で1、2を争うぐらい好きなキャラクターです。

そして今回一番意外だったのはバディものだったこと。最初「今回のヴィランか?」という感じで登場した「マイクロ」ことデヴィッド・リーバーマンとのコンビが見ていて微笑ましさすら感じるぐらいとても良かったです。パニッシャーはシリーズ全体の中でも一番「孤高」というイメージのキャラクターだったのでバディものの展開を持ってきたのは意外でした。でもそれがしっかりハマっていて全13話通してずっと面白かったと思います。そして相棒となるデヴィッドのキャラクターも非常に良かった。個人的に本作の癒しと言ってもいい人物で、家族との描写も含めて彼の出てくるシーンが本作の中で一番見ていて楽しかった所でした。非常に好きなキャラクターではありますが、それゆえに逆にもう出てきてほしくないかも(笑)。君はもう十分頑張ったから家族と穏やかに暮らしていてくれ。サノスの指パッチンの後も家族そろって暮らしていてほしい。

今回のヴィランとなったのがフランクの元戦友でイケメンのビリー・ルッソ。中盤ぐらいまでは結局敵なのか味方なのかわからないキャラ(敵と見せかけて味方と言うのも十分にありそうだった)でしたが、アメコミでは「ジグソウ」という名前(有名ホラー映画シリーズのあいつではない)のヴィランで元々パニッシャーの宿敵ポジションのキャラだったみたいです。

過去シリーズからはフランクに深いかかわりのあるカレンが登場(後はマホニー刑事とか)。これまでシリーズ皆勤賞で影の主人公(と僕が勝手に言ってただけ)だったクレアはついに本作には不参加でした。

他の作品以上に暴力的・残酷な描写が多くレーティングは文句なしの18+。



【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • フランクにより顔をズタズタにされたビリー。シーズン2でヴィランとして復活か
  • 指名手配も解かれ自由の身になったが、普通に生きていくことに不安を感じているフランク

ジェシカ・ジョーンズ(シーズン2)(2018年)

  • 公開:2018年3月
  • 話数:全13話(1話55分前後)

 
ジェシカ・ジョーンズの第2シーズン。ジェシカの過去に関わる重要人物が登場し、シーズン1で謎の残っていたIGHの秘密とジェシカ自身の過去が明らかになるストーリー。「エイリアス探偵事務」の名前の由来なんかもわかったりします。ちなみに内容的には『ジェシカ・ジョーンズ』のシーズン1からそのまま続いてるといった感じで、『ザ・ディフェンダーズ』の方は観ていなくてもほとんど影響がない内容に成っていました。

とにかくの感想は「つらい」の一言。やっぱりジェシカの話は他のシリーズに比べても重くてきついです。特にこのシーズン2は話がもう悪い方向にしか進まず、登場するキャラクター(シーズン1からの続投組も含めて)は嫌な奴・うざい奴・クソ野郎ばっかり。ずっと「パニッシャーおじさんが出てきて片っ端から鉛玉ぶちこんでくんないかな」とか思いながら観てました(笑)。とにかくジェシカ(=視聴者)の望まない方向、悪い方悪い方にばかり進むアンチカタルシスな展開という感じで、結構意図して視聴者にストレスを与える展開・描写にしてるように感じた部分もけっこうあったと思います。それでも話は面白いので最後まで目は離せなかったのは間違いないです。

話のなかで救いになっていたのはアロウチョ・オスカーの親子ですね。最初「こいつも嫌な奴か」と思っていたら実際は息子思いのナイスガイでのちにジェシカとも惹かれあう関係になりました。息子のヴィードがキャプテン・アメリカのフィギュアの盾を無くしてしまって自作していたのは微笑ましかった。逆に作中で一番うざかったのはトリシュ。基本的に身勝手に余計なことしかせず、とにかく彼女が動けば動くほど事態が悪い方悪い方に行くって感じでしたね。今のとこマーベルで一番といっていいくらい嫌いなキャラクターになりましたが、今後どうなっていくのか。

やっぱり一番面白かったのはシーズン1のヴィランであるキルグレイブの悪霊が出てきた回(第11話)。実際は混乱したジェシカの見ている幻といった感じかと思いますが、死んでまでジェシカに付きまとう執念は気持ち悪いを通り越してもはや天晴。

あとはフォギーが一瞬だけほとんどゲストみたいな形で出てきましたが、なぜか本作だけ吹き替えの声優がこれまでと違っているのが非常に違和感でした(フォギーの声が違うのはシリーズ全体通して本作だけ)。


【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • 多分なんかの能力に目覚めたトリシュ(次のシーズンのヴィランとかになりそう)
  • ジェシカのライバル探偵の所で働き始めたマルコム

ルーク・ケイジ(シーズン2)(2018年)

  • 公開:2018年6月
  • 話数:全13話(1話55分前後)

 
ルーク・ケイジの第2シーズン。ルークのシリーズとしてはラストとなるシーズン。
シーズン1に引き続きハーレムでの戦いを描くわけですが、正直ここまでで一番長く感じました。最初から最後までかなり退屈で、話がフワフワしていて結局最後も「とりあえず着陸はさせました」って感じの終わりだった印象です。主人公のルークも言っていることがコロコロ変わるので全然感情移入できず・・・。この内容であれば半分の6~7話ぐらいで良かったんじゃないかと思います。シーズン3は製作されていませんが、この内容であれば打ち切りと言われてもまあ納得かな。

良かった点を挙げていくと、まずは新ヴィランのブッシュマスターはキャラクターとしても戦闘シーンも良かったと思います。「戦う理由のある敵」といったキャラクターで、逆にルークがブッシュマスターの復讐を妨害する敵キャラに見える展開もチラホラ。彼の退場のさせ方があまりにあっさりしていて、フワフワした脚本の犠牲になってしまっている感があるのは残念。また、『ザ・ディフェンダーズ』で右手を失ったミスティ刑事がランド社の提供した義手を装着して復活する物語、といった部分も良かったですね。あとはそのダニー本人が助っ人として登場する回(第10話)は単純に面白かったですね。ちょっとダニーが落ち着いて大人っぽい雰囲気になっていたかな?そういえばこの2人は『ザ・ディフェンダーズ』の時から結構コンビを組んでいました。

それと、前の『ジェシカ・ジョーンズ』シーズン2で吹き替えの声が変わってしまっていたフォギーがちゃんと元の声に戻っていて良かったです。


【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • ハーレム・パラダイスの支配者になったルーク(ちょっと闇堕ちな雰囲気もあったり)
  • クレアはルークの元を去ったまま(最後はルークの方もクレアを遠ざけていた)

アイアン・フィスト(シーズン2)(2018年)

  • 公開:2018年9月
  • 話数:全10話(1話55分前後)

 
アイアン・フィストの第2シーズン。ダニーの物語としてはラストとなるシーズン。他の作品シリーズに比べて短めの全10話。
シーズン1のラストで敵対してしまったダヴォスや新たな敵であるウォーカーとの戦いを描く。光る拳を持つ男によるカンフーアクションの第2シーズンですが、前シーズンよりも面白くなっていたと思います。格闘戦主体のバトルシーンも本作はかなり見応えあって楽しかったです。

ダニーはディフェンダーズでの戦いを経て少し大人になった印象。コリーンは本作ではほぼもう一人の主役と言ってもいいほどの活躍で、終盤の展開はまさかまさかといった感じでした。右腕の義手をほとんど使いこなすようになったミスティ刑事も結構な主要キャラクターとして登場。『ルーク・ケイジ』のシーズン1で初登場したときはかなり感情的(ヒステリーに見えるところも)であまり好きになれないキャラクターだったんですが、ここまでの長い戦いを経てかなり頼れるキャラに成長したという印象です。コリーンとのコンビもいいですね。ミスティの会話の中で「最後にあった時のルークが凄い嫌な感じだった」みたいなセリフがあって、やっぱりルークのシーズン2のラストは闇落ち的な感じだったんだなと。そして、シーズン1で一番好きなキャラだったウォード兄さんは本作でも相変わらずメンタル的にも肉体的にも弱さをバリバリに見せてくれました。そしてそこがまた人間臭くて憎めない、非常にいいキャラだったと思います。

今回の新キャラ(新ヴィラン?)である二重人格の暗殺者のメアリー・ウォーカーは個人的にはかなりいいキャラクターだったと思うので今後のMCU作品でも登場を期待したいです。メアリーの時の可愛いさと、ウォーカーの時の強さ・不気味さみたいのが見事に両立している良キャラだったと思います。「ウォーカー」という名前にロクな奴がいないマーベル世界の中でも、メアリーはかなり好きなキャラクターです。

アイアン・フィストはこのシーズン2で打ち切りになっています。個人的にはこの第2シーズンは結構面白かったですし、今後に繋がりそうな伏線をかなり残して終わってしまったので続きが無いのは非常に残念。他のディフェンダーズのメンバーと同じくMCUでのカムバックにかなり期待したいところです。


【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • アイアンフィストの遺産と自分の役割を探しにウォードと旅立ったダニー。二人旅を楽しんでそうなのがいい
  • 両手の拳が光り、銃も使うようになったダニー
  • ダニーからアイアン・フィストの役目を引き継いだコリーン。手に持った刀も一緒に光るようになってる
  • メアリーの3人目の人格は

デアデビル(シーズン3)(2018年)

  • 公開:2018年10月
  • 話数:全13話(1話50分前後)

 
デアデビルの第3シーズン。Netflixドラマのデアデビルとしてはラストとなるシーズン。2025年3月から配信開始のMCUの『デアデビル:ボーン・アゲイン』は本作の続編、つまり事実上の第4シーズンにあたる作品になっているようです。
『ザ・ディフェンダーズ』のラストで崩壊するビルの下敷きになって死亡したと思われていたマットが復活し、キングピンことウィルソン・フィスクとの決着を付けようとするストーリー。『ザ・ディフェンダーズ』の最終話の最後に修道院のベッドの上で傷だらけの状態で目覚めてから、『パニッシャー』のS1と『ジェシカ・ジョーンズ』『ルーク・ケイジ』『アイアン・フィスト』それぞれのS2、話数にして49話を経てようやくマットのその後が描かれました。長かった(笑)。

様々な手を尽くして暗躍するキングピンとの対決に加え、本作からの新ヴィランである"ブルズアイ"ことベンジャミン・"デックス"・ポインデクスターも登場。これまで以上に話が進むごとにマット陣営が追い詰められていき、中々息つく暇もない内容でした。それにしてもやっぱりデアデビルはどのシーズンもハズレが無くて面白いです。個人的にはこのシリーズでもデアデビルとジェシカの2作は頭一つ抜けている感じがあって、「一話見終わったら続きが気になってもう一話」って感じで見進めていくスピードが速くなります。本作では改めてのフィスクの影響力の強さも恐ろしいんですが、何より新ヴィランのデックスがヤバい。最初は超優秀なFBI捜査官かと思いきや、どんどんとヤバい奴さが出てきました(ピザ屋でストーキングしてたあたりから)。格闘能力はマットと同等かやや劣るかと言った感じですが、何よりヤバいのはその遠距離攻撃能力で、銃のみならず何かを投擲するのも百発百中と言う感じでまさに「悪いホークアイ」って感じでした。さらにこのシーズンではデアデビルの衣装を着るのはこのデックスのみで(ニセモノだけど)、マットは結局一回も着なかったのは結構驚きでした。

それと忘れてはいけないのは本シーズのみ登場のレイ・ナディーム捜査官。序盤は余計な行動をして事態を悪化させるトラブルメーカーキャラ(トリシュみたいな奴)かに見えましたが、色々なことが明かされていく中盤以降は完全にもう一人の主人公と言う感じでした。前半部分の行動にも後からちゃんと背景が描かれているため納得感もあり、守る家族がいてそれゆえに良くない方向に流されてしまうこともあるけどそれでも勇気を振り絞って・・・といったあたりは見ていて非常に好感の持てるキャラクターでした。その立ち位置的にマットよりも視聴者に近く、より感情移入しやすい人物として描写されていたと思います。

あとはやっぱりフォギーがいい奴で安心します。フォギーの彼女のマーシも相変わらずフォギーを心から心配する超善人で、二人とも非常に好きなキャラクターです。

とりあえずこれでNetflixドラマでのデアデビルは終了。MCUドラマの『デアデビル:ボーン・アゲイン』はこれに続く話になっているようなのでそちらの視聴も非常に楽しみです。

【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • マットとフィスクはマットの正体を明かさないこととお互いの大切な人物に手を出さない取引をかわす。そして逮捕されたフィスク
  • 同じく逮捕されたデックス。フィスクの攻撃で脊髄を損傷したらしく、手術中に目を覚ます。手術をしている大山博士とは何者か
  • マットとフォギーとカレンの3人は事務所を再開

パニッシャー(シーズン2)(2019年)

  • 公開:2019年1月
  • 話数:全13話(1話55分前後)

 
パニッシャーの第2シーズン。
何者かに追われている少女エイミーを成り行きから助けたフランク。エイミーを守りながら追ってくる謎の敵ピルグリムとの戦い、そしてシーズン1で顔面に酷い傷を負わせたビリーも復活して・・・、と言った感じの第2シーズン。本作は基本的には「謎の敵に追われるエイミー」と「復活したビリー」の2軸が並行して進んでいく形です。シーズン1のバディものの展開も意外でしたが、今回のエイミーを守りながら戦うという映画『レオン』的な展開もビックリでした。でも、前シーズンに引き続いて今シーズンも非常に楽しめました。やっぱりパニッシャーの容赦のない戦闘シーンは爽快感があって他のシリーズとは違った良さがありますね。

マーベルの中でも一番と言っていいくらいアウトローでイリーガルで敵は容赦なくぶち〇すパニッシャーですが、エイミーとのシーンはフランクの面倒見が良くて優しいフランクおじさんが滲み出ているのが非常にほっこりします。意外に茶目っ気のある所を見せたり、トランプの絵柄当てで向きになっているのとかも可愛いです。孤高の破壊者に見えつつも、なんだかんだ毎回誰かとのコンビでの絵が映える男、パニッシャー。

エイミーを守るパートの敵であるピルグリムは牧師のような格好をして独特なセリフをつぶやきながら迫って来る不気味な敵。その言動や(本作の登場人物多くに共通してることではあるけど)異常なタフさが終始不気味な雰囲気をもったキャラクターでした。特に吹き替えだと声がキルグレイブと同じなので、よりそういった雰囲気が強調されているように感じます。そしてもう一人のヴィランとなるビリー(ジグソウ)は前シーズンの最後めちゃくちゃやられてた割には顔が綺麗すぎたように見えるのは気のせい?ビリーとの決着はもうここまでやったらこうなるしかないよねって納得の結末でした。

ビリーと因縁のあるマダニ捜査官も引き続き登場し、本作ではもう一人の主人公的なポジション。さらにカレンやマホニーなどのデアデビル組も登場。特にマホニーは今回メインどころの一人に数えられる大活躍。相変わらずいい奴だしデキる刑事になったなぁ。マホニーとマダニやフランクとの絡みも見てて面白かったですね。特にフランクが自分を逮捕しようとしたマホニーを爆発寸前の車から助けて安全な所に連れて行くときにずっと「大丈夫だ、頑張れ」って声かけてたのが良かったです。フランクおじさんの優しさが漏れて溢れてる(笑)。

Netflixドラマでのパニッシャーはこのシーズンで終了ですが、MCUドラマの『デアデビル:ボーン・アゲイン』の予告から登場が確定しているのに加え、単独のスペシャルドラマの制作も決まっているようです。パニッシャーはこのシリーズの中でもトップ3に入るくらい好きなキャラなので、今後の活躍にも期待したいところです。


【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • マダニに窓から落とされて傷だらけで入院したクリスタ。ビリーの死を知って今後敵になったりするかも
  • エイミーは海底発掘の夢を叶えるためにフロリダでダイビングを教えているフランクの知り合いの所に旅立つ
  • CIAに移ったマダニ。街の悪人たちを掃除するパニッシャー稼業を続けているフランク

ジェシカ・ジョーンズ(シーズン3)(2019年)

  • 公開:2019年6月
  • 話数:全13話(1話55分前後)

 
ジェシカの第3シーズンにして『ザ・ディフェンダーズ・サーガ』最終シーズンとなった作品。
本作ではシーズン2で対立したトリシュとの決着と、新しい敵であるグレゴリー・サリンジャー(アメコミではフールキラーと言うらしい)との戦いが描かれています。

やっぱりジェシカの話はつらい。基本的にシーズンや話を重ねていく毎に大切な人が少しずつジェシカの前から去っていく・・・。とにかく色々なことが望まない方悲しい方に進んでいくんですが、その分非常に感情を揺さぶられるので目が離せない、見ていくのはしんどいけどドラマとしては非常に面白い、と言った感じの作品になっていると思います。個人的にはMCUを含めてもマーベル系のドラマ作品の中で今のところこの『ジェシカ・ジョーンズ』のシリーズが一番だと思っています。

本作で本格的に"ヒーロー"の力を発揮するトリシュはシーズン2の時点では感想に書いた通り一番と言っていいくらい嫌いなキャラクターでしたが、本作では色々あって後半ぐらいからはもう一人の主人公みたいになってたりもして、最終的にはかなり複雑な感情のあるキャラになりました。そして本作のメインヴィランであるグレゴリー・サリンジャーは正真正銘のサイコパスの連続殺人鬼のクソ野郎。ですが、印象的にはちょっと弱かったかな。やっぱりジェシカのシリーズはキルグレイブのインパクトが強すぎて他の敵がどうしても霞んでしまう・・・(今回もちょろっと声だけ出演してたのは笑った)。

本作の中で個人的に好きだったのはコスタ刑事とジェシカのアシスタントのジリアン。コスタ刑事はS2からの登場で、本作で本格的に「ヒーローと協力する刑事」ポジになりました。とにかくいい奴で本作の良心といってもいい人。ジェシカのアシスタントのジリアンは、昼休みはきっちりとるし残業はしないで帰るドライな人。でも仕事はできる。タイプの全然違うジェシカとのやり取りが見ていて面白かったです。



【今後の展開が気になる要素(ネタバレのため白文字)】

  • 逮捕されてラフトに収監されたトリシュ
  • ジェシカは街から出て行こうとするが、挑発するかのようなキルグレイブの幻影の声を聞き、出ていくのをやめる

まとめ


最後に各シーズンの印象を一言で。

DD1:ハードな大人のドラマ。フィスクとの対決と毎回ボロボロのマットがスーツを着るまでの話。
JJ1:ジェシカが美人可愛い。話は重重重い。ヴィランは最高レベルのクソ野郎。ルーク・ケイジも初登場。
DD2:パニッシャー、エレクトラ、獄中のフィスク、スティック、闇の手、もうめちゃくちゃなヘルズキッチン。フォギーとの仲違いが悲しい。
LC1:ルーク・ケイジのオリジン。ルークが強い!カッコいい!敵はみんな小者。シリーズの影の主役になりつつあるクレア。スイートクリスマス。
IF1:闇の手が本格参戦。ダニーの空気の読めなさにウォード兄さんの胃が心配。みんな感情的、みんな短絡的、みんな癇癪。バトルは地味。
DEF:お待ちかねの合流作。クセが強すぎな仲間達。闇の手との最終決戦だけど敵幹部はみんな残念。ノブ出さんかい。
PN1:敵には容赦しないが情に厚いフランクおじさん大暴れ。デヴィッドとのバディものな展開がGOOD。
JJ2:徹底したアンチカタルシス。つらい。嫌な奴・うざい奴・クソ野郎ばっかり。キルグレイブの悪霊が出てくるのは最高だった。
LC2:物語がフワフワで退屈。ブッシュマスターは良かったけど扱いが悪いのが残念。ルークはハーレムの支配者になりたいのか?
IF2:まさかのコリーン覚醒。新キャラのメアリーが可愛いくて強くて不気味。大量の伏線を残しての打ち切りは非常に残念。
DD3:相変わらず面白い。キングピンとは一旦の決着、色々な意味でヤバいブルズアイ、そしてマットは一度もスーツを着ない。
PN2:悪人に追われる少女を守る『レオン』的展開が面白い。そこかしこにフランクおじさんの優しさと気遣いがにじみ出ている。
JJ3:基本的に大切な人がどんどん去っていく。つらい。だからこそ応援したくなる。ジェシカのシリーズが一番面白い。


という感じでした。
一番面白かったのはやっぱり『ジェシカ・ジョーンズ』のシリーズですね。個人的には現在のMCUのドラマシリーズを含めてもマーベルのドラマ作品の中で一番だと思います。これと『デアデビル』の二つはこの「ザ・ディフェンダーズ・サーガ」の中でも他に比べて頭一つ抜けていたと思います。

それと、このシリーズで好きなキャラクタートップ3はジェシカ、フォギー、フランクの三人。
特にジェシカはMCU作品全部を通してもトップクラスに好きな女性キャラになりました。



全161話ということで完走までかなり長かった(だいたい135時間ぐらい?)ですが、結構楽しめたと思います。中だるみや退屈を感じる部分も無くはなかったですが、基本的に全編通して面白かったです。これで予習も無事完了したので、MCUの『デアデビル:ボーン・アゲイン』を見たいと思います。



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