【映画感想】『ファイナル・デッドブラッド』（＆過去シリーズ作の感想）

2025年10月10日に公開された『ファイナル・デッドブラッド』の感想です。

根強いファンも多い『ファイナル・デスティネーション』シリーズ６作品目となる、１４年ぶりの新作です。
僕もこのシリーズは高校生の時から好きで見ていたので、まさか今になって新作が作られているとは思っていませんでした。ネットで本作の存在を知って、劇場公開しているうちに観に行けて良かったです。

ちなみにめちゃくちゃグロ注意の作品で、年齢制限＜R-18＞となっています。

また、せっかくなのでちょっと前に過去のシリーズ５作品を見た時の感想もあわせて残しておこうと思います。

以下、本作のネタバレを一部含んでいる場合がありますので予めご了承ください。

目次

基本情報

画像出典：ワーナーブラザーズ ジャパン公式Twitter（@warnerjp）

• ｼﾞｬﾝﾙ：サスペンス、ホラー
• 監督：アダム・スタイン
• 公開：2025年10月10日
• 評価：★３．５（最高★５）

　
逃れられない死の運命に追われる人々の恐怖を描いたホラー映画『ファイナル・デスティネーション』シリーズの第６作。
前作の『ファイナル・デッドブリッジ（2011）』からは実に14年の時を経ての公開となった。

原題は『FINAL DESTINATION BLOODLINES』。
BLOODLINESは「血統」や「血脈」を意味する単語で、本作シリーズ全体にも関わる"死の連鎖"を解き明かす本作の内容にマッチしたタイトルとなっている。

【あらずじ】
主人公の大学生ステファニーは、何度も繰り返される凄惨な事故の悪夢に悩まされていた。その夢の中心にいるのが自分の祖母アイリスであり、その夢で事故を起こす場所も過去に実在した場所であることに気づく。ステファニーは悪夢の正体を解き明かすため、家族、そして祖母の元を訪れるが、一族には"死神の計画による死の連鎖"がせまっていた・・・。

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感想

『ファイナル・デスティネーション』シリーズは好きで昔から見ていたんですが、まさか2025年になって新作を劇場で観れるとは思っていませんでした。シリーズ自体は好きだったんですが、基本的に後追いでDVDや配信で見ていたので、何気に劇場での鑑賞は初になりました。

まず総評としては、面白かった！！
今回はこう来たか～と言いたくなる「恐怖のピタゴラスイッチ」と、"死神の計画"にあらがう人々のサスペンス部分は、本作も『ファイナル・デスティネーション』シリーズの最新作にふさわしい内容となっていました。劇場で「うえ～」と言いながら眼をそむけたくなるシーンの畳みかけは流石ですね。

まあ、正直３作目以降からはだいぶマンネリ化もしてきてはいたんですが、本作はまず冒頭一つのサプライズがありました。「悲惨な事故の夢を見る主人公」という構図はこれまでと同じながら、実はそれが自分がこれから体験することではなく、過去に起きるはずだった（＝過去に別の人物が見た予知夢だった）ということ。ここで一つ「あれ、いつもと違う」という変化球が飛んできて、ストーリーに引き込まれていったと思います。

あとは基本的にはシリーズお馴染みの展開ということで、画面のそこかしこから観客に"嫌な予感"を感じさせる演出、理不尽な運命の連鎖に巻き込まれていく被害者たち、そして一度難を逃れて「助かった！！」と思わせたところに襲い掛かって来る悲劇、といったあたりはもうシリーズの伝統芸（？）と言っていい所だと思います。そこに本作ではタイトルの通り、「死神の計画に追われ続ける血脈」という要素が混ざりこんでいて、ただの「同じことを繰り返すだけの続編」とはなっていなかったのが良かったです。

欲を言えばもう少し過去作品とのつながりを明確にしてくれてたらシリーズファンとしては楽しかったかな。最初のレストランの事故で生き延びた人々の子孫が各作品の主人公や被害者たちだった、みたいな演出とか。ただ、これについては作中やエンドロールのスクラップ記事を読み解いていくと実は実際にそうなっているとかあるかもしれません。他の人の感想や考察とかも見てみたいですね。

改めての総評としてはシリーズ最新作が今になって劇場で観れたこと自体が嬉しかったですし、内容的にも期待をちょっといい意味で裏切ってくれる部分もあって満足な内容でした。劇場に観に行って良かったと思います。

過去シリーズ作（１作目～５作目）の感想

せっかくなのでちょっと前に見た過去シリーズ５作の簡単な感想も残しておこうと思います。
描いたのは１年ぐらい前なので、上記最新作の感想とちょっとずれてる部分もあるかもですがご容赦ください。

『ファイナル・デスティネーション』（2000年）

• ｼﾞｬﾝﾙ：サスペンス、ホラー
• 監 督： ジェームズ・ウォン
• 公 開：2000年5月（アメリカ）
• 評 価：星４　

　
原題は『Final Destination』。

【あらすじ】
"自らの乗る飛行機が空中で爆発する夢を見た主人公。あまりにリアルな夢に騒ぎをおこした彼は、離陸直前に飛行機を降ろされ、飛行機はそのまま離陸していまう。その直後、彼の見た夢の通りに飛行機は爆発し、彼や彼の巻き添えで飛行機を降ろされた７人は命拾いをする。しかし、予定されていた死の運命からは逃れられず、次々と「不幸な偶然」の積み重ねによる死に見舞われていく…。"

グロ注意。グロいのとか痛そうなのとかが苦手な方はスルー推奨。
運命から逃れることはできず、"不幸な偶然"の積み重ねによって死に追いやられていく登場人物たち。まさにピタゴラ○イッチな死までのプロセスは本作の見所の１つ。途中からは「あれがヤバイか？」「これがくるか？」と物語の登場人物と一緒に兆候を探してし舞うようになります。

そしてもう１つの見所は、彼らを死から逃すまいとする"死神のルール"を解き明かし、運命に逆らおうと奮闘する人々のサスペンス描写。このあたりは色々と伏線なども貼られていて、単にＢ級スプラッターでは終わらない完成度を持った作品です。

斬新な設定と高い完成度から人気シリーズとなって、６作目まで続編が作られています（2025年現在）。２作目の『デッドコースター』は本作との繋がりも深く、本作が面白いと感じた方は最低でも２作目までは併せて観ることを推奨です。

『デッドコースター』（2003年）

• ｼﾞｬﾝﾙ：サスペンス、ホラー
• 監 督： デヴィッド・エリス
• 公 開：2003年1月（アメリカ）
• 評 価：星４　

原題は『Final Destination 2』。DVD版で『ファイナル・デスティネーション２』というサブタイトルが付けられています。

サブタイトルの通り、『ファイナル・デスティネーション』の続編でありシリーズ２作目。本作ではハイウェイでの玉突き事故から逃れた人達の"死の運命"との奮闘を描いています。

「死神の予定表」「ピタゴラな死に方」「グロ注意」といったあたりは前作からお馴染み。そして本作では「前作で"死を免れた人間"の行動によって運命を変えられていた人々」という前作自体を伏線とするようなポイントが追加されていて、続編ならではの設定を活かした展開が非常に秀逸だったと思います。個人的にはシリーズ作品の中では本作が一番好きかな。

ちなみに日本での公開時はタイトルが『デッドコースター』のみだったので、何気に観賞時まで続編とは思ってませんでした。

『ファイナル・デッドコースター』（2006年）

• ｼﾞｬﾝﾙ：サスペンス、ホラー
• 監 督：ジェームズ・ウォン
• 公 開：2006年2月（アメリカ）
• 評 価：星３

原題は『Final Destination 3』。
本作では遊園地のジェットコースターの事故から逃れた人々の悲劇を描いています。
相変わらず毎回目をそむけてしまう死のピタ○ラスイッチ。シリーズの中でも「痛そう」な感じは１、２を争うかな。

序盤から写真がヒントになっていたり、シリーズの中でも予兆を見つけて運命を逃れようと奮闘する要素は一番強め。ただ、この辺から過去作の繋がりもだんだん薄くなってきて少しマンネリ感が出てきたかな。

『ファイナル・デッドサーキット 3D』（2009年）

• ｼﾞｬﾝﾙ：サスペンス、ホラー
• 監 督：デヴィッド・エリス
• 公 開：2009年8月（アメリカ）
• 評 価：星３　

　
原題は『The Final Destination』。
本作ではサーキット場での観客席も巻き込んでの大事故から逃れた人々。
「死神の予定表」「ピタゴラな死に方」「グロ注意」はもはやお馴染みだが、さすがにマンネリな感じも否めない。

『ファイナル・デッドブリッジ』（2011年）

• ｼﾞｬﾝﾙ：サスペンス、ホラー
• 監 督：スティーヴン・クォーレ
• 公 開：2011年（アメリカ）
• 評 価：星３.５

　
原題は『Final Destination 5』。
お馴染みのシリーズ５作目で、日本版タイトルの通り、巨大な橋での事故から逃れた人々。

「逃れられない死の運命」「ピタゴ○スイッチな死に方」「グロ注意」といったシリーズ恒例の要素は健在。逆に３作目・４作目あたりからは他のシリーズ作品との繋がりも薄くマンネリな感じ(最早死に方の違いぐらい)になってきてしまってましたが、本作は終盤に衝撃の展開が待っていました。そこだけでもワンランク上の評価にできる展開だったと思います。

第１作、第２作が面白かったという方は、(第３作・第４作を飛ばしても)本作を観ておくことをおすすめします。