2023年2月17日に公開されたMCU映画『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』の感想です。ＭＣＵのフェイズ５の一発目になる作品です。
フェイズ５の最初の作品ということで、後発作品への繋ぎ感が強そうというのは覚悟していましたが、普通に単体の映画として十分楽しめる作品だったと思います。色んな意味でコンパクトにまとまっていた過去のアントマン作品から一気にスケールが大きくなって、今後の展開も楽しみになる内容でした。
以下、本作のネタバレを含んでいる箇所がありますので予めご了承ください。
目次
基本情報
画像出典：マーベル・スタジオ公式Twitter(@MarvelStudios_J)
- 監督：ペイトン・リード
- 公開：2023年2月
- 評価：★４（最高★５）
ＭＣＵのフェイズ５の第一作目であり、アントマンのシリーズの３作目。
サノスの脅威から世界を救ったヒーローとして平和な暮らしを取り戻したスコット（アントマン）とホープ（ワスプ）。スコットの娘キャシーの開発した量子世界へと信号を送る装置が暴走し、スコット・キャシー・ピム一家は量子の世界へと飛ばされてしまう。そこで彼らはマルチバースを渡る強敵・征服者カーンと対決することとなる。
監督はアントマンシリーズの前２作と同じくペイトン・リード。
感想など
悪くないスタートを切ったフェイズ５
まずざっくりとした全体の感想ですが、普通に面白かったです。ＭＣＵのフェイズ５の最初の作品としてもいいスタートが切れているんじゃないでしょうか。
本作のメインヴィランの征服者カーンは既に今後のシリーズ全体のヴィランになりそうなことは既に公式情報で分かっていたので（アベンジャーズシリーズの次作のタイトルが『アベンジャーズ／ザ・カーン・ダイナスティ』）、正直本作はある程度フェイズ５全体のイントロダクション的な位置づけになるであろうことは覚悟していました。というか普通にカーンに負けて終わるエンディングも無くはないと思って映画館に行きました。それこそ『インフィニティ・ウォー』を見終わった後ぐらいのモヤッとは覚悟してたんですが、実際はと言えば１本の映画としてもしっかりまとまっていて観客のテンションを上げる盛り上がりもしっかりあって面白かったです。主役がアントマンと言うこともあってか、思っていたよりもシリアス・暗い雰囲気になることもなく物語が進んだのも良かったと思います。
序盤は量子の世界の謎や支配者であるカーンについてなど観客に色々と理解させる必要があるという物語上の都合もあったかとは思いますが、流石に少し長く感じました。多分本作をわざわざ劇場に観に行くような層は本作のヴィランが征服者カーンであることは大半が知っていると思うので、もう少し早めに出してしまっても良かったんじゃないかとは思いました（「彼」と呼んだりして正体をじらすシーンが長かった印象）。また、唯一量子世界の事情を知っているはずのジャネットも説明を謎にはぐらかすばかりで序盤の進み方にダルさを感じた人も少なくなかったんじゃないかと思います。ただ、中盤以降は必要以上にグダグダすることもなく、前述の通り観客のテンションを上げる仕掛けがしっかりと用意されていたと思います。
サブタイトルの「クアントマニア」は造語っぽいですね。「Quantum（量子）」＋「mania（マニア）」といった感じかな？
タイトルバックのシーンで気が付きましたが、「ANTMAN」文字を加えると、
「QUANTUMANIA」
になるという仕掛けは面白かったです。
盛り上がりとボリューム感のあったバトルシーン
アントマンといえばキャラクターの特性もあってあまり戦闘シーンが派手にならない印象がありましたが、本作のバトルシーンは量子の世界の住人という要素が加わったことで過去のアベンジャーズ作品並みのボリューム感のある軍勢vs軍勢の戦闘が描かれていて良かったと思います。盛り上がりもしっかりとあってかなりワクワクを感じるバトルシーンでした。アントマンの切り札（？）のジャイアントマンもいつもより多めに出ていて、劇場の大画面映えするシーンが多くて楽しめました。
メインヴィラン：征服者カーンについて
本作のメインヴィランの征服者カーン。過去作で登場したヴィランに比べると割と珍しく特殊な能力やスーパーパワーは持っておらず、31世紀の地球が出身ということで非常に進んだ技術を使う敵という設定になっています。カーン（らしきキャラ）自体は既にフェイズ４の『ロキ』の最終話に登場しており、あちらは本作のカーンとは別の変異体（「カーン」という名前は出てこず「在り続ける者」とされていた）の設定のようです。ただ、『ロキ』の時点でマルチバースを跨いで複数のカーンが存在していることは示唆されており、今後の『アベンジャーズ』の５作目などでカーン軍団との戦いが描かれることになるのかなと思います。
正直まだ本作の段階ではそこまでヴィランとしての魅力は出ておらず、事前に言われていたほどの圧倒的なヤバさもまだまだ出ていなかったかなと思います（例えば今回のカーンのポジションにいたのがサノスだったらアントマン陣営は惨敗していた気がする）。そこは今後の展開に期待したいところです。果たしてサノスを超えるインパクトを残すことができるのか。
その他のキャラクターについて
スコットやピム一族についてはキャラ的にはこれまでのシリーズ作品と同じようなキャラ付けといった感じでしたが、本作でスコットの娘キャシーが成長して物語の重要なキーパーソンになっています。最初はトラブルメーカー的な立ち位置になるのか（実際事の発端はキャシーの装置のせいだし）と思いましたが、全体を通してみれば可愛らしくて今後の成長を応援したいキャラクターにまとまっていたのが良かったと思います。本作で既にスーツも着用して戦いにも参加しており、今後作品でも活躍が期待されるキャラクターです（ずっと噂のあるヤングアベンジャーズとか）。
また、本作のサブヴィランとして登場したモードックもいいキャラしていたと思います。まさかの意外な正体にはビックリ。せっかくなのでまたどうにかして出てきてほしい良キャラです。
ポストクレジットシーンについて
エンディング以降のネタバレ有り
本作の中で登場したカーンとは一応の決着がつきましたが、まだまだ本当の戦いがこれからだということは作中の各所で示唆されていました。そしてミッドクレジットシーンではかなりの数の征服者カーン軍団が登場。この辺の見せ方は『エイジ・オブ・ウルトロン』あたりでついにサノスとの戦いが始まることを示唆するポストクレジットシーンを思い出します。
また、ポストクレジットシーンでもどこかの世界のカーンが登場。そしてそれを見つめるロキの姿。このロキは一体いつのどのロキなのか。今ある材料から考えればドラマ『ロキ』のエンディング後だと思いますが・・・。『ロキ』はシーズン２もすでに発表されているので、そちらでこのシーンの前後が見られるかも。
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