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『ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション』の感想【ゲームレビュー】




2020年2月27日に発売された『ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション』を収録タイトル全てプレイしたのでその感想です。複数ハードで発売されていますが、今回はSwitch版をプレイしました。


ちなみに本作に収録されている『ロックマンゼロ』及び『ロックマンゼクス』のシリーズは全て今回初見プレイになります。



<目次>

 
 

『ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション』

ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション -Switch
 
 
定価:3,627円(税別)*1
機種:Switch・PS4・Xbox One・Steam
発売:2020年2月27日発売
  

『ロックマンゼロ』シリーズ4作、及び『ロックマンゼクス』シリーズ2作の計6作を収録している他、新モードの「Zチェイサー」等の新要素を追加した移植作。



 

【収録タイトル】

  • ロックマンゼロ
  • ロックマンゼロ2
  • ロックマンゼロ3
  • ロックマンゼロ4
  • ロックマンゼクス
  • ロックマンゼクス アドベント


 
 

ダブルヒーローコレクションの特徴

まずは本作『ダブルヒーローコレクション』の製品全体としての主な特徴をご紹介していきます。
 
 
<本作で追加された新機能>

本作に収録されている作品は基本的にすべて元の製品(以後、原作)からの移植となっていますが、一部以下のような機能が追加されより遊びやすくなっています。

・低難易度のカジュアルシナリオモード
・アシストセーブ機能
・高画質フィルター
・ギャラリー機能
・ミュージックプレイヤー


カジュアルモードはアクションが苦手でシナリオを楽しみたい人向けのモード。アシストセーブ機能はステージの途中から再開できるセーブポイントが多数追加される機能で、実質ゲームオーバーが無くなるのでサクサク進めたい人向けの機能。特に1作目の『ロックマンゼロ』は残機のシステムが独特なのでこの機能は助かりました。高画質フィルターはドット絵を滑らかに表示してくる機能。ゲームボーイアドバンスやDS時代のゲームの移植作のためどう頑張っても粗さは目立ちますが、これのおかげでテレビ画面でプレイしてもそこまで違和感は感じませんでした。ギャラリーやミュージックプレイヤーはロックマンのクラコレやロックマンXのアニコレでもお馴染みだったファン向けに嬉しいライブラリー機能です。



<新モード:Zチェイサー>

本作で追加された新モード。
指定のステージをタイムアタック形式でプレイしていくモード。オンラインで全世界のプレイヤーとタイムを競うことが可能になっています。アニコレに収録されていた「Xチャレンジ」モードに変わるやり込み用モードといった感じ。

ちなみに全ステージをSランクでクリアすると隠しステージが登場。ZZカード(後述)の実績の一つに「隠しステージを含む全ステージをクリア」があるため、実績コンプしたいプレイヤーはここが一番の難所になると思います。



<やり込み要素のZZカード>

やり込み要素の一つとして用意されている「ZZカード」。いわゆる実績解除(トロフィー)で、特定の行動をすると入手できるようになっています。「各シナリオをクリアする」といったようなオーソドックスなものから、「Zチェイサーで隠しステージを含む全ステージをクリア」のような高難易度ものや「シエルの自室に入る」のようにバラエティーに富んだものまで。
 
 
 


1.収録作品の感想(ゼロシリーズ)

続いて収録されている各作品についての感想や気になるポイントをご紹介していきます。まずはゼロシリーズの4作品から。
個々の作品の内容についてのネタバレが含まれる部分もございますので、ご注意ください。




『ロックマンゼロ』


画像出典:https://www.capcom.co.jp/rockman/


対応機種:ゲームボーイアドバンス
発売日付:2002年4月26日
作品評価:60点


プレイ時間はだいたい2時間30分程度で一周目クリアできたぐらいのボリュームでした。



<ゼロを主人公にした新シリーズ>

本作の主人公はタイトルの通りゼロです。『ロックマンX』シリーズでは主人公エックスの良き友でありもう一人の主人公といったポジションでしたが、本作シリーズではついに単独の主役になりました。本作は『ロックマンX』の時代からは数百年が経過した世界であり、ゼロは長く封印されていて本作冒頭で復活するという展開になっています(この部分の設定はX6のゼロエンドに繋がっている感じがしますがそもそもそのエンド自体がX7以降と矛盾があるので関連は不明)。


そして『ロックマンX』シリーズの諸悪の根源だったシグマウイルスは完全に根絶されて、一連の戦い(イレギュラー戦争というらしい)は終結していました。ただ、レプリロイドのイレギュラー化を防ぐという名目で罪のないレプリロイドまで処分する政府「ネオ・アルカディア」により支配されているディストピア感の強い世界観になっています。この部分については『ロックマンX』シリーズが元々持っていたハードでシリアスな世界観を強く引き続いていると部分だと思います。


ちなみにゼロのデザインは『ロックマンX』シリーズからは大きく変わっていますが同一人物ではあるとのこと。デザインの違いは作風による違いということで設定上は同一と言うことになっているようです(ガンダムWのTV版とEW版みたいな感じ?)。デザインの作風の影響か等身も低くなってやや幼い印象になっていて、個人的にはせっかくの人気キャラなのでデザインはそのままかマイナーチェンジぐらいでも良かったんじゃないかと思います。ちなみにバスターによる攻撃も可能ですが、過去の様に腕がバスターに変形することは無く、手持ちの銃のような武器での射撃攻撃になっていました。



<独自性の強いゲームシステム>

本作は『ロックマンX』シリーズには無かった様々な新しい実験的な要素が取り入れられています。一番の特徴はやはり8大ボスステージ制の廃止。自由に動き回れる拠点(セーブや装備の強化などが可能)が存在し、多数のマップはそこから地続きで移動可能になっている等アクションRPG的な面が強いマップ構成になっています。ゲームとしての流れは拠点からミッションを受け、該当するエリアに移動して攻略を進めていくというもの。ミッションによっては同じマップに複数回訪れる(ミッションによって新ルートが発生したりはする)ことがあったり、ステージを進んで最奥にいるボスを倒すというオーソドックスなものの他、先にボスを倒して爆破される拠点から時間内に脱出するというもの・指定の人数の仲間を救出するもの・ボスを倒して助けた仲間をスタート地点まで護衛するものなどバラエティに富んだものとなっています。


ただ、個人的にはロックマンシリーズと言えばやっぱりボス選択画面からステージに行って、というお馴染みのパターンの方が遊びやすかったかなと思います。ミッションの全体が見えないので現状どの程度までゲームを攻略できているのかよくわからず、8大ボスのくくりもないのでステージで出てきたボスが重要なキャラなのかその場限りの中ボス扱いなのかもよくわかりませんでした(一応四天王は印象に残ったかな)。


他、過去シリーズではお馴染みんの要素としては撃破したボスからの特殊武器の取得も本作では廃止されています。その代わりに武器に電気・炎・氷の属性を付与することが可能で、この属性は三竦みの関係になっていて属性を持ったボスには弱点となる属性で攻撃することで戦闘を有利に進めることが可能です。



<やや使いにくいサイバーエルフ>

本作で新たに導入されたサポートシステムのサイバーエルフ。ステージ中や敵を倒すことで入手でき、ゼロにダウンロードすることで過去シリーズのライフアップ・サブタンク・E缶等に代わる各種サポートアイテムとして使用することが可能です。しかしライフアップ等の永続系のものは使用するためにはステージで手に入るEクリスタル(過去シリーズにおけるネジのようなもの)を与え成長させる必要がりますが、要求されるクリスタルが異常に多く、結局1周目のプレイでは1つも使用できずに終わりました。


また、ライフ回復等の使い切り系のサイバーエルフも使用するとそのステージの評価が減点(前段の永続系は永久に減点)されたり、登場キャラクターに「サイバーエルフにも生命があって一度使用すると死んでしまう」ということを言われたりするので、スコア的にも精神的にも使いにくいシステムです。正直製作側としても使わせたいのか使わせたくないのかよくわからないシステムで、使い慣れて馴染む前に自力でクリアできてしまったといった感じのものでした。



<X2あたりに近い操作感・キーコンフィグも可能>

本作は『ロックマンX』シリーズお馴染みのハイスピードアクションをちゃんと踏襲しており、個人的には『X2』か『X3』あたりに近い操作感でプレイ出来たと思います。本作が発売された2002年と言えば本家シリーズでは『X6』と『X7』の間というまさに迷走期の真っ最中。本家の方で失われていた爽快感のあるハイスピードアクションはこちらのシリーズが引き継いだ形になっていました。


また、快適な操作に必要不可欠なキーコンフィグも可能。特にゲームボーイ、ゲームボーイアドバンスの作品の移植はボタンの数や配置の違いからデフォルトだと非常に操作しにくいことが多いため自分のやりやすい設定にできるのはありがたいです。僕はYで攻撃・Bジャンプ・Aダッシュのスーファミ時代と同じボタン配置にして快適にプレイできました(ダッシュに関してはLのままの方が操作性は高いと思いますがAボタンでの操作に慣れ切ってしまっているから仕方ない・・・)。武器についてはYをメイン武器にしてZセイバー、Rをサブ武器にして射撃攻撃に割り振っていました。



<ストーリーとエンディングについて>
 
ネタバレ注意!
 

今回初見プレイと言うこともあって本作のざっくりとしたラストの展開をメモしておこうと思います。ちなみに本作のエンディングは1種類でした(多分)。内容の部分は白文字にしてますので、ご覧になる際は選択をして反転させて下さい。


<内容>
ネオ・アルカディアの指導者であるコピーエックスを倒したゼロ。目覚めたゼロにゼットセイバーを渡し重要なタイミングでサポートをしていた謎のサイバーエルフの正体は本物のエックスの思念体。エックスは世界をゼロに託して眠りにつき、ゼロはネオ・アルカディアとの戦いを決意する。本当の戦いはここから始まると言った感じのラスト



 
 

『ロックマンゼロ2』


画像出典:https://www.capcom.co.jp/rockman/


対応機種:ゲームボーイアドバンス
発売日付:2003年5月2日
作品評価:65点


プレイ時間はだいたい2時間程度で一周目クリアできたぐらいのボリューム。


<新要素を搭載したシリーズ2作目>

本作のストーリーは前作から1年後、単独でネオ・アルカディアとの戦いを続けていたゼロとシエルらレジスタンスが再開する所から始まっています。作品の雰囲気やグラフィック・操作性等は前作を引き継いでいますが、複数の新要素を取り込んで続編として進化を遂げていると言っていい内容だと思います。ストーリーでもゼロ・シエル・四天王(3人だけど)といった前作から引き続きのキャラクターに加え、本作で重要な役割を持ったエルピスやダークエルフと言った新キャラ・新設定が数多く登場しています。


また、自由に移動できる拠点から各ミッションに出撃する仕組みは同じですが、今回はミッション選択画面がロックマンシリーズお馴染みのボスの顔グラフィックから選択する形式に変更。ビジュアル面で従来シリーズに近く分かり易い画面になっています。


難易度的には前作よりやや難しいと言った印象(というより初見殺しの難所が多いイメージ)。



<新武装・チェーンロッド>

前作のトリプルロッドに代わる形で登場した新武装チェーンロッド。壁やオブジェクトなどに撃ちこみ天井にぶら下がったり、振り子移動で空中を進んでいくことが可能(『ロックマン8』のサンダークローみたいな感じ)。また、敵やブロックを手前に引き寄せることも可能で、ブロックを動かすステージギミックに使います。


振り子移動は慣れないと使いにくくミスすると即死トラップの箇所もありますが、新要素としてアクションの幅を広げていると思います。



<新システム・フォームチェンジ>

ステージ中に特定の行動をとることで色違いの新フォームを入手することが可能(外見的にはゼロのボディのカラーリングが変化)。入手したフォームはメニュー画面からいつでも切り替えることが可能で、攻撃力や防御力が増減する物や、特定の攻撃アクションに変化が出るもの、回復アイテムが出やすくなるものなどバリエーション豊か。


ただ、入手条件が厄介なものがいくつかあり、1周ですべてのフォームを揃えるにはある程度の事前情報が無いと厳しいと思います。



<多少使いやすくなったサイバーエルフ>

前作では新要素の一つながらやや使いにくかったサイバーエルフですが、本作ではサイバーエルフ育成に必要なEクリスタルが減り、Eクリスタル自体のステージでの入手量も増えたため多少は使いやすくなったと思います。ライフアップやサブタンク等の永続系サイバーエルフも普通に複数使用しながらラスボスまで行くことができました(前作では普通にプレイしていたら永続系が一つも解放できなかった)。


ただ、サイバーエルフを使用すると減点されてランクが下がる仕様は相変わらずで、次項の新要素であるEXスキル(ラーニング技)と相反する要素になってしまっているのがマイナスポイントでした。



<復活したラーニング技・EXスキル>

前作で廃止されてしまっていた特殊武器・ラーニング技ですが、本作ではEXスキルとして復活。各ボスを撃破することで合計10個の技をゼロに覚えさせることが可能です。


が、このEXスキルの入手条件が大問題で、「ランクSかAでボスを撃破する」こと。つまり評価を減点するサイバーエルフと相反するシステムになっていて、サイバーエルフを有効に使っていくならEXスキルの収集は諦める、EXスキルを集めるならサイバーエルフの使用は縛る、といった長所を殺し合う関係になっています。実際初見の1周目はEXスキルを一つも取らずにクリアしました。前作同様に属性攻撃でボスの弱点をつくことは出来るのでなくても全然攻略できますが、せっかく追加した新システムなのになんでこんな仕様にしたのかわからないというのがプレイしての正直な感想です。



<ストーリーとエンディングについて>
 
ネタバレ注意!
 

今回初見プレイと言うこともあって本作のざっくりとしたラストの展開をメモしておこうと思います。ちなみに本作もエンディングは1種類です。内容の部分は白文字にしてますので、ご覧になる際は選択をして反転させて下さい。


<内容>
ダークエルフを取り込んだエルピスを倒したゼロ。ダークエルフは再び禍々しいオーラをまとってどこかに消え去ってしまう。ボディは破壊されたもののサイバーエルフとなっていたエックスからダークエルフが元々は悪の存在ではなかったことが告げられる。スタッフロール後に黒幕風の謎の存在が現れ続編を示唆する展開を見せて終了





『ロックマンゼロ3』


画像出典:https://www.capcom.co.jp/rockman/


対応機種:ゲームボーイアドバンス
発売日付:2004年4月23日
作品評価:75点


プレイ時間はだいたい2時間半程度で一周目クリアできたぐらいのボリューム。


<さらなるパワーアップを遂げた3作目>

本作は雰囲気やグラフィック・操作性等は前作までのシリーズをベースにしながら、数多くの新要素を取り入れてさらにパワーアップをした作品だったと思います。
また、これまでのシリーズでもおなじみの四天王やエックス等に加え、前作ラストで登場がほのめかされていたバイルやオメガといった新キャラも登場。さらにはゼロの秘密も明かされていくことになり、シリーズとしての大きな山場を迎えることになりました。ストーリー性はシリーズ内でも屈指のものとなっていると思います。



<新武装・リコイルロッド>

トリプルロッド、チェーンロッドに代わる本作の特殊装備枠のリコイルロッド。トンファーのような近接武器で、敵や障害物を吹き飛ばしたりオブジェクトや一部の壁を破壊可能。さらに下に向かって撃つことでゼロを大ジャンプさせることが可能です。各作品ごとに特色を持たせた武器でアクションの幅を広げているのはシリーズとして面白い試みだと思います。


<各種チップでゼロをカスタマイズ>

前作に登場したフォームチェンジは廃止され、その代わりに頭部・ボディ・脚部に各種チップを装備することでゼロの能力をカスタマイズすることが可能になりました。前作までに登場したエレメントチップはボディチップの一種として登場。フットチップでは旧シリーズではゼロおなじみのアクションだった2段ジャンプも可能になっています。



<さらに使いやすくなったサイバーエルフ>

前作までどうにも思うように使いづらかったサイバーエルフは本作で「サテライト」と「フュージョン」の2種類に分けられ使い勝手がよくなっています。

「サテライト」は2種類までのエルフを装備させることができ、使用しても消滅せずその恩恵を受けても減点されません。「フュージョン」は前作までのエルフと同様に使ったら消滅しスコアも減点になりますが、本作ではすべてのエルフを持ち運ぶことができるためいちいちダウンロードして装備する必要がなくなりました。また、「サテライト」と「フュージョン」をEクリスタルを使用して入れ替えることが可能になり、これにより「サテライト」として減点なしでライフアップを使用するといったようなことができるようになりました。




<収集要素のシークレットディスク>

シークレットディスクはステージ内・敵の撃破時等に入手できる収集要素で、キャラクター図鑑のほか一部のサイバーエルフ・チップ等はステージクリア後にディスクを解析することで入手ができるようになっています。



<ミニゲームの追加>

クリア後のおまけ要素としてミニゲームが追加されました。ミニゲームは様々ありゼロ以外にも四天王やコピーエックスを使用することが可能になっています。一部を除いて解放条件が非常に厳しく(アベレージ100でクリア・セイバー縛りでランクSクリア等)、本来はやりこみたいプレイヤー向けのご褒美要素といっていいかもしれません。

ただ、カジュアルシナリオモードでクリアすると無条件で全部開放されるようになっています。




<ストーリーとエンディングについて>
 
ネタバレ注意!
 

今回初見プレイと言うこともあって本作のざっくりとしたラストの展開をメモしておこうと思います。ちなみに本作もエンディングは1種類です。内容の部分は白文字にしてますので、ご覧になる際は選択をして反転させて下さい。


<内容>
本来のゼロのボディを持つオメガを倒したゼロ。ダークエルフはバイルの呪いから解放されマザーエルフに戻った。力を使い果たしたエックスはゼロに世界を託して消えていった




『ロックマンゼロ4』


画像出典:https://www.capcom.co.jp/rockman/


対応機種:ゲームボーイアドバンス
発売日付:2005年4月21日
作品評価:70点


プレイ時間はだいたい2時間半程度で一周目がクリアできたぐらいのボリュームでした。


<ゼロシリーズの最終作>

ついにラストを迎えたゼロシリーズ。今回はこれまであまりスポットの充てられていなかった「レプリロイドと人間」というテーマが中心になっています。本作も雰囲気やグラフィック・操作性等の基本的な部分は前作までのシリーズ作品と共通しており、本作特有の新要素を取り入れて差別化を図っている形になっています。ちなみに本作では本シリーズ4作品では初めて8大ボスのステージを好きに選んで攻略できる従来シリーズと同じ形式になりました。ベースとなっているビジュアルや操作性が本家の『ロックマンX3』前後に近いので悪くはないんですが、さすがに4作も同じビジュアルの作品が続くと少し飽きがきますね。


本作では過去作に比べて作中のボイスがかなり強化されている印象で、オープニングのナレーションの他、戦闘中もボスがかなり良く喋るようになっていました。


また、本作でちょっと残念だったのは四天王やエックスといった前作までの主要メンバーに一切触れられなかったこと。エックスはまだしも四天王は前作ラストの後どうなったの?



<新武装・ゼロナックル>

本作ではロッド系武器とシールドブーメランは廃止、代わりの新武装としてゼロナックルが追加されました。新武装枠は作品進むごとにどんどんリーチが短くなると持っていたらついに素手に。


ゼロナックルでは倒した敵の武器を奪って使用(シージング)することができ『X7』のアクセルを思わせる能力ですが、あちらよりも気軽に使える武器になっています。ただ、シージング武器はバスターやセイバーに比べると微妙な武器が多く、「特定のシージング武器をギミックに使用して隠しアイテムを取得」といったようなものもほとんどないため、攻略を進めるとほとんど使わなくなってしまったのが残念。



<天候システムと入手しやすくなったEXスキル>

本作の新要素として8ボスステージの天候を任意に変更できるようになりました。天候によっては敵やボスが強くなったり弱くなったりと、攻略に有利にも不利にも影響する要素になっています。

個人的に一番大きく感じたのはEXスキルとの関係性。本作では「ボスに有利な天候でクリアするとランクに関係なくEXスキルを入手可能」という仕様になっていて、Aランク以上が求められるために死に要素になりやすくなっていたEXスキルの入手しやすさがアップしています。

また、本作ではエレメントチップ(属性変更)が廃止され、ボスの弱点を突くための属性攻撃はEXスキルを使う以外の方法がなくなっています。この部分はEXスキルのウエイトが高まったのは良いものの、使い勝手の悪いスキルもあるのでプレイの快適性としてはマイナス。良し悪しのある仕様変更かなと思います。



<チップ開発>

頭部・ボディ・脚部の3か所にチップを装備することでゼロの能力をカスタマイズすることが可能なのは前作と同様ですが、本作ではそのチップは敵が落とすパーツを使って開発する必要があります。入手したパーツを使って武器・能力をアップさせるのは『ロックマンDASH』等を感じさせて面白いんですが、問題は開発レシピのヒントが作中ではほぼゼロなこと。攻略情報なしで開発を進めていくのは文字通り手当たり次第に組み合わせを試していくしかないため現実的ではないと思います。この部分に関してはもう少し深堀りすれば良システムになったんじゃないかなと思います。



<サイバーエルフが1体のみに>

本作の攻略で使えるサイバーエルフは1体のみになり、その代わりにそのサイバーエルフを育てて様々な能力を解放していく形になりました。個人的には本作の形式の方がこれまでよりわかりやすくて良かったと思います。解放した能力はゼロのキャパシティ(攻略を進めるごとに増加)を超えない限りはスコア減点なく使用することが可能です。



<ミニゲーム>

本作でもクリア後のおまけ要素としてミニゲームが実装されています。相変わらず普通のプレイでは解放されないものが大半ですが、それでも前作に比べるとかなり条件は緩和されているように思います。引き続き、カジュアルシナリオモードでクリアすると無条件で全部開放されるようになっています。




<ストーリーとエンディングについて>
 
ネタバレ注意!
 

今回初見プレイと言うこともあって本作のざっくりとしたラストの展開をメモしておこうと思います。ちなみに本作もエンディングは1種類です。内容の部分は白文字にしてますので、ご覧になる際は選択をして反転させて下さい。


<内容>
バイルとの決着をつけたゼロだったが、崩壊するラグナロクとともに大気圏に突入し行方不明となる。ゼロの無事を信じるシエルはレプリロイドと人間がともに歩むことができる世界を作っていくことを強く誓う





2.収録作品の感想(ゼクスシリーズ)

続いてゼクスシリーズの2作品。『ロックマンゼロ』のシリーズから主人公や舞台が一新されています。
個々の作品の内容についてのネタバレが含まれる部分もございますので、ご注意ください。



『ロックマンゼクス』

ロックマン ゼクス
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対応機種:ニンテンドーDS
発売日付:2006年7月6日
作品評価:75点


プレイ時間はノーマル難易度での一周目クリアが9時間ぐらいでした。


<『X』『ゼロ』から連なる新シリーズ>

本作は『ロックマンゼロ』のシリーズから主人公や舞台を一新した新シリーズ。ただし、世界観は同一としており『ロックマンゼロ』のシリーズからさらに数百年先の世界ということになっています。主人公は少年(ヴァン)と少女(エール)のどちらかから選べるようになっています。ちなみに、選ばなかった方の性別の主人公は一切登場しなくなります。とりあえず1周目は初の女性ロックマンであるエールを選択してプレイしました。

本作の設定は主人公の少年・少女が後述のライブメタルの力をかりて「ロックマン」に変身して敵と戦うという、他の作品以上に「ヒーローもの」色が強い作品になっています。ただ、『X』『ゼロ』シリーズからのシリアスをベースとしたストーリーはしっかりと踏襲しており、終盤熱い展開もあるなどストーリーの出来はロックマン作品群の中でも良い方の作品だと思います。

前作(と言っていいのかどうかは微妙ですが)の『ゼロ』シリーズからは数百年経過していてエックスやゼロといった過去作のキャラクターは登場しないものの、その代わりにエックス・ゼロや前作の四天王の魂を宿したライブメタルから力を借りて戦うというゲームデザインになっていたり、一部ぼかされてはいるものの前作登場キャラの成長した姿と思わしきキャラクターが登場しているなど、世界観のつながりはしっかりと保たれていると感じました。



<ハードがDSになって演出面がパワーアップ>

本作からハードがニンテンドーDSとなって演出面が大きくパワーアップ。主要キャラクターによるストーリー上の会話はほぼフルボイスとなり、アニメーションムービーなども挿入されるようになりました。特に主人公がフルボイスになったことで物語への没入感が上がっていると思います。

ビジュアルの面でも本家『X2』『X3』あたりに近かった前作シリーズからパワーアップし、PS作品の『X4』~『X6』に近い印象のビジュアル・演出になっていました。


本作はハードがDSのソフトのため上下2画面を使う作品になっています。今回プレイしたのはSwitch(1画面)への移植作品になるわけですが、1画面でも快適なプレイができるように配慮された画面設計になっていて特に違和感や不便を感じることなく遊べたと思います。また、画面レイアウトは複数パターンから変更することも可能で、横並び・縦並び・重ねてサブ画面と透過することでフル画面で遊ぶ等、自分にあったレイアウトでプレイできるようになっています。


<ライブメタルとロックオンシステム>

本作のもっとも重要なキーワードになるのがライブメタル。エックス・ゼロや『ゼロ』シリーズの四天王などの魂を宿した「生きた金属」で、主人公はこのライブメタルと合体(ロックオン)して「ロックマン」となることで戦う力を得ることができるようになります。そのあたりは戦隊ヒーローや仮面ライダーなどの特撮ヒーローみたいな感じの印象に近いです。人によってはやや対象年齢が下がったような設定に感じるかもしれないですが、個人的には本作の設定は結構好きです。選ばれた能力を持ったものが「ロックマン」と呼ばれるというのは、岩本先生の『ロックマンX』コミック版にも通じるところがあっていいですね。


最初はXとZが合体した「タイプZX(ゼクス)」にのみ変身が可能ですが、ストーリーを進めていくことで様々な能力を持ったライブメタルと合体することが可能になります。別のタイプに変身すると能力だけではなく見た目・カラーリング等も変化し、その点はロックマンシリーズ作品の伝統がしっかり受け継がれている部分ですね。「タイプHX」は前作の四天王ハルピュイアに似た外見で雷属性を持ち空中での機動力が向上、「タイプLX」は四天王レヴィアタンに似ていて氷属性で水中を自由に移動可能など、前作を知っていると思わずテンションが上がってしまう設定になっていました。



<探索要素が強くなったフィールド>

前作『ゼロ』シリーズが作品が進むにつれてボスのいるステージを選択して攻略するロックマン従来のシステムに近づいて行ったのに対し、本作は地続きになった広大な2Dのフィールドを探索しつつミッションをこなしていく(それぞれのミッションの中で8ボスと戦闘する)形式になっています。


個人的なイメージとしてはSFC時代の『がんばれゴエモン』とかPSVITAの『朧村正』みたいなイメージのフィールドになっていました。



<その他『ゼロ』シリーズとの違い等>

基本的なアクションのシステム(メイン・サブのウェポンがある等)やスピード感のあるアクションは前作シリーズを踏襲していますが、ざっと思いついた限りでのシステム上の変更点は以下のような感じです。

・探索型のフィールドになった(前項の通り)
・アイテムとしてのサイバーエルフの廃止(物語上にのみ登場)
・スコア、ランク制の廃止
・周回制の廃止

周回制の廃止についてはクリアしてセーブしたデータを読み込むと最終ミッションの前から再開という形になっています。ただし、隠しモデル等のクリア後解放要素は追加されています。




<移動がだんだん面倒になってくる>

全体的にはこれまでのロックマンシリーズとはいい意味で変革に踏み切った作品として新鮮に楽しめました。ただ、新シリーズ1作目のためかもうちょっと配慮してほしかったというか不満に感じる点もあり、一番大きなところはだんだんと移動が面倒になってくるところ。

本作ではA~Oまでのエリアがあり、各エリアはさらに3~5前後の小エリアに分かれています。このエリア間の移動が慣れるまでは非常にわかりずらい。メニュー画面に全体マップは表示されているもののマップの方向と実際が一致していない箇所がとても多く、例えば東側に隣接するエリアに移動したくて現在のマップの東側の扉に入ったら西側のエリアに行ってしまったなんてこともザラ。地図としてはほぼ機能していないといっていいと思います。ある程度ルートが頭に入るまでは希望のエリアに移動できるまで敵の攻撃にさらされながら現在のエリアの探索をし続けるしかないです。一応ファストトラベルの機能もありますが設置されているのはごく一部のエリアのみ。

本筋のミッションの他にサブのクエスト等も多くありますが、「移動が面倒」という本作のような形式のマップではある意味致命的な欠点があるためクエストをやるのもだんだん面倒になってきて必要なアイテムだけ取り終えたらさっさとストーリーを進めちゃいました。



<ストーリーとエンディングについて>
 
ネタバレ注意!
 

今回初見プレイと言うこともあって本作のざっくりとしたラストの展開をメモしておこうと思います。ちなみに本作もエンディングは1種類です。内容の部分は白文字にしてますので、ご覧になる際は選択をして反転させて下さい。


<内容>
モデルVを撃破してハッピーエンドのような終わり。ただ、ぼかされた黒幕の存在など次作につながりそうな伏線は説明させずに残されたままになっている





『ロックマンゼクス アドベント』

ロックマンゼクス アドベント
クリックするとAmazon商品ページにジャンプします。


対応機種:ニンテンドーDS
発売日付:2007年7月12日
作品評価:70点


プレイ時間はノーマル難易度での一周目クリアが6時間半ぐらいでした。


<新主人公で描かれる新しいストーリー>

前作『ロックマン ゼクス』の直接的な続編で、前作の約4年後を描いたストーリー。続編ではあるものの主人公は新キャラクターとなり、前作同様に少年(グレイ)と少女(アッシュ)から選ぶことが可能で、選ばなかった方の性別の主人公は物語に一切登場しない形になっています。今回の主人公は新しいライブメタル「モデルA」に選ばれてロックマンになって戦います。前作が赤い「Z」と青い「X」で、本作が二丁拳銃を構えた「A」というのは(実際のモデルAの設定はさておき)ニクい演出だったと思います。


前作の主人公(ヴァンかエール)もサブキャラクターとして登場し成長した姿を見せてくれます。男主人公(グレイ)を選んだ場合は前作の女主人公(エール)が登場し、逆に女主人公(アッシュ)を選んだ場合は前作の男主人公(ヴァン)が登場します。この情報は事前に知っていたので、前作で選んだエールを登場させるために本作はグレイを選択しました。前作のストーリーからそのままつながっている感じがあってよかったです。



<コピー能力:トランスオン>

前作では複数のライブメタルから選んで合体することで様々な能力を使えるシステムでしたが、本作では装着するライブメタルはあくまで「モデルA」一つのみ。その代わり、コピー能力をもっていて撃破したボスの姿に完璧に変身することが可能です。変身可能なのは前作も登場した「H・L・F・P」にあたるフォルムに加えて、巨大な亀や蜂などの人型ですらないボス達もコピーの対象になっていて、この部分では前作のダブルロックオンよりもさらにアクションの幅が広がるシステムになっています。

ボスといえば本作のボスの1体のテスラットがとてもかわいくてお気に入り。検索でもサジェストに「テスラット かわいい」が出てきます。小柄なボディから「ていってい!」や「行っちゃうのよー!」などの掛け声とともに繰り出してくるが全然強くない攻撃ばかりというのもいいです。黄色くて小柄な体系で電気を放つネズミってそれなんてピカ(ry



<一本道に近い構成になったマップ>

本作も前作に近い探索型の構成ですが、最初からそれなりに広大なマップという印象のあった前作にたいし、本作ではストーリーの進行に併せて行ける場所が次々とアンロックされている形式になってかなり一本道に近い感覚になりました。前作は広い分ルートがわかりにくいマップ、本作はわかりやすいけどほとんど探索要素のないマップ。この部分は人それぞれ好みによる部分だとは思いますが、この中間ぐらいだとちょうどいい感じだったんじゃないかと思います。



<ストーリーとエンディングについて>
 
ネタバレ注意!
 

今回初見プレイと言うこともあって本作のざっくりとしたラストの展開をメモしておこうと思います。条件を満たすことで見ることができる隠しエンドの内容も併せて記載しています。内容の部分は白文字にしてますので、ご覧になる際は選択をして反転させて下さい。


<内容(通常エンド)>
アルバートととの最後の戦いに勝利したグレイはエールに別れを告げ、モデルAとともに自分を探す旅にでる。モデルZ・H・L・P・Fは行方不明となっている模様

<内容(隠しエンド)>
エンドロールまでは通常と同じ。三賢人の残り二人トーマスとミハエルの会話。トーマスが「この世界はリセットしなければならない」と言い出して次作の黒幕になることをにおわせるようなエンディング。四天王のライブメタルの4人組も登場。完全に次作につなげようとした内容だが、現状は本作でシリーズはストップしているので投げっぱなしエンドになってしまった





全体通しての感想!

改めて各作品の個人的な感想は以下の通り。
 

  • 『ゼロ』    ・・・ 60点。
  • 『ゼロ2』   ・・・ 65点。
  • 『ゼロ3』   ・・・ 75点。
  • 『ゼロ4』   ・・・ 70点。
  • 『ゼクス』   ・・・ 75点。
  • 『アドベント』 ・・・ 70点。

 
 
各シリーズ通しての感想や印象は以下のような感じ。

<『ゼロ』シリーズ>
全体的に『X2』『X3』あたりに近い操作性・ビジュアルのシリーズで、どれも『ロックマンX』シリーズの売りであるスピード感のあるアクションはしっかり引き継がれていると感じさせる作品になっていました。ゼロのデザインの変更の是非はプレイヤーの好みによると思いますが、四天王などデザイン的にもキャラクター的にも魅力のある登場人物が多くいたのは良かった点だと思います。ただ、個人的にはスコアとランクのシステムが正直邪魔だったと思います。スコアのシステム自体はあってもいいんですが、サイバーエルフやEXスキルと潰しあうデザインになってしまっている(『ゼロ4』以外)のが残念でした。


<『ゼクス』シリーズ>
キャラクターを一新して変身ヒーロー的な要素を取り込んだ意欲的なシリーズ。しかしながらこちらもスピード感やシリアスな雰囲気といった『ロックマンX』から受け継がれてきた遺伝子はしっかりと継承していると思います。どちらの作品でも形を変えて登場している変身能力は多少粗はあるものの面白いシステムだったと思います。探索型になったマップについては両作品に良し悪しがあり、まだ深堀りできる要素が十分にあったと思います。



元は携帯機のソフトとはいえ、6作がセットになってかなりのボリュームで遊べました。今回すべて初見でプレイしましたが、各シリーズごとに特徴・見どころがあって(粗い部分も多々あったけど)楽しめたと思います。後はロックマンで手を付けていないシリーズは『エグゼ』のみになりました。『エグゼ』シリーズのコレクションも今年発売するようなので、そちらもプレイしてみたいと思います。




 


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*1:Switch・PS4パッケージ版の場合。ハードや購入方法により異なります