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Switch『ゼルダ無双 厄災の黙示録』感想。ブレワイ好きなら絶対やるべき良作




Switch用ソフト『ゼルダ無双 厄災の黙示録』をプレイした感想です。


通常のゼルダシリーズとは毛色の異なる無双系の作品ですが、同じSwitchの名作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下『BotW』)と世界観を同じとする作品ということで、『BotW』の続編の発売前にやっておこうということで今回初見プレイしました。

ジャンルも異なるスピンオフ作品ぐらいにしか思っていませんでしたが、『BotW』好きであればかなり刺さるストーリーで大満足できた良作でした。




目次

『ゼルダ無双 厄災の黙示録』製品概要

ゼルダ無双 厄災の黙示録 -Switch


機種:Nintendo Switch
発売:2020年11月20日
ジャンル:無双アクション
作品評価:85点


【プレイ時間】
ストーリークリア:61時間(達成率78%)
DLC完了   :92時間(達成率100%)


過去に発売された『ゼルダ無双』に続く無双系ゼルダ作品の2作目で、2017年に発売された『BotW』の本編の100年前の「大厄災」の時代を描いた作品。無双系のゲームということで開発はコーエーテクモゲームスですが、キャラクターやステージのビジュアルや世界観は『BotW』を忠実に再現したものになっており、『BotW』と見比べても全く遜色ないものになっています。


ゲームシステムは無双ではお馴染みの1対多数の爽快感あるアクションで、広いマップを移動しながら敵の拠点を制圧したりボス敵を倒して勝利条件を達成していくものになっています。


ちなみに『ゼルダ無双』とのつながりはなく、前述の通り『BotW』のスピンオフ的な立ち位置の作品になっています。






作品の特徴や良かった点

とにかくストーリーが良い

正直無双系のゲームのストーリーってオマケ程度ぐらいにしか認識していなかったんですが、本作はなによりもストーリーがよかったです。ストーリーに関してはここ数年でやったゲームの中で1番と言ってもいいぐらいに刺さったと思っています。


特に僕が『BotW』の方をプレイ済みでそれなりの思い入れを持っていたからそう感じたんだとは思いますが、本作は『BotW』好きな人には絶対にやってほしい作品だと思いました。また、本作をこれからプレイしようと思っている場合、『BotW』が未プレイであれば絶対に『BotW』の方を先にやった方がいいと思います。また、極力ネタバレを見ないでやった方がインパクトがあってより楽しめると思います。


本作の舞台は『BotW』の100年前の大厄災のタイミングということで、リンクやゼルダの他に『BotW』では既に故人となってしまっていた四英傑もプレイアブルキャラクターとして使用することができます。『BotW』でも四英傑たちはかなり好きで思い入れのあるキャラクター達でしたが(特にミファーとリーバルが好きだった)、そんな彼らが実際にリンクやゼルダとともに生きて共に戦っていた姿が描かれているのはそれだけで『BotW』に思い入れのある人間としては非常に胸に刺さるものがありました。


『BotW』や歴代のゼルダシリーズ同様にダークでシリアスな世界観も健在。しかしながら盛り上がりや熱くなる部分もちゃんと用意されており、そして中盤以降に訪れるまさかの展開。ここはかなりネタバレになってしまうので、この部分についての感想は下の方の「ネタバレあり感想」の項目で。




無双アクションになったゼルダの伝説

※2014年の『ゼルダ無双』の方は未プレイでの感想です。

『ゼルダの伝説』シリーズと言えばダンジョンの仕掛けを解く謎解き要素に協力なボスにアイテムを駆使してじっくりと戦うゲームというイメージがあって、そもそも無双系とは真逆の方向性の作品だと思っていました。ですが、無双アクションでも違和感なくゼルダシリーズの良さも無双シリーズの良さも消すことなく1本のゲームとしても完成度の高いものになっていたと思います。


弱攻撃と強攻撃の組み合わせのコンボ群がるザコ敵をなぎ倒していく爽快感は歴代の無双作品そのままに、ボスに対してはシーカーアイテムや属性攻撃を駆使してバトルを優位に進めていくといった部分はゼルダシリーズの特徴がうまく組み込まれており、両シリーズの良さがしっかりと融合していました。


マップはベースとなった『BotW』のフィールドがかなり良く再現されていて、キャラクター・敵モンスター・雰囲気・ビジュアル・建物等のオブジェクトすべてが『BotW』の世界観そのものといっていいほど。前述の通り『BotW』とは開発会社が異なっていますが、「コーエーテクモゲームスのスタッフが草の作り方から任天堂のスタッフに教わった」というエピソードが有名なくらい『BotW』をしっかりと大事にしながら作られた作品であることを感じます。



操作キャラを切り替えることによる"チームバトル"感

前述の通り僕は2014年の『ゼルダ無双』は未プレイの上に無双ゲームも三国無双の初期の頃の何作かとガンダム無双をやったぐらいの知識なので、もしかしたら最近の無双シリーズでは当たり前だったりするのかもしれませんが、複数の操作キャラを切り替えながらステージ攻略を進められるのは個人的にかなり印象的で良システムだと思いました。


ゲーム中にステージにより1~4名のプレイヤーキャラを切り替えながら戦うことが可能(勿論切り替え出来ないステージもある)で、操作していないキャラクターにはどこに向かうかの簡単な指示をだすことが可能です。これによって「自分は東の拠点を攻めつつ、もう一人別のキャラを西の拠点に向かわせ、残りのキャラに自陣を守らせる」みたいなことも可能で、より戦略的な要素を取り込んだバトルができるようになっていました。


そもそも『BotW』自体がある意味非常に孤独なゲームと言っていい部分があると思うので、そこが本作の「仲間と一緒に戦ってる」感をより引き立てて印象的になったのかも。



神獣を操作してのバトルが可能

本作では4つの神獣を操作してのバトルも用意されています。


神獣は『BotW』では一つのダンジョンとして扱われていた通り非常に巨大で、神獣戦では巨大ロボットで小さいモンスターの群れを踏みつぶしていくというより圧倒的な無双バトルが可能になっています。


4つの神獣はそれぞれ異なる性能をしていますが、基本的な戦い方はほとんど一緒。ただ唯一空を飛ぶヴァ・メドーだけは空中と地表両方の視点を切り替えながら戦わないといけないので少し大変。



BGMがとても良い

全体的にクオリティの高いBGMが多く、ゲームの内容や雰囲気にもしっかりとマッチしていました。

『BotW』のBGMがアレンジされたものも多く、英傑達のテーマなどは元々は穏やかな楽曲だったものがその良さを損なわずに「無双ゲームの戦闘シーン」にあったアップテンポで盛り上がる曲調になっている良アレンジだったと思います。特に「英傑ミファーのテーマ」が好きで、それが流れるステージでは音量上げてプレイしていました。


一つ非常に残念なのはサントラが出ていないこと。これは本作最大の欠点と言ってしまってもいいんじゃないかってぐらい残念。開発会社が違う関係で権利とか難しいのかもしれませんが、なんとかどんな形でもサントラは出してほしいと思っています。



膨大なやり込み要素

本作も『BotW』に負けず劣らずの膨大なやりこみ要素が特徴。
本編シナリオのステージ数は20ですが、それ以外のバトルチャレンジ数が161、素材を集めることでキャラを強化したりアイテムを入手したりできるハイラルチャレンジ(要はクエスト)の数が376用意されています(DLCで追加される分を除く)。

今回はこれらの達成率を100%にしてDLCで追加されるものもすべてクリアするまでやりこみましたがプレイ時間は92時間。当初「サクッと遊べる外伝」ぐらいだろうと想定していましたが、結局本家『BotW』と並ぶぐらいのかなりのプレイ時間になりました。ただ、同じぐらいのプレイ時間で達成率40%程度にしかならなかった『BotW』のやばさを改めて再認識することにもなったけど(笑)。




追加DLC

本作も様々な要素が追加されるDLCが販売されています。第一弾と第二弾セットで2,500円(税込み)。


新規プレイアブルキャラクターや新シナリオ、新チャレンジ、一部キャラの新武装などが追加。『BotW』では同じくDLCで追加されたバイクが本作ではゼルダの武器として登場。追加シナリオは本作のシナリオを補完するような内容になっていて、本作のストーリーを楽しめた人であれば必見の内容。




残念な点

ここからは個人的に残念に感じた点や不満点をいくつか。



ゲーム内容はやっぱり単調

これは無双系ゲームの宿命かもしれませんがやっぱりプレイ時間が増えれば増えるほど感じてしまう単調さ。


メインシナリオのステージにしてもサブのバトルチャレンジにしても結局やることは変わらない(敵とマップの組み合わせや制限時間があるかないかぐらいの違い)ので、いかにシナリオを楽しめるかだったり数多くのプレイアブルキャラクターを使い分けて楽しめるかによって本作全体の評価も変わってくるんじゃないかと思います。



敵モンスターの種類が少ない

これは本家『BotW』でも欠点としてあげられていましたが、敵モンスターの種類が少ないのは前のゲームの単調さに拍車をかけていたと思います。

ライネルやヒノックスが出てくるようになるともうそれ以上強力な敵が出てくることはほとんどなく、あとはステージの難易度に併せて硬さが変わったり属性が変わったりといった感じ。敵モンスターに関してはストーリー攻略のかなり早い段階でマンネリを感じざるをえませんでした。



ネタバレあり感想

本作のシナリオの根幹部分に触れるネタバレがありますので未プレイの場合はご注意ください。
















シナリオの中盤ではっきりしますが本作は『BotW』とはパラレルとなるifストーリーでした。未来からやってきた時を超える力を持ったガーディアン「テラコ」(とそれについてきてしまった厄災の一部)の介入により、本家『BotW』とはかなり違った展開に進むことになりました。

そもそも『BotW』における100年前の大厄災は主人公陣営の大敗に終わった物語であり、本作でもそれを忠実に再現してしまうと最後は大大大バッドエンドで終わっていたわけなので、本作を「べつの可能性」としてifストーリーにしたのは正解だったと思います。特に『BotW』の方では本編開始時点で死亡してしまっていた四英傑達を救うことができ、皆でハッピーエンドを迎えることができたのは前作に思い入れのあるプレイヤーとしてはとても良かったです。個人的にはこっちを正史してほしいぐらいではありますが、そうするとそもそもの『BotW』を否定することになってしまうのが難しい所。

さらにサプライズとして『BotW』に登場した四英傑の縁者(本作からは100年後の世界の住人)が時を越えて助けに駆けつけ、英傑たちの敗北の未来を変えるという展開は非常に熱かった(特にミファーと未来で成長した弟のシドの二人は凄く良かった)。この辺は特に『BotW』をプレイしていないと味わえない感動だったと思います。

未来のキャラクター合流後からの最後の大団円に向けての盛り上がりは非常に良く、ゾーラ・リト・ゴロン・ゲルドだけではなく敵対していたイーガ団までがゼルダ姫のもとに集い一つになって厄災を打ち破るという展開は、ストーリーとして王道ではあるものの王道だからこその良さがしっかりと描かれていたと思います。今回のストーリーにおける感情を見せる役割や成長を描くポジションをすべて引き受けていたゼルダ姫は完全に本作の主人公だったと思います(そもそもリンクは基本喋らないキャラクターなのでメインキャラが多数登場するシナリオになるとやや空気化してしまうのは仕方ないところか)。







総評

改めて評価をもう一度。

作品評価:85点


外伝の無双お祭りゲーかと思ったらしっかりとしたストーリーが用意されていて『BotW』ファンにはかなりぶっささる名作だったと思います。『BotW』が好きであれば絶対にやった方がいいと思いますし、これから本作をやろうと思っているなら絶対に『BotW』を先にやってから方がいいと思います。


『BotW』の続編の『ティアーズ オブザ キングダム』の発売までのつなぎぐらいの軽い気持ちで手に取りましたが、個人的にはかなりの当たり作品で、「プレイして良かった」と思える良作だったと思います。






【他のゼルダ作品】
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