ゆめろぐ

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PS5『零 ~月蝕の仮面~』感想。やっぱり和風ホラーの皮を被ったアクションゲーム




PS4用ソフト『零 ~月蝕の仮面~』の感想です。トロフィーコンプまでしての感想になります。


元々はWii用のソフトですが、今回やったのは2023年3月9日に発売されたばかりのリマスター版です。色々なハードでプレイできますが、今回はPS4版を購入し無償アップグレードを利用してPS5版をプレイしました。零シリーズをやるのはひとつ前に出た『零 ~濡鴉ノ巫女~(リマスター)』に続いて2作目になります。


やっぱり本作も『濡鴉の巫女』と同じく和風ホラーとしての雰囲気は抜群でした。操作面では幽霊から逃げる系のゲームかと思いきや、射影機という特殊なカメラ(要は武器)を持って霊にごりごりのインファイトを挑むという和風ホラーの皮を被ったアクションゲームであるという所も同じで、シリーズ通しての作風・特徴なのかなと思います。

 
 
目次

『零 ~月蝕の仮面~』製品概要

【PS4】零 ~月蝕の仮面~
 
定価:6,380円(通常版・税込)
機種:Switch/PS4/PS5/Xbox X/S/Xbox One/ Steam
発売:2023年3月9日発売
ジャンル:和風ホラーアドベンチャー
制限:CERO C(15歳以上)
プレイ時間:26時間
作品評価:75点


プレイ時間は難易度NORMALでストーリー1周目のクリアまでが11時間ぐらい。
トロコンのために難易度HARDで2周目クリアした時点で20時間、難易度NIGHTMAREで25時間、ミッションコンプ等をしてトロコンまでいった所で26時間ぐらいでした。


本作は2008年にWiiで発売された同名タイトルのリマスター版になります。元の作品は零シリーズでは4作目になっていますが、基本的なストーリーは独立しているので本作から初めても全く問題ありませんでした(シリーズお馴染みっぽい要素や名前がちょっと出てくるぐらい)。


舞台は朧月島という離島にある廃病院。水無月流歌、麻生海咲、霧島長四郎、月森円香、の4名を主人公に、島に伝わる祭りである朧月神楽と過去にそこで起こった神隠しの謎を追っていくというストーリー。


【PS4】零 ~月蝕の仮面~

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【Switch】零 ~月蝕の仮面~

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作品の特徴や良かった点

雰囲気抜群の和風ホラー

ちゃんと怖い。
本作の舞台は大正時代ぐらいの雰囲気のある洋館と、普通にありそうな廃病院の2つ。和風ホラーならではのしっとりじわじわとした恐怖をあおりつつ、要所要所でバン!と驚かせてくる演出は流石の人気シリーズといった感じだったと思います。ホラーが苦手とか心臓が弱いという人には普通にお勧めできないかも。


本作は前述の通り2つの建物が舞台になっていて、外のマップはほとんどない造りになっています。そのため狭い・暗いといった場面が非常に多く、薄暗い森や神社といった屋外の多かった『濡鴉ノ巫女』とも雰囲気の差別化があって同じシリーズ作でもマンネリのない造りになっていたと思います(原作の発売順は本作の方が先)。


ストーリーもしっかり練られていて、3人(プラス1人)の主人公を順番に操作して記憶を失った主人公の過去・舞台となる孤島の謎の風習や奇病・島民が全滅してしまった事件の真相等を、それぞれの視点から徐々に謎を解き明かしていくという「次に進める楽しみ」がある展開は良かったです。特に本作はマップ自体は2つの建物内というかなり狭い範囲になっているため、ストーリーや演出がしっかりしていないと同じところをぐるぐるするだけの退屈なゲームに感じてしまっていたんじゃないかと思います。



ホラーの皮を被ったアクションゲーム

『濡鴉ノ巫女』をやった時も感じたんですが、本作は結構がっつりなアクションゲームだったと思います。

霊に対しては「射影機」という特殊なカメラで撮影することでダメージを与えることができるシステムになっているため、怨霊・悪霊を遭遇した際は逃げ隠れするというよりはカメラを構えてがっつりのインファイトを仕掛けるというようなゲームです。大ダメージを与えるには霊の攻撃タイミングに合わせてカウンターのようにシャッターを切ることでコンボにつなげる「フェイタルフレーム」が非常に強力で、常に霊を正面にエイミングしつつタイミングを計って反撃するという多少のアクションゲームスキルも必要とされました。

個人的な感覚では、プレイ序盤はホラーゲームとしての恐怖演出を楽しみ、バトルになれた終盤はごりごりのアクション、各種装備の揃った周回プレイではもはや霊を蹂躙しながら進むといった感じに印象が変わっていったゲームです。



美しい映像

最新ハードでのリマスターということでさすがにビジュアルはかなり綺麗。
キャラの造形はもちろんのこと、舞台となる洋館・廃病院や霊達も洗練されたグラフィックで描かれていてゲームへの没入感を高めています。

ただ、時流によるものかシリーズではお馴染み(?)だった紳士的な表現が本作ではかなり鳴りを潜めてしまっていたのは残念ポイントとして一部ファンから嘆かれていました。また、キャラクターのビジュアルも個人的には『濡鴉ノ巫女』のキャラの方が好みに合っていたかなーと思います。


難易度は優しめ

全体的な難易度はかなり易しめだったと思います。謎解き要素も多々ありますがかなり露骨にヒントが提示されているものが多く、次どこに行けばという部分もメニュー画面のヒントにプラスして霊が見える演出などで迷わずに進める造りになっていたと思いました。

霊とのバトルについては前述のフェイタルフレームをマスターしてしまえばあとはタイミングを合わせてぶつけていくだけになるのでこちらも楽な方と言っていいと思います。ただ、フェイタルフレームのタイミングをつかめるかどうかはプレイヤーごとの得意不得意や慣れによる部分もあるとは思いますが。

ゲームとしての難易度が比較的易しい分、ストーリーの時系列やキャラ同士の関係性(主人公達の絡みもほとんどないし)等が結構複雑で、そちらを解き明かしていく方にパワーを割いていくゲームなんだなと感じながらプレイしていました。


 

残念な点・気になる点

戦闘が単調で冗長

前述の通り霊との戦闘は基本的には相手の攻撃にタイミングを合わせて「フェイタルフレーム」をぶつけるのが強力なためほぼそれだけの単調なものになりがち。

また、ほとんどの霊は1つのアクションを取ると視界の外に消えてしまい少し時間を空けてからまた現れるというパターンを取るため、1つ1つの戦闘の時間が長くなって冗長に感じやすかったと思います。舞台が狭い室内が多いというのも霊の見失いやすさに拍車をかけていました(どこから襲われるかわからない緊張感があるという点では良い点になるかもですが)。


移動速度が遅い

キャラの移動速度が遅いのも気になりました。一応「走る」というボタンはありますが、それを常に使っていてもやっぱり遅いと感じるほど。

舞台が室内なのであんまり全力ダッシュをされてしまうとすぐに端から端まで行けてしまうという部分もあったのかもしれませんが、複数の霊に背後から襲われてピンチの状況でも近所をウォーキングしているぐらいのスピードでしか移動できないのは少し緊張感がそがれたかなと思います。



エンディングについて

 
本作は一応マルチエンドにはなっていますが、数は2種類のみで条件もノーマル以下でクリアするかハード以上でクリアするかだけの違いになっています。さらに内容もハードエンドはノーマルエンドと全く同じ内容に映像が一部追加されているだけの違いなため、「条件によって結末の異なるマルチエンディング」ではなく「ハードエンドの方が全ての情報が提示される真のエンディングになっている」という感じでした。
 
【ハードエンドの違い】
内容はネタバレのため白文字にしています(読む場合は文字を選択して反転させてください)。
月蝕の面と月守歌で正しい帰来迎を成功させ、朔夜の魂を鎮めることに成功するところまではノーマルと共通。エンドロールに海咲と円香の結末が追加される。海咲は人形を手に目覚めるが、円香はやはり冒頭で死亡してしまっていた(咲いてしまった?)模様。朔夜や長四郎や島民らとともに浄化されて零域(あの世的な所)に旅立っていく円香を見送る海咲

 

クリア後のやり込み要素/トロコンについて

 
クリア後に解放される主な要素は以下の通り。

・難易度「HARD」解放。「HARD」クリアで「NIGHTMARE」解放
・アイテムやレンズ・強化などを引き継いでのニューゲーム+が解放
・ミッションモードが解放  など


本作は『濡鴉ノ巫女』のようにチャプターを選んでプレイするみたいな機能はないため、収集要素やトロフィーを回収していくにはニューゲーム+を使っての周回プレイが必要になります。難易度「NIGHTMARE」は敵が強くなっていたり回復アイテムを任意で購入できなくなるためかなり難しくなりますが、周回プレイの場合「NIGHTMARE」にたどり着くころには射影機の強化も強力なレンズの収集も大体終わっているためそこまでの難しさは感じませんでした(回復アイテムも低い難易度で買い込んで引き継ぎプレイすれば普通に持ち込むことが可能)。特に装備機能「祭(霊コンプ報酬)」と「無(ミッションコンプ報酬)」を入手しているとラスボスも含めて怨霊は蹂躙する対象にしかならなくなります。


トロコンまでは以下のような流れでプレイしました。
①難易度NORMALで普通に楽しんでプレイ。
②難易度HARDで攻略情報を見ながら収集要素の取りこぼしをコンプしつつプレイ。
③この頃には強化もほぼマックスになっているのでミッションもある程度楽にランクSでコンプ。
④最強装備で難易度NIGHTMAREをスピードクリア、トロコン完了。


③と④はお好みで順番を入れ替えたり並行で進めてもいいかもですが、総じてトロコンの難易度はかなり優しかったと思います。『濡鴉ノ巫女』の方は各チャプターで最高評価を取るのがなかなか難しく、トロコンまでかなり苦労した覚えがあるのでなおさら。
 


PS5版について

 
今回はPS5版をプレイしましたが、PS5版はパッケージでは発売されておらず入手するには以下の方法があります。

・ダウンロード購入
・PS4版を無償アップグレード


『濡鴉ノ巫女』でも同じ仕組みでしたが、僕はパッケージが欲しいタイプなのでPS4版のパッケージを買ってPS5にアップグレードしました。ここで、PS4版パッケージからアップグレードする際の注意点ですが、PS5にPS4版ソフトを入れると「PS4版として」遊ぶことも可能になっていることです(PS5にソフトを入れるだけではだめで、ちゃんとストアでPS5版が無償と言う表示になっているのを確認してDLする必要がある)。なので。PS4版パッケージをPS5ハードで遊びたい人は、ちゃんとアップグレードされているかを確認してプレイすることをおススメします。PS5のホーム画面でゲームのアイコンを選ぶ際にPS5版はちゃんと「PS5」のマークが付いています(ここが「PS4」と書いてある場合はPS4版です)。

ちなみにPS4とPS5での映像をきちんと比較したわけではないんですが、やっぱり暗いシーンの圧倒的に多いホラーゲームではPS4/PS5どちらでも遊べる環境があるならPS5でプレイした方が視やすくて眼にも優しいと思います。



総評

改めて評価をもう一度。

作品評価:75点


雰囲気抜群のホラーゲームとしては十分な内容だったかと思いますが、前にやった『濡鴉ノ巫女』に比べると(向こうにはシリーズ初プレイで新鮮だったという補正があるかもですが)やや下かなといった感じでした。


それでも和風ホラーゲームとしての完成度は高く、ホラーが大丈夫である程度のアクションも大丈夫な人であれば一度プレイしてみる価値はある作品だったと思います。



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【Switch】零 ~月蝕の仮面~

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