初代ロックマンXのリメイク作『イレギュラーハンターX』の感想です。本作はPSP専用ソフトで発売されていますが、今回はPS VITAでダウンロード購入してプレイしました。
スーパーファミコンの初代『ロックマンX』をベースにしつつも、ビジュアルは完全に一新し、ボイスやイベントの追加で演出面もパワーアップ。さらにはプレイアブルキャラも追加され、おまけの長編アニメまで収録されています。様々な要素でパワーアップを果たした良作リメイク作品だったと思います。
目次
製品概要
機種:PSP
発売:2005年12月15日発売
ジャンル:アクション
プレイ時間:5時間程度
作品評価:80点
※プレイ時間はエックスとヴァヴァのノーマル難易度で1周ずつ、さらにエックスのハードで1周した時間。
『ロックマンX』シリーズの初代のリメイク作品。ロックマンシリーズ作品では珍しくタイトルに「ロックマン」を冠していない。
ベースは『ロックマンX』だが、キャラクターデザインやステージ構成・ストーリーにもアレンジが加えられている。ゲーム内のビジュアルもハードに合わせて2Dから3Dグラフィックになっている。
本作オリジナルの要素として、印象的な敵キャラだったヴァヴァをプレイヤーキャラとして使用できるモードが追加されている。さらに本編の前日譚にあたる新作アニメ「The Day of Σ」が収録されている。オリジナル要素は共にエックスで本編をクリアすることで解放。逆に近年のロックマンシリーズでよくある「チャレンジモード」のようなものは搭載されていない。
本作の直後に発売された『ロックマンロックマン』の体験版が入っており、カットマンステージをまるまる遊ぶことができる。
作品の特徴や良かった点
完成度はそのままにリブートした作品
本作のベースとなった『ロックマンX』(以下、原作)はそもそも完成度の高いゲームだったと思いますが、本作は原作のゲーム性の良さを損ねることなく上手く再構築した作品に仕上がっていると思います。
グラフィックが2Dから3Dになりましたが基本的なゲーム性は変わっておらず(『X7』のような失敗はしてない)、ステージ構成や強化アイテム等の配置が変更となったことで、原作を遊んだプレイヤーでも新鮮な気持ちで完成度の高いハイスピードアクションを楽しめるようになっている作品です。「原作の高い完成度はそのままにうまくリブートした良作」というイメージの作品です。演出面もハードの性能向上に併せて強化されていて、ボス戦前にボイス付きで会話イベントが入り各ボスたちのキャラが立つようになりました。また、オープニング等ではアニメーションのムービーも入るようになっています。
ステージ数は原作から変わっていないため、アクションに慣れているプレイヤーなら1~2時間程度でクリアできるぐらいのボリュームです。ただ、難易度が「ノーマル」と「ハード」から選べるようになっていたりプレイヤーキャラとしてヴァヴァが選べるようになったため、原作よりもさらに繰り返し遊べるようになっています。また、強化パーツの配置変更で原作では強制入手だったフットパーツが強制ではなくなったので、ダッシュ無し縛りプレイなどもできるようになりました。
後述のオリジナルアニメの「The Day of Σ」も含めて本作はストーリーも原作から変更されている部分があり、あくまでナンバリング作品とは別の話として見た方がいいと思います(そう言った意味でも「リブート作」という印象が強い)。
ヴァヴァがプレイアブルキャラに
本作では後期シリーズ作品でダブル主人公を務めたゼロを差し置いて、ヴァヴァがプレイアブルキャラとして選択できるようになりました(エックスで一回クリアすると選択可能に)。初代のゼロは剣も持っておらずほぼエックスと同じ操作性になったことが予想されるので、サプライズではありましたが良い判断だったのではないかと思います。
ヴァヴァは腕・肩・脚部にそれぞれ武器を装備することができ、ジャンプ以外の3つのボタンでそれぞれの武器を使用することができます(そのためヴァヴァはダッシュ不可)。各所に装備する武器はボスを倒すごとに増えていき、ステージ毎に装備の選択が可能です。これによりエックス編とはかなり違ったゲーム性になっていると思います。ちなみにちゃんとボス前の会話等もヴァヴァ仕様のものに変更されています。
ヴァヴァに関しては多少性格に違和感があるという人も多いと思います。原作では「何を考えているかわからない危険な敵」といった印象でしたが、本作での行動理由は「エックスへの対抗心」というやや青臭さのあるキャラクターになっています。また、原作でのキャラのイメージは岩本佳浩先生のマンガ版の影響も強いとは思いますが・・・。
オリジナルアニメ「The Day of Σ」
オリジナルアニメーションの「The Day of Σ」が収録されており、本編クリア後に鑑賞可能になります。
時系列は本編の前、シグマが反乱を起こすまでの経緯などが描かれていてゲームの前日譚のような内容になっています。時間も割と長めでしっかりと作られたアニメーションとなっており、ファンであれば必見の内容ではないかと思います。
また、一度本編をクリアしこのアニメを鑑賞した後は、エックスでプレイした際のボスとの戦闘前の会話に変化が現れる(より「The Day of Σ」の内容を前提とした会話になる)ようになっています。
総評
改めて評価をもう一度。
作品評価:80点
原作の高い完成度は保ちつつ、ビジュアル面・演出面をパワーアップし新要素も盛り込んだ良作リメイク(リブート)だった思います。
一つ非常に残念な点は、PSP初期ということもあったようであまり売れなかったらしく、『X2』以降のナンバリング作品のリメイクが続かなかったこと。本作自体の出来は良かったので『イレギュラーハンターX2』『イレギュラーハンターX3』と続いて欲しかったというのが正直なところです。
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