2023年4月14日に発売された『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』の感想です。複数ハードで発売されていますが、今回はSwitch版をプレイしました。
ちなみに『ロックマンエグゼ』シリーズの作品は今回すべて初見でのプレイになります(『ロックマンX DiVE』に登場したキャラはなんとなく知ってるぐらいの知識)。
DL版ではナンバリング1~3までの作品を収録した『アドバンスドコレクション Vol.1』とナンバリング4~6までの作品を収録した『アドバンスドコレクション Vol.2』にわかれていて、パッケージ版は『Vol.1』『Vol.2』をセットにした製品(1~6までをすべて収録)という形になっています。本ページでは『Vol.1』に属するナンバリング1~3までの作品の感想を記載しています。
<目次>
『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』
機種:Switch・PS4・Steam
発売:2023年4月14日発売
ジャンル:データアクションRPG
『ロックマンエグゼ』のナンバリング6作品、バージョン違いを含めると全10作品を収録している。前述の通り、DL版ではナンバリング1~3までの作品を収録した『アドバンスドコレクション Vol.1』とナンバリング4~6までの作品を収録した『アドバンスドコレクション Vol.2』にわかれており、パッケージ版はその2つがセットで1つのソフトになっている。Switch版の場合は本体にゲームカードを挿すと、『Vol.1』『Vol.2』の2つのソフトが画面に表示される。
【収録タイトル】
【アドバンスドコレクション Vol.1】
・バトルネットワーク ロックマンエグゼ
・バトルネットワーク ロックマンエグゼ2
・バトルネットワーク ロックマンエグゼ3
・バトルネットワーク ロックマンエグゼ3 BLACK
【アドバンスドコレクション Vol.2】
・ロックマンエグゼ4 トーナメント レッドサン
・ロックマンエグゼ4 トーナメント ブルームーン
・ロックマンエグゼ5 チーム オブ ブルース
・ロックマンエグゼ5 チーム オブ カーネル
・ロックマンエグゼ6 電脳獣グレイガ
・ロックマンエグゼ6 電脳獣ファルザー
アドバンスドコレクションの特徴
まずは本作『アドバンスドコレクション』の製品全体としての主な特徴・新機能をご紹介していきます。
<本作で追加された新機能>
本作に収録されている作品は基本的にすべて元の製品(以後、原作)からの移植となっていますが、近年のロックマンシリーズのコレクション作品と同様に以下のような様々な機能が追加されています。
・高画質フィルター
・ギャラリー機能
・ミュージックプレイヤー
・当時限定配信されたチップ等も収録
・バスターMAXモード
上の3つはロックマンのコレクション作品ではお馴染みと言った感じですが、一番のポイントはやはり最後のバスターMAXモード。ロックバスター単発の威力を100倍にすることができるため、ザコ敵どころか大半のボスも瞬殺することが可能になります。完全にゲームバランスを崩壊させてしまう要素ですがプレイ中自由にオンオフができるため、レアチップ狙いでバトルを繰り返すときや周回プレイでサクサク進みたい時だけ使用するなど、自分なりに使いどころを制限すれば非常に便利な機能でした。ちなみにチャージショットには強化が適用されないため、チャージより豆バスターの方が圧倒的強いという珍しい状態に。
逆に『ロックマン クラシックスコレクション』にあった中断セーブ機能が無かったのは残念。レアチップを狙う時などは「出現率の低い敵にエンカウントするまでバトルを繰り返す→特定の評価で倒す→その上で狙ったチップが出るかどうかは確率」といった感じでマップを歩き回ってエンカウントを繰り返す必要が度々発生するため、目あての敵とエンカウントした時点の中断セーブを残すことができていれば相当便利だったと思います。
<やり込み要素のトロフィー>
こちらもロックマンのコレクション作品ではお馴染みとなってきたトロフィー(実績解除)機能。特定の行動をすると入手できるようになっており、「各シナリオをクリアする」「特定のサブイベントをクリアする」といったような普通にプレイしていれば獲得できるようなものもありますが、「チップをすべて集める」だったりバージョン違いの場合は両方のシナリオをクリアする必要があったりと、コンプリートにはかなりのやりこみが必要なものになっています。
今回は各作品に関連するトロフィーをすべて獲得することで「その作品をクリアした」という基準で遊んでいたため、最終的には全トロフィーをコンプリートするところまで遊びつくしました。
1.収録作品の感想(Vol.1)
続いて『Vol.1』に収録されている各作品についての感想や気になるポイントを記載していきます。個々の作品の内容についてのネタバレが含まれる部分もございますので、ご注意ください。
『バトルネットワーク ロックマンエグゼ』
画像出典:ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション | CAPCOM
対応機種:ゲームボーイアドバンス
発売日付:2001年3月21日
作品評価:70点
プレイ時間は以下の通り。
・ストーリークリア:18時間
・トロフィーコンプ:29時間
<秀逸な世界観の新シリーズ>
まず何よりも印象的なのはその秀逸な世界観。これまでのロックマンシリーズとは一線を画し、「ロボットではなくネットワークが進歩した世界」が描かれています。ロボット工学が発展したのが元祖『ロックマン』シリーズの世界で、ネットワーク技術が発展したのが本作『エグゼ』の世界ということで、分岐した別世界線(その経緯は作中でシリーズお馴染みのあの人からも言及有り)の物語って感じだと思います。タイトルにもある「ロックマン」はネットナビという人間をサポートする擬似人格型プログラム(超高性能のSiriとかAlexaみたいな)であり、マップ上に存在する様々な電子機器・電化製品にはプラグインすることが可能な機能が用意されていて、それらの機械の電脳世界やインターネット上にロックマンが入り込んで探索・バトルを行うというのがこのシリーズのベースとなる世界観になっています。
本作のGBAでの発売は2001年ですが当時はまだPHSや携帯電話(後にガラケーと言われるやつ)が普及してきたぐらいの時代だったと思いますが、IoT(Internet Of Things)という言葉が一般的になるはるか前の時代です(一応言葉自体は1999年ぐらいにはあったらしい)。そんな時代に作られたとは思えないぐらい、ネットワークの発展した未来としての世界観は秀逸な造りになっていると思います。今現在みてもかなりリアリティのある世界です(現実世界の延長戦上にあるように感じる)。
ロックマン、ロールちゃん、ブルース等をはじめ、本家シリーズでもお馴染みの名前のキャラクターは多数登場しますが、皆デザインや設定も異なる別人として描かれていました。この辺はシリーズファンも馴染みやすいですし、本作シリーズから入る人にも後で別のロックマンシリーズに興味を持ってもらいやすくていいんじゃないかと思います。
<独自性の強いゲームシステム>
本作はゲームシステムも過去シリーズ作とは一線を画すものになっており、ベースとなるジャンルがRPGになりました。ロックマンでRPGというとその前に『ロックマンDASH』がありましたが、あちらは正確には「フリーランニングRPG」というジャンルでアクションベースの内容だったのに対し、本作『エグゼ』のシリーズはベースをRPGとしながらバトルにロックマンのアクション要素を組み込んだものになっています。
敵とのバトルはインターネット上や電脳世界にておいてランダムエンカウント(一部ボスはシンボルエンカウント)し、敵味方双方でそれぞれシミュレーションゲームのような3×3の9マスの上をプレイヤーの操作で自由に移動しながら相手を攻撃したり敵の攻撃をよけたりして戦います(敵側の9マスには侵入できないが、相手のマスを奪ったり破壊したりする技も登場)。攻撃はボタンを押して発射・チャージが可能なお馴染みのロックバスターの他に、一定時間ゲージがたまることで使用できるチップ(スキル・技的なもの)がありますが、このチップの存在が本作のバトルシステムをかなり奥深くしていると思いました。チップは事前にバトルで使う組み合わせを決めておく必要があり(カードゲームのデッキ構築的な)、チップの組み合わせによって連続で使用できたりより強力な技に変化したりとバトルにかなりの変化を生む要素になっています。
RPG・アクション・ボードゲーム・カードゲームの要素をMIXしたようなゲームシステムはかなり独自性があり、シリーズ初見だったということももちろんあるとは思いますが本作のバトルは個人的にかなり楽しめました。
<マップ関連が非常に不親切>
続いて本作の残念な所。
シリーズ第一作ということで良作ながらも目に付くアラもいくつかありました。個人的に一番の不満点はマップの不便さ。本作で探索をするマップはネットの世界ということで、見た目が大半のマップで似通っている割に構造は複雑で迷いやすいです。さらに前項の通りバトルが画面切り替えが発生しつつ時間がかかりやすいシステムのため、戦闘終了後にマップ画面に戻ったら自分が今どこにいてどこから来たのかわからなくなっているということが頻繁に起きました。
そして個人的に一番の問題点はプレイヤー側でマップを確認できないこと。PRGだと画面端にミニマップが出たり何かのボタンを押すことでマップ画面を表示できたりというのが良くあるパターンかと思いますが、本作にはそういった機能がありません。これが一番困った・・・。常に今自分がどこからどこに向かっていて、いくつもの分岐をどのように進んでいて、何階層目にいるのか、みたいなことをしっかり覚えておかないと迷います。ここに関しては「プレイの快適性を上げる」という意味でも攻略情報・マップ情報を見ながらプレイするのもありなんじゃないかと思いました。
<ストーリーとエンディングについて>
ネタバレ注意!
今回初見プレイと言うこともあって本作のざっくりとしたラストの展開をメモしておこうと思います。ちなみに本作のエンディングは1種類でした。内容の部分は白文字にしてますので、ご覧になる際は選択をして反転させて下さい。
<内容>
みんなの協力もあり、ドリームウイルスを撃破してWWWの野望を阻止することに成功した熱斗。ロックマン(彩斗)ともこれまでと変わらずに良きパートナーとしてウイルス退治に向かう。ワイリーはWWW基地の爆発に巻き込まれたように見えたが・・・。
『バトルネットワーク ロックマンエグゼ2』
画像出典:ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション | CAPCOM
対応機種:ゲームボーイアドバンス
発売日付:2001年12月14日
作品評価:80点
プレイ時間は以下の通り。
・ストーリークリア:23時間
・トロフィーコンプ他※:35時間
※アドバンスドコレクションに搭載されている関連トロフィーの取得と、クリア後に収集可能な★を4つ集めたところまで(通信が必要な★は一旦スルー)。
<システム・ビジュアルを引き継いで正当進化した2作目>
本作のストーリーは前作から三か月後の世界が舞台。主人公の熱斗やロックマンをはじめとした登場キャラクターも継続して登場し、ゲームシステムやビジュアル面も基本的には前作をそのまま引き継いでおり、前作からの直接の続編といった感じの内容になっています。ビジュアル面についてはハードも変わっていないことからほぼそのままですが、ゲームシステム・戦闘システムについては細かい修正が数多く取り入れられていて前作に比べて「より遊びやすくなった」といった印象があります。ストーリーも日本のみならず全世界にまでスケールアップし(一部の国には現実・ネットの両方で移動することも可能)、新しい敵組織「ゴスペル」との戦いとその裏に見え隠れする因縁の敵の存在など、続編として全体的にパワーアップして正当進化したと評していい内容になっていたと思います。
<各システムが遊びやすくパワーアップ>
前作で気になった・不便だった細かな要素が本作では数多く改善されており、かなり遊びやすくなった印象がありました。代表的な改善点は以下の通り。
- マップが見やすくなり自分がいまどこにいるかがわかりやすくなった。
- 「逃げる」コマンドの追加。
- チップ選択時のUIの改善(コードが判別しやすくなった)。
- 「*」コードやレギュラーチップの追加によりコンボが組みやすくなった。
- サブチップ(回復やエンカウント率を下げる等のマップ上で使えるアイテム)の追加。
- 複数のチップフォルダを作成できるようになった。
まずマップがかなり見やすくなりました。前作では今自分がどこにいるのかわからなくなることが多発しましたが、本作ではエリアごとにデザインが差別化され、メニュー画面に現在いるエリアが表示されるようになりました。「逃げる」のコマンドの追加(前作では逃げるためのチップを組み込んだうえでそれを引く必要があった)や、敵とのエンカウント率を下げるアイテムの登場により、全体的に移動が快適になりました。ただ、相変わらず複雑な構造のマップが多いので、やはり任意で開くことのできるミニマップ機能は追加してほしかったです。
また、戦闘においてはオールマイティとして使える「*」コードの追加や、レギュラーチップ(確定で表示させることのできるお気に入り枠)の追加によりコンボが組みやすくなり、よりバスターに頼らないプレイヤー独自の戦い方ができるようになっています。
サブチップはマップ上で使えるアイテムのようなもので、体力の回復(これにより戦闘ごとの全回復は廃止)の他にも、敵とのエンカウント率を下げる・前に遭遇した敵と再度遭遇しやすくなる(V2・V3のナビチップを集めるときなどに超便利)等の前作でちょうど痒い所に手が届かなかった機能が追加されたのは高ポイントだと思います。
<新システム・スタイルチェンジ>
一定の戦闘数をこなすとそれまでの戦闘での行動に応じてロックマンの能力や見た目が変化する「スタイルチェンジ」の機能が追加されました。
バスターの威力がアップし敵の攻撃でのけぞらなくなる「ガッツ」、バリアやシールドが使用できる「シールド」、チップ選択が5→7枚に増える「カスタム」、ナビチップを8枚装備できる「ブラザー」の4つに加え、隠し要素としてすべてのスタイルの長所を持った「サイト」の合計5スタイルにロックマンが変化します。さらに火水電木の4属性がランダムで付与され、チャージショットや弱点が変化します。これによりかなり戦闘のバリエーションが広がったと言えますが、スタイルチェンジが発現するために必要な戦闘数が非常に多く(情報により200回とも250回とも)、普通にプレイしていたらクリアまでにせいぜい2スタイルぐらいしか使用できないのが残念なポイントです。さらにスタイルは2つまでしか
<やりこみ要素>
本作ではクリア後のやりこみ要素もかなりパワーアップしました。
まずチップ数が前作の176から250へと大幅に増えており、コンプリートしようとするとかなりの根気が必要になります。また、前作ではセーブ&ロードによりリセマラが可能だったチップトレーダーがオートセーブになってしまったためトレーダーリセマラを利用して楽に集めることができなくなりました(その代わりサブチップでレアチップ収集がかなり楽になったから個人的にはトントンかな)。
ただ、『アドバンスドコレクション』としてのトロフィーをコンプするだけなら本作ではチップコンプすらする必要はなく、ストーリークリア+その後の追加シナリオをクリアするだけで必要なトロフィーは取得できます(これはかなりの救いで、後述の★5つもトロフィー条件になっていたら大変だった)。
しかしトロフィーには関係ないものの本作としてのやりこみ要素はかなりあり、以下の条件を満たすごとにスタート画面に★が追加され、★5までそろえると「ハードモード」にチャレンジすることができるようになります。
- ストーリークリア
- 追加要素クリア ←ここまでは楽
- チップコンプ(250種)
- プログラムアドバンスをすべて発動させる(31種)
- 通信限定のチップをコンプする(10種)
最後の通信チップの条件がかなり凶悪で、「★3つ以上の集めたデータ同士の通信対戦で高レベルで勝利して1/32の確率でドロップ」というもの。ほぼ同条件のセーブデータを持った協力者を見つけ出すか、自力でハードソフトを2つ買いそろえる(勿論サブのデータも★3まで進める必要あり)とかしても、1/32で出現するチップを10種類なので数百回以上の試行が必要になると思います。
流石にこれはやっていられないので、今回はアドコレで該当するトロフィーをコンプしつつ、通信以外の★4つを揃えた所で終了としました。
【その後★5つコンプリートしました】
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<ストーリーとエンディングについて>
ネタバレ注意!
今回初見プレイと言うこともあって本作のざっくりとしたラストの展開をメモしておこうと思います。ちなみに本作もエンディングは1種類ですが、通常エンドを見た後に解放されるエリアで隠しボスとの戦闘や次作に繋がりそうな追加のシナリオを見ることができます。内容の部分は白文字にしてますので、ご覧になる際は選択をして反転させて下さい。
<内容>
ゴスペルとの戦いに勝利し平和な日々が戻ってきた。改めてみんなとBBQに来た熱斗だが夏休みの宿題をしていなかったことを思い出す。新学期は明日から。事件の裏に真の黒幕がいるらしいこと、今回の事件のフォルテはとある人物により作られたコピーであり人間を憎む本物のフォルテが存在していることが匂わされて終了。(追加シナリオ)クリア後に入れるようになるウラインターネットのさらに奥でWWWが復活しようとしていることを知った熱斗とロックマン。WWWエリア再奥からの帰路の途中で真のフォルテと遭遇し戦闘に。フォルテを退けた二人はどんな敵が相手でも負けないことを約束し合う。
『バトルネットワーク ロックマンエグゼ3/BLACK』
画像出典:ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション | CAPCOM
対応機種:ゲームボーイアドバンス
発売日付:2002年12月6日(無印)/2003年3月28日(BLACK)
作品評価:80点
プレイ時間は以下の通り。
・ストーリークリア:26時間
・トロフィー・星コンプ:66時間※
※アドバンスドコレクションに搭載されている関連トロフィーの取得と、クリア後に収集可能な★を7つすべて集めたところまで。
<さらに進化した3作目>
本作は前作の1か月後の世界が舞台。もちろん主人公の熱斗やロックマンをはじめとした登場キャラクターも継続して登場。基本的なゲームシステムやビジュアル面はこれまでのシリーズを引き継いでますが、『エグゼ1』⇒『エグゼ2』同様に細かな修正や新要素が取り入れられています。ストーリー面ではインターネット社会の存亡をかけ、復活したワイリー・WWWとの決戦というここまでのストーリーの総決算のような内容(元々は本作が完結作になる予定だったとのこと)になっており、ここまでのシリーズでは一番の内容だったと思います。特にラストシーンはとてもグッとくるものでした。
<新システム・ナビカスタマイザー>
本作から追加された新要素「ナビカスタマイザー」。カスタマイザーの名前の通りナビ(ロックマン)を自由にカスタマイズできるシステム。4×4(ゲームを進めると最大5×5)のマス目に様々な形・色をしたパーツをパズルのように組み込んでいくことでロックマンを強化できます。それぞれのパーツは「バスター威力+1」や「HP+200」といった強化系のものに加え、「細い道を通れるようになる」「水属性の敵に会いやすくなる」などの攻略に活用できるギミック系も存在しています。パーツの組み合わせには「同じ色は隣接してはいけない」「おいていいエリアといけないエリアがある」などのルールが決められていて、そのルールの中で最大限効果を発揮できるようにパーツを組み込んでいくのはまさにパズルで、本作の醍醐味の一つでもあります。ルールを破るとバグが発生して、バトル中に様々なマイナス要素が発生するというのもエグゼの世界観にあっていると思います。
基本的には面白いシステムですが面倒な部分も多く、バトルに関係なく攻略に必要なパーツ(「細い道を歩ける」「ロックマンがワルになる」など)は必要な時に付けたり外したりしないといけないのが終盤になるにつれて非常に面倒になります(付けっぱなしにもできるが当分その分だけ他の強化パーツを装着できなくなる)。例えばお気に入り設定ができて「バトル用」「お使い用」「チップ収集用」などの複数の組み合わせを保存しておけるような機能があればかなり便利だったんじゃないかと思います。
<前作からの追加要素・改善要素>
上記のナビカスタマイザー以外での前作からの主な追加点・改善点は以下の通り。
- 新スタイル「グランドスタイル」「シャドースタイル」「バグスタイル」の追加。
- スタイルチェンジまでに必要な戦闘回数が100回になった。
- バトルチップが階級分けされ、階級により組み込める数が異なる。
- 特定のウイルスを育成してバトルチップとして使用できる。
- 2バージョンでの発売になった。
個人的にはスタイルチェンジまでに必要な回数が減ったのは非常に良かったです(前作の200回だか250回だかは苦行でしかなかった)。あとはナビカスタマイザーを除けばゲーム性に関わる変更は前作の『エグゼ1』⇒『エグゼ2』の変化の方が大きかったかなと思います(それだけ『エグゼ1』が粗削りだったということか)。
最後の2バージョンについては次の項目で。
<シリーズ初の2バージョン発売>
本作はシリーズ初の2バージョン発売となり、以降ナンバリング作品はすべて2バージョンでの販売となっています。ちなみに『アドバンスドコレクション』でもちゃんと両バージョンともに収録されており、ゲーム開始の際にプレイするバージョンを選択可能になっています。本作は『ロックマンエグゼ3(通称無印)』と『ロックマンエグゼ3 BLACK』の2つ。正直「2つにわける必要なんてあったのか?」と思うぐらいに両バージョンでの違いはなく、主な差異は以下の通りとなっています。
- 「グランドスタイル」は無印限定、「シャドースタイル」はBLACK限定
- 手に入るチップやコードが多少異なる
- ボスの「ミストマン」は無印限定、「ボウルマン」はBLACK限定
- BLACKでのみ「パンク」と戦える
- 背景や置いてあるオブジェが微妙に異なる
ストーリー面での違いは一切ないので、好きな方をプレイすればいいと思います。ただ、『アドバンスドコレクション』のトロフィーコンプや、クリア後のやりこみ要素の★集めには両バージョンをプレイする必要があるため、今回はまず無印を普通にプレイしてそのあとBLACKをバスターMAXでサクサクプレイしました。
<やりこみ要素>
前作にもあったクリア後のやりこみ要素は本作でさらにパワーアップしています。
『アドバンスドコレクション』のトロフィーを集めるのはそこまで大変でもないですが、前作にもあった★収集(以下の条件を満たすごとにスタート画面に★が追加される)のボリュームはかなりの物でした。今回は全部で★7つでコンプリートになります。ちなみに前作にあったハードモードはありません。★7つ集めるとラスボスが強化されて、エンディング後に特別な画像が見れるという変化があります。今回は無印版をコンプして、BLACK版はシナリオクリアまでやってトロフィー収集と無印のコンプに必要な部分だけをやっています(両バージョンコンプしようとするとかなりプレイ時間増えるのでさすがにやめました)。
- ストーリークリア
- スタンダードチップコンプ(200種類)
- 隠しボスのフォルテGSを撃破
- ボス戦のタイムアタックを全制覇
- メガチップコンプ(85種類・両バージョン要)
上記の★5つをすべて集めてタイトル画面でコマンド(左を押しながらRRLRLRLL)を入れるとSPボスが解放されて残り2つの★が収集できるようになります。
- プログラムアドバンスをすべて発動(32種類)
- 全SPナビを撃破する
上記5つ目の★(メガチップコンプ)を取るために両方のバージョンが必要になります(片方のバージョンにしかでないボスを倒して入手するチップが必要)。『アドバンスドコレクション』に両バージョンは収録されているものの、1つのソフトでの無印⇔BLACKの通信はできないため、通信を手伝ってくれるプレイヤーを見つけるか通信用のSwitchとソフトをもう1セット用意する必要があります。僕は前作『エグゼ2』のコンプのために買ったサブロムがあったのでそれを使いました。通信をしないといけないのは面倒ですが、前作みたいにいつ終わるともわからない通信対戦を延々と繰り返すよりはだいぶマシだったかと思います。
個人的に今回の一番の鬼門はタイムアタックだったと思います。アドコレのバスターMAXは使用不可なので楽することもできず、必ず予備フォルダ(NPCからもらえる編集不可のフォルダ)を使わないといけません。そのうえで各ボスごとに決められた時間(20~45秒ぐらい)以内に倒さないといけないので、それなりにプレイヤースキルが求められます。ただ、ネットで探すと特定のフォルダのチップの組み合わせでハメるみたいな方法が結構でてくるので、きちんと調べてあとは試行回数を重ねればクリアできないこともない難易度だったと思います。
【フルコンプまでにかかった時間】
本編クリア:26時間
ブラッククリア:13時間
収集要素完了:27時間
<ストーリーとエンディングについて>
ネタバレ注意!
今回も本作のざっくりとしたラストの展開をメモしておこうと思います。本作もエンディングは1種類です。エンディングの内容の都合上、今回は通常エンド後にロードするとラスボス前のセーブした時点まで戻る形になっていますが、クリア後の要素はちゃんと解放されています。
<内容>
プロトの事件を解決した熱斗とロックマン。しかしロックマンは熱斗を助けたあと崩壊するプロトに飲み込まれて消滅してしまう。数か月後、6年生に進級した熱斗にパパから新しいPETが渡される。前日にパパは熱斗の祖父・光博士の手紙を解析し終えており、そこには崩壊したプロトの中に保存されていたエリアがあった。新学期の朝を迎えた熱斗。新しいPETからは一人で起きられるようになった熱斗を褒める聞きなれた声が・・・。。
全体通しての感想!
改めて各作品の個人的な感想は以下の通り。
- 『エグゼ1』 ・・・70点。
- 『エグゼ2』 ・・・80点。
- 『エグゼ3/BLACK』・・・80点。
とりあえず3作目まで遊びましたが、独自の世界観とゲーム性を持ちながら「ロックマン」の要素をしっかりと持っている良作シリーズだと思いました。いままでのプレイしてなかったのをもったいなく思ったくらいです。各種システムややりこみ要素については昔のゲームならではの不親切点が多々あってイライラすることもありましたが、概ね楽しくコンプリートまで遊べたと思います。
見た感じでの本家シリーズとの違いから食わず嫌いしていたような状態でしたがプレイして良かったです。同じようにロックマンシリーズが好きでエグゼシリーズを食わず嫌いしている方は一度遊んでみて欲しいと思います。
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