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PS4『キルラキル ザ・ゲーム -異布-』感想。熱さはあるが全体的にいまひとつ




PS4の『キルラキル ザ・ゲーム -異布-』をプレイしました。トロコンまでしたのでその感想です。


『キルラキル』は2013年に放送されていたアニメ作品で、本作はそのゲーム化作品です。2013年の放送に対してゲームの発売が2019年ということで当時も「なんで今更!?笑」感がありましたが、さらに発売から5年たった2024年に今更プレイしました。


内容としては『キルラキル』お馴染みのぶっ飛んだ感じや熱い所はありましたが、全体的にはイマイチな点も多く「ぎりぎり駄作とは言えないぐらいのいまひとつなキャラゲー」といった感じだったと思います。ちなみにトロコンまでやろうとすると正直かなりダルいです。




目次

 
 
 

製品概要

キルラキル ザ・ゲーム -異布 - PS4
 
 
定価:7,480円(税込)
機種:PS4、Switch、Steam
発売:2019年7月25日発売
ジャンル:キルラキル耐繊アクション
プレイ時間:17時間
作品評価:55点


プレイ時間はトロフィーコンプまでした時間。


アニメ作品『キルラキル』のゲーム化作品。基本的なゲームシステムは3Dバトルアクションで、奥行きのあるフィールドを自由に移動しながら原作に登場したキャラクター同士が1vs1(1vs多数も一部有り)で戦う対戦格闘ゲーム。

ストーリーはタイトルの「異布=イフ=if」の通りアニメの途中(壊惨総戦挙)から分岐するオリジナル展開で、鬼龍院 皐月が主役になっている(クリアすることで纏 流子編が解放される)。

ストーリーモード以外では「対戦モード(オンライン、1Pvs2P、vsCPU)」と、「プラクティスモード(チュートリアルや各種チャレンジモード等)」「ギャラリー」が用意されているギャラリーに収録されている各登場キャラクター(の声優)のオマケボイスは必聴。






アニメは観た方がいい?

 
まず初めに原作であるアニメを観ておいた方がいいか、という部分については「絶対に観ておいた方がいい」と思います。本作は所謂キャラゲーなので、原作を知っている原作ファンに向けた造りになっています。ストーリー部分も一応ちょっとした説明などは入りますが飛ばしが多くてスカスカという印象が強いので、アニメを観ていない人はギリギリ理解はできても楽しめるかはかなり怪しいんじゃないかと思います。


そもそも本作は個人的には「いまいちなキャラゲー」だと思っていますが原作の方はいまだに定期的に見直したくなる紛うことなき神アニメなので、「アニメ見ないで本作遊ぶぐらいなら本作やらずにアニメ見て欲しい、絶対に面白いから」というのが正直なところです。




作品の特徴や感想など

本作の特徴や気になるポイントなどを。


キャラゲーとしては良い所もあるが物足りなさも

まずは本作のキャラゲーとしての部分。良い所は原作の熱くていい意味でぶっ飛んだところをしっかりと持ってきていると思います。そのあたりは作中やバトル中のキャラのセリフ・会話・ビジュアルなんかでも表現されていて、「キルラキルのゲームやってるな!!」としっかり思える内容になっていたと思います。また、キャラクターの3DCGもかなり頑張っていたように見えました。全体通して「キルラキルの雰囲気はちゃんと出てる」と言える作品でした。


物足りない部分としてはキャラの少なさ。主人公の皐月と流子が武装違いでそれぞれ2パターン、四天王・針目縫・羅暁の10名が基本で、そこに無料DLCでマコと道頓堀ロボの2人が追加されています。各種モードで使用できるのはこの12キャラになり、他にはストーリーの最終話限定で流子の鮮血更衣と皐月の新衣装となっています。メインキャラは揃っているとは言えなくもないのですが、四天王は1パターンだけでアニメ終盤の強化版の極制服は無しですし、せっかくのキャラゲーなら流子+純潔や皐月+鮮血とかも欲しかったですね。後は2つ星の各部部長にも濃いキャラが多かったのでプレイアブルにはならないまでも敵キャラとしてとか出てきたらより面白かったと思います。あとはマコ以外の満艦飾ファミリーが出てこなかったのも残念でした。プレイアブルにはしようがないので仕方ないとは思うのですが、キルラキルの世界観を代表するキャラ達ではあると思うので、ストーリー部分で出てきてくれたら良かったのにと思います。



ストーリーは正直いまいち

本作の売りの一つであるオリジナルストーリーは、悪くはなかったとは思いますが正直イマイチというのがストレートな感想です。アニメの方が強すぎて仕方ない部分もあると思いますが、どうしてもゲーム内で表現できる量には限りがあるため飛び飛びでスカスカな内容に見えて物足りなく感じてしまいました(3DCGの用意されているキャラが限られているからという部分もあると思います)。ただ、単純に原作から分岐したifストーリーで終わらせるのではなく、ちゃんと原作にもつながっている(原作の世界を広げる)内容になっていたのは良かったと思います。

あと、ストーリーモード自体は1周数時間程度で終わってしまい、皐月編・流子編ともに全10話といいつつ会話のみで終わるのも何話かあったので正直ボリュームは薄いです。フルプライスのゲームであるならば、「アニメストーリー追体験+おまけのifルート数話」ぐらいは欲しかったなというのが正直な所です。



バトルは直感的で操作しやすい

本作のバトルシステムは一般的な対戦格闘ゲームのフィールドが3Dになったようなイメージ。ステージよって広かったり狭かったりしますが、そこを自由に動き回りながらのバトルになります。操作自体は直感的で操作しやすく、必殺技やコンボについてもそこまで複雑なコマンド等を求められないので対戦格闘が苦手な僕でも普通に遊べました。ただ、ゲームとしての全体的な難易度はやや高めだったと思います(ゲーム内で難易度変更は可能ですが、一番下の「無星」にするとストーリーでトロフィーに必要なS評価が取れないので注意)。


戦闘の前後だったりバトル中の必殺技や血威表明縁絶(詳細は後述)では各キャラクターらしいセリフや会話だったりカットインが見れるのでそこは純粋にキャラゲーとして良い部分だったと思います。


ただ、個人的にはバトル内の以下の2点が正直致命的といっても言いぐらいのクソ要素だったと思いました。ここがもうちょっとどうにかなっていたら全体の評価ももう少し高くなっていたと思います。

・1vs多数のバトルが不便すぎる
・血威表明縁絶のジャンケン要素

詳細は次項で。



バトルのクソ要素(2つ)

<1.多数戦闘が不便すぎる>

本作は基本的に1vs1の戦闘ですが、ストーリー内の一部ステージやチャレンジモードなどでは1vs2、2vs2の戦闘や、多数のザコ敵などを相手にする場面があります。本作のバトルの一番の問題点かと思いますが、攻撃対象(ロックオン)の切り替えができず自分で視点を操作することもできません。正直バトルゲームとして必要最低限の機能も用意できてないといっても言い過ぎではないと思います。自キャラの攻撃は一番近い敵に自動的に向かうようになっているので、複数戦闘で厄介な敵(遠距離攻撃してくる蛇崩とか)を先に倒したいと思っても狙うことができなかったり、攻撃をしていた敵にトドメを刺そうとしたら横から近づいてきた別の敵に攻撃を吸われたりと、とにかく複数戦闘はストレスが貯まりました。こんな仕様なら全部1vs1の戦闘だけの方が良かったかも。



<2.血威表明縁絶のジャンケン要素がクソ>

個人的に本作の一番のクソ要素がこれ。まず血威表明縁絶とはバトル中に必殺技ゲージを一定数消費することで発動することができ、相手と舌戦を行って勝利することで「血威レベル」が上がっていき、レベルを最大にすることで勝利確定の「戦維喪失」奥義を放つことができます。この辺の舌戦や戦維喪失演出は非常にキルラキルらしくて良いのですが、問題はこの舌戦がただのジャンケンであること。血威表明縁絶を発動するとお互いに3すくみの「愚弄・挑発・罵倒」のどれかを選んで、勝てば血威表明縁絶が続行できて前述の血威レベルも上がっていくというもの。ここが完全にただのジャンケンであり駆け引きもプレイヤースキルも何もないシステムなので非常にだるかったです。一部のステージクリアやトロフィーコンプのためには「戦維喪失」奥義が必要なんですが、引きが悪いとこのジャンケンで普通に5連敗とかするのでイライラするだけでした。

血威表明縁絶から戦維喪失までの流れや演出自体は前述の通りキルラキルらしくて非常に良かったので、このジャンケンだけは何とかならなかったものかと思います。




総評

改めて評価をもう一度。

作品評価:55点


前述の通り原作のアニメは定期的に見返すぐらい大好きなので、ビジュアル面・演出・セリフ等だったりオマケボイス等の「キルラキル」要素は結構楽しめました。


ただ、全体的に物足りなかったり不満のある点が多く、ゲームとしては「クソゲーとは言わないまでもいまひとつな作品」となってしまっていたと思います。本作が名作として話題になって沢山売れていたら「キルラキルの作品としても次の展開があるかも」という期待も多少あっただけにそこは残念です。


正直人にお勧めできるかと言われると「・・・」ではあるのですが、Amazonだと新品でも結構安く出てたりしますしストーリーだけなら数時間(トロコンでも20時間はかからない)で遊べるので、キルラキル愛があって他にやることが無い人は試しに手に取ってみてもいいかもしれません。その場合は是非ギャラリーに収録されている各登場キャラクター(の声優)のオマケボイスは聴いてみて欲しいです。