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【映画感想】『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』【MCU】




2022年5月4日に公開されたMCU映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の感想です。
公開されてから3日目ぐらいで一度見ていたんですが、色々内容が濃すぎて1回では理解しきれず。1週間ぐらい開けて2度目を見た上での感想になります。


本作は物語の展開を語るだけでネタバレになってしまうような部分が多々あるため、今回の感想の大半はネタバレを含んでいる箇所がありますので予めご了承ください。





目次

 


基本情報


画像出典:マーベル・スタジオ公式Twitter(@MarvelStudios_J)
 
 

  • 監督:サム・ライミ
  • 公開:2022年5月
  • 評価:★4(最高★5)

 

MCUのドクター・ストレンジシリーズの第二作目。


フェーズ4で解禁されたマルチバース。そのマルチバースに深く関わる謎の少女アメリカ・チャベスを巡るストレンジの新たなる戦い。本格的にマルチバースが解禁され、複数のユニバースを行き来するハチャメチャ展開で飽きることなくあっという間に終わってしまった感じ。マルチバースという舞台装置をこれでもかと使い、公式から「マルチバースってこういうことですよ~。これからはこういうの増えていきますよ~」というメッセージのようにも見える展開がてんこ盛り。


「シリーズ作品としてどうか」という観点で言うと、「MCUはもう完全に一見さんに優しくするつもりはないんだなあ」という印象。今まで以上に過去作を見ている必要がある作品だった。多分これまでのシリーズ作品を観ていないと、各キャラクターがどういう意図でどういう立ち位置で行動しているのかさっぱりだと思う。


本作を観る前に見ておくべき作品は次項で。



事前に見ておくべき作品(軽いネタバレあり)


個人的に本作を観る前に最低限見ておくべきだと感じた作品は以下の通り。

・『ドクター・ストレンジ(2016年)』
・『ワンダヴィジョン(2021年)』


上記2本。『ドクター・ストレンジ(2016年)』はストレンジの1作目にしてオリジンストーリーと言うことで必修。そして、Disney+のドラマシリーズである『ワンダヴィジョン(2021年)』を見ておかないと、本作のもう一人の主役とも言うべきワンダの背景が全く分からない。また、『アベンジャーズ:エンドゲーム(2019年)』も入れておくべきか迷ったが、これを入れてしまうと結局MCUほとんど見ておかないといけなくなるため除外。もうフェーズ4は「サノスの指パッチン後の世界」というのが大前提になっているため、最低限サノスの指パッチンで何があったかをだいたい知っていればOK。


逆に関係性が深いと思われていた『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2022年)』は劇中で多少言及されるぐらいであまり関係はない。また、予告の段階からサプライズ登場が噂されていたX-MEN等の過去のマーベル作品も特に見ていなくても大丈夫な内容になっている。


事前に『ワンダヴィジョン』を見ておく必要があることについて多少の論争があったようだが、MCU自体シリーズ作品としてのつながりを前面に押し出した作品群であることはかなり前から明白だったこと。それでも予習が必要な作品があることに納得できないのなら、残念ながら多分MCU作品が単純に向いていない。おとなしく単体で楽しめる映画に時間をお金をかけたほうがいいと思う。1つのサブスクサービスで大半の作品が見れる(スパイダーマンとか見れないけど)のだから、一つ一つレンタルで借りて見ないといけなかった頃よりはよっぽどシリーズ作品を追いやすい時代になっているはず。





感想など(ここからがっつりネタバレ有り)

ここからはがっつりネタバレありです。



ホラーテイスト強めの作風

本作の監督はサム・ライミ。マーベルでサム・ライミというとやっぱり最初のスパイダーマン映画の印象が強く、序盤の目玉の化け物との戦いのシーンはスパイダーマンシリーズでの建物の高さを生かした迫力ある戦闘(『スパイダーマン2』でのドック・オクとの戦いとか)を思わせる内容でした。


また、『死霊のはらわた』の監督としても有名。本作もかなりホラー映画・カルト映画のテイストが強く、観客を怖がらせる・驚かせる演出が随所に見られました。イルミナティ施設の地下で片足を引きずりながら血まみれで追いかけてくるワンダは完全にホラー映画そのもの。その直後の防火扉(?)で道を塞いだにもかかわらず何の説明もなく突然画面横から現れるカットはやはりホラーの見せ方だったように思います。こういった点はこれまでのMCU作品では見られなかった見せ方でもあるため、かなり新鮮に楽しめました。


他に思い当たるポイントとしてはやはりキャラクターの死に方や死に際。本作ではかなりの登場人物がヴィランとなったワンダによって殺害されることになりますが、死なせ方が見せ場とでも言わんばかりにバラエティに富んだ殺し方をしています(特にイルミナティの皆さん)。また、死亡したあとすぐに画面が切り替わらずに数秒間死に様を映し続けるような見せ方が非常に多く、ここはまさにホラーやスプラッター映画の見せ方だったように感じます。



一番怖かったシーン

個人的に一番ゾッとしたのはワンダがドリームウォークを使ってアース838の自分の身体の乗っ取りに成功して一瞬カメラ目線になったシーン。

目の色に赤い炎みたいなエフェクトが入って人格が入れ替わったことを観客に認識させた直後、一瞬ワンダの表情が完全にカメラ目線になったところがありました。1回目に違和感を感じて2回目は意識して観たので間違いないと思います。そもそも映画において登場人物が露骨なカメラ目線になることってあまりないと思いますが、このシーンは身体や表情の動きを考えてもカメラ目線になるのはかなり不自然だったように思います。

まさにマルチバースを越えて画面の向こうにいる我々を認識しているかのような表情に感じ、一瞬背筋が冷たくなりました。本作で一番怖かったというがドキッとしたシーンです。



ワンダ:スカーレット・ウィッチについて

本作のメインヴィランとなったワンダ。予告編では味方とも敵ともどちらとも取れない内容だったため、早々に敵となってしまったのは軽い驚きがありました。


本作のワンダについて「ワンダかわいそう」と「ワンダ嫌い」の両方の感想があるようですが、個人的にはもともとワンダはMCUでも上位3位に入るぐらい好きなキャラで、『エイジ・オブ・ウルトロン』から『インフィニティ・ウォー』『ワンダヴィジョン』を経ての本作までの流れを知っている身としては本作の後半はもうかわいそうで見ていられませんでした(特に終盤)。


バトルシーンではこれでもかと強者ぶりを発揮し、全編通してかなり迫力のあるバトルを見せてくれました。確実にサノスよりも厄介なMCU史上最強のヴィランになっていたと思います。早く本作のスカーレット・ウィッチバージョンのフィギュアーツを発売して欲しい。


最終的にはダークホールドを消滅させるために死んだかのような展開になっていましたが、具体的にはどうなったのかをぼかすような演出になっていました。正直あまりにも報われなさすぎるので、本当に最後の最後にはどこかで幸せになってほしいキャラクターです。流石にこのまま退場だけは勘弁だけど、まだ白ヴィジョンの伏線とか残ってるし大丈夫だと思う・・・多分。





アメリカ・チャベスについて

マルチバース間を移動することができる能力を持ち、本作の話の中心となった新キャラクター。ではあるものの、力を吸われたり拘束されたりで白目向いてる顔ばっかりだったのはかわいそうだった(笑)。


MCUとしては本作では顔見せと言った感じで、今後の活躍に期待と言ったところ。マルチバースを行き来できる能力は確実にキーパーソンになっていくはず。年齢的にも期待されているヤング・アベンジャーズにもピッタリなので、ケイト・ビショップやスパイダーマンとの共演も楽しみ。特にマルチバースを知っているピーターとはどんな会話をするのか気になる所です。



イルミナティについて

ストレンジとアメリカが飛ばされたアース838に登場したイルミナティ。公開前の予告映像から様々な憶測と期待が飛び交っていましたが、登場したメンバーは以下のメンバー。


・プロフェッサーX(X-MEN)
・キャプテン・カーター
・ブラックボスト(インヒューマンズ)
・キャプテン・マーベル
・ミスター・ファンタスティック(ファンタスティック4)
・マスター・モルド


予告段階でかなり可能性の高かったプロフェッサーはイルミナティの中では唯一話の分かる人として登場。キャプテン・カーターは『ホワット・イフ...?』のとは別人っぽい。ボバ・フェットのジェットパックみたいな装備が印象的。そういえばシニスター・ストレンジも『ホワット・イフ...?』とは別の人っぽかった。キャプテン・マーベルはお馴染みのキャロルではなく誰かと思ったらキャロルの元同僚のモニカ・ランボーと言うことらしい。そしてこのアースではきちんと人間の言うことを聞くウルトロンが沢山登場してました。


色々と期待されていたイルミナティですが、まさかのワンダによる殺し方大喜利要員となってしまいました。甘く見ていたワンダに速攻で虐殺され、ストレンジの言う通り「アホ集団」になってしまった。ゲスト、もしくはファンサービスとして使い捨てたといった感じか。アース838は残念なことになってしまったけど、せっかく色々なキャラを出したので別のアースの人と言うことで今後の作品への登場に期待したいところです。


ところでここで最近のMCU作品への大きな不満が一つ。本作にしても『ノー・ウェイ・ホーム』にしても、劇場のパンフレットにマルチバース関連で出てきた人たちに関しての記載が一切ない(NWHはヴィラン連中は出てたけど)。ゲストやシークレット扱いと言うことなのだろうか。正直こっちとしてはこの辺のメンバーの設定とか裏話とか読みたくてパンフ買ってるみたいなところもあるので、そこはマーベルさんには是非もうちょっと寛容になって頂きたい。




マルチバースについて

本作でMCUの世界が「アース616」であるということが明言されました。ちなみにイルミナティの皆さんがいたのはアース838。これまでMCUはアース199999と言われていたけど設定が変わったのか。それかあくまで劇中でアース616と言われているだけか。


ちなみに調べてみると「アース616」はアメコミのマーベルユニバースにおける正史世界をしめす番号だったらしい。本作の前にも『ロキ』でアース616の存在がほのめかされて話題になったようですが、現状これ以上のことはわからないのでこの点の扱いについても今後の動向に注目したいところです。


本作には他にも一瞬ですがストレンジとアメリカが色々なユニバースを飛ばされるシーンが。全てが液体になっている世界(アメリカは行ったことある模様)や、アニメのような世界など色々。一瞬だけ映った普通のニューヨークっぽい世界は実はライミ版スパイダーマンの世界だったりとかしないかな。




今後について

残された伏線や今後に繋がりそうなポイントを上げてみると以下の通り。


・ワンダの生死
・カマータージで修業するアメリカ
・ストレンジの額に現れた第三の目
・ミッドクレジットシーンに登場した謎の女性


ミッドクレジットシーンに出てきた女性(シャーリーズ・セロン)についてはストレンジ1作目の敵・ドルマムゥの姪のクレアであると言われているようです。最初パッと見はエターナルズの誰かかと思った。詳細は軽く調べた程度だけど、原作ではストレンジのパートナーとなる女性とのこと。本作でクリスティーンとの別れを果たしたストレンジの次の恋人候補と言った感じかな。とにかくストレンジのシリーズはマルチバースに関わる形でまだ続きそうな終わりでした。






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