【映画感想】『スパイダーマン：スパイダーバース』

2019年に公開された『スパイダーマン：スパイダーバース』の感想です。

2023年6月16日に公開された『スパイダーマン：アクロス・ザ・スパイダーバース』の前作（第１作目）にあたる作品で、新作を見に行く前におさらいにと思って久しぶりに鑑賞しました。2019年ということでもう４年前の作品ですが、やっぱり何度見ても面白いです。

以下、本作のネタバレを一部含んでいる場合がありますので予めご了承ください。

基本情報
感想
総評

基本情報

画像出典：ソニーピクチャーズ公式サイト

監督：ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
公開：2019年3月8日（アメリカでは2018/12）
評価：★４（最高★５）

　
　
アメコミ作品『スパイダーバース』及びその関連作品群をベースにしたＣＧアニメ作品。
これまでの映画作品では主役だったピーター・パーカーではなく、マイルズ・モラレスを主人公とした本作オリジナルのストーリーになっている。様々な世界から異なる複数のスパイダーマンが登場するのが大きな特徴。

邦題は『スパイダーマン：スパイダーバース』となっているが、原題は『Spider-Man: Into the Spider-Verse』。直訳すると「スパイダーバースの中へ」。

現時点で『ＭＣＵ』の作品群をはじめとする他のマーベル映画との関連は不明。

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感想

とにかく面白い！！

とにかく面白い！！これに尽きる。
ストーリーのテンポ・盛り上がり・ビジュアル・音楽といった各要素のレベルがどれも高く、非常に完成度の高い作品として仕上がっていたと思います。約２時間弱の中で無駄と感じる部分が無く、最後まで見ている側のテンションも途切れることなく楽しめました。とりあえずスパイダーマンが好きな人であれば絶対に楽しめると思います。

また、「スパイダーバース」の複数のスパイダーマンの活躍と言ったところが目立ちがちですが、本作は主人公の新人スパイダーマン：マイルズ・モラレスの成長を描いたオリジンストーリーとしてもしっかりと物語が作られています。蜘蛛に噛まれて力を得て、大切な人を失いながらも立ち上がっていくという、スパイダーマン作品のお約束がしっかりと抑えられていたのも良かったです。この辺りもスパイダーマン好きがちゃんと楽しめる要素ですね。成長を応援したくなる若いスパイダーマンという意味では『スパイダーマン：ホームカミング』を観た時の感覚に近い作品という印象がありました。

様々な世界のスパイダーマン

やっぱり本作の大きな魅力は複数のマルチバースから集結した様々なスパイダーマン。各キャラクターの特徴に合わせて画面の映像のタッチまで変わるのは「ザ・お祭り映画」という感じがして楽しいです。前述の通り本作はマイルズのオリジンストーリーということもあって、ヒロインのグウェンや師匠役のピーター・Ｂ・パーカーを除いた３名の活躍のシーンはそこまで多いわけではないんですが、それぞれ印象に残るいいキャラをしていたと思います。

また、スパイダーマンというと基本的には「孤独な闘い」の宿命を背負わされているキャラクターのイメージが強いですが、本作ではキャッチコピーに「一人じゃない、仲間がいる」とあるように同じ事情・同じ過去・同じ悲しみを背負う仲間がいるというのはこれまでのスパイダーマン映画とは一線を画する部分だったと思います（その後で2022年の『ノー・ウェイ・ホーム』で同じように複数のスパイダーマンの共闘を見ることができたわけですが）。

スパイダーマンズの活躍に合わせて、登場するヴィランも豪華。グリーンゴブリンが完全に巨大モンスター（いかついリザードみたい）だったりドック・オクが女性だったり、結構アレンジが強めにきいているキャラも多くてマルチバースの「なんでもあり感」がここでも出ていて良かったと思います。

アニメ作品としてのスパイダーマン

本作はこれまでにはなかったＣＧアニメでのスパイダーマン映画なわけですが、作風・ストーリー・ビジュアルという面で非常にマッチしていたと思います。吹き出し・コマ割りといったアニメ作品ならではの表現方法が本作の雰囲気に合っていて良かったです。最初アニメ作品になると聞いたときは正直どうなるものかと思いましたが、今は「これはこれでめっちゃアリ」という感じです。

逆にもしもＭＣＵに合流するようなことがあって実写になった時に、マイルズやグウェンが誰になるのかというのもそれはそれで楽しみな所です。