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【読書感想文】シャアに学ぶ”逆境”に克つ仕事術




『僕ジム』に続いて購入したガンダム関連のビジネス書。タイトルの通り、ガンダムの中でも最も有名と言ってもいいキャラクター、"赤い彗星"ことシャア・アズナブルを題材にした作品。




シャアに学ぶ”逆境”に克つ仕事術

シャアに学ぶ“逆境"に克つ仕事術


 

  • 著者:鈴木博毅
  • 出版社:日本実業出版社
  • 発売日:2012/3/20
  • 頁数:222ページ
  • オススメ度:☆☆☆☆


ガンダムの皮をかぶったビジネス書。


アニメ『機動戦士Zガンダム』におけるシャア(クワトロ)の言動を取り上げ、実際にビジネスの場面で使えるスキルやテクニックとして紹介しています。


タイトルは「シャアに学ぶ」とされていますが、本書の内容的には赤い彗星と呼ばれた一年戦争(初代ガンダム)よりも、クワトロ・バジーナと名乗っていた頃(続編のZガンダム)のシャアをメインに取り上げていて、例えばシャアとカミーユの関係性から若手育成のあるべき手法を考えたり、シャアとブライトの部下育成のスタンスの比較、かつてのライバルであるアムロに与えた影響などがアニメのシーンと実際のビジネスシーンとを関連付けながらわかりやすく解説されています。



ビジネス的な観点から見ると、本書では特に組織の中で部下や後輩を指揮する立場にある中間管理職に向けて書かれており、シャア(クワトロ)の発言や行動をモデルに「仲間や部下の前でどのように振る舞うべきか」「力をもて余す有望な若者とどう接するべきか」などの言わば「上司力」「管理職力」の指南書とも言える内容でした。



その意味では、一匹狼のエースだった一年戦争時代のシャア(初代ガンダム)よりも、本人が望む望まないに関わらずパイロット以外のことも多くこなさなくてはならなかったクワトロ時代(続編のΖガンダム)の方が確かにテーマとも合ってるかも。カミーユ(特に物語初期)を腰掛け気分で仕事をする「今時の若者社員」としているところは妙に納得できてしまって面白いです。



一年戦争(特に後半)でのシャアの苦悩・迷走やその後の『逆襲のシャア』での突き抜けっぷりを知っていると、理想の中間管理職像のモデルケースとして少々良く書かれ過ぎている気がしなくもないですが、そこまでに言及するのは野暮かな。


ちなみに基本的に本書は最低でも『機動戦士ガンダム』及び『機動戦士Ζガンダム』を見ている・内容を知っている人向けと考えた方がいいと思います。もちろん、取り上げられているシャアの言動は1つのモデルであって原作を知らなくても理解できない内容ではないですが、正直ガンダムを知らない人が読むのであれば他の一般的なビジネス書でいいと思います。

逆にガンダムを知っている人であれば、場面や背景がイメージしやすく、ビジネス署としてもファンブックとしても十分に楽しめる内容になっています。



敵対組織であるティターンズを古い価値観で時代の変化に乗り遅れた組織としているところも面白いですね。