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仕事・趣味・生活について書き連ねていく雑記ブログです。

【読書感想文】僕たちはガンダムのジムである




昔から気になりつつもよんでいなかったのだけど、前の本からの流れでAmazonでポチっと。




僕たちはガンダムのジムである


 

  • 著者:常見陽平
  • 出版社:日経ビジネス人文庫
  • 発売日:2015/12/1(文庫版)
  • 頁数:267ページ(文庫版)
  • オススメ度:☆☆☆☆


今回は文庫版を読みました。
単行本は2012年9月にヴィレッジブックスから刊行されています。



端的に言えば、ガンダムを題材として扱ったビジネス指南書。主に30~40代前後の中堅サラリーマンに向けて書かれている。



組織の中で歯車のひとつとして働く我々は機動戦士ガンダムで言うところのジム(その他大勢の名も無き一般兵)であるとし、我々の置かれている社会情勢、そしてその中で知らず知らずのうちにジム化(歯車化)していく我々の実態、そして後半では我々ジムのための生存戦略がケーススタディのような形で示されている。



ただ、決して「お前はただの凡人だ」という悲観的なメッセージではない。世の中も、そしてどのようや組織も、ごく少数のガンダム(特別な人)ではない大多数のジム(その他大勢)によって支えられ動かされているのが現実である。自分と正面から向き合い、この現実をどのように生き延びるかを考えよう・向き合っていこうというエールであると感じた。


『ガンダムUC』のダグザ中佐の言葉の通り、「歯車には歯車の意地がある」のだ。




個人的に刺さった言葉を引用。

頼まれた仕事は天職だということだ。よっぽどの誤解がない限り、人が頼む仕事というのは、あなたなら少し努力すればできる仕事、あなたに期待している仕事ということなのだ。
だから、やりたいことだけにこだわって仕事をしてはいけない。やりたいことがみつからずに焦ってもよくない。(186ページ)


やりたいことだけをやっていればいい仕事なんてそうそうない。というか存在しないんじゃないだろうか。やりたい事・向いている事を求めて闇雲にもがく前に、まずは目の前の事に意地とプライドを持って向き合うことが状況を打開する鍵になるかもしれない。これは覚えておきたい言葉だ。



確かに僕たちはガンダムにはなれない、ジムであることが現実であるのかもしれない。ただ、必要以上に自分を卑下して腐ってしまうことなく、ジム・スナイパーカスタムやジム・ストライカーのように尖ったものを持った奴を目指していきたいものである。



ちなみにタイトルにガンダムが使われているが、基本的にはガンダムやジムは例えであり必要最低限のワードや物語中の背景は補足されているので、ガンダムの知識がなくとも問題なく読み進めることが可能。勿論、ガンダムを知っている方が共感できる部分は大きいと思うけれど。



最後に、本書では我々のような一般社員のことを(ガンダムのような飛び抜けた存在ではないという意味で)ジムとしている。これは言わばものの例えであって、本書への批評の中に「ジムは高性能」とか「実際にジムに乗っていたのはエリート兵士」といったガンダム視点での批判を見かけることがあるが、本書はあくまで「わかりやすいようにガンダムを例えとしているビジネス書」でありガンダムの考察書ではないことを承知しておきたい。でないと、「やっぱガンオタはめんどくさい奴らだ」ってなっちゃうからね。



<メモ>
companyという言葉がラテン語で「パンを一緒に食べる人」(=同じ釜の飯を食う的な意)という言葉から来ているらしい。これは本書ではじめて知った。