PS5『Marvel's Guardians of the Galaxy』感想。キャラゲーとしては十分及第点な内容

ゲーム内では映画と同様に80年代ロック・ポップスが多く使われていて、ボス戦などでメンバーのテンションが上がっていくと（ゲージが貯まると）スター・ロードからの鼓舞と共に曲が流れてきて形勢逆転！！みたいな流れはかなり盛り上がります。また、ステージ攻略中やバトル中にはＧotＧではお馴染みの冗談や皮肉を交えた軽快な掛け合いを聞くことができ、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのゲーム」としての雰囲気は合格点と言える内容だったと思います。ストーリーも中々良く、ＧotＧが好きな人であればキャラゲーとして十分に楽しめる内容だったと思います。

登場するキャラクターは主人公スター・ロードとＧotＧメンバーのガモーラ、ロケット、グルート、ドラックスを中心に、ガーディアンズと関わりのあるところでマンティスやアダム・ウォーロック等が登場。逆に、スパイダーマンやアイアンマンといったマーベルではお馴染みの地球のヒーローたちは登場しません。

また、流石にＰＳ４・ＰＳ５世代のゲームだけあって、キャラクターやステージの映像表現は高クオリティの一言。キャラクターの顔や表情もリアルに作り込まれていて、グルートやロケットなんかは映画のワンシーンに見えたりもしました。

仲間と連携するアクション

アクション部分についてはプレイヤーは主人公のスター・ロードの背中を見ながら操作するいわゆるＴＰＳタイプのアクションゲーム。様々な惑星や宇宙船・基地などを探索したり時にバトルしたりしてストーリーを進めていきます。アクションはビジュアル的にはオープンワールドや箱庭型にも見えますが、実際はあらかじめ進む道の決められている一本道のステージ構成になっていて、所々にチェックポイントやイベントシーンが用意されているため「自由に探索」というイメージはありません。個人的な感覚ではそれぞれのチャプターやステージではイベント：探索やギミック：戦闘がだいたい１：１：１ぐらいの比率になっていたかと思います。

直接操作できるキャラはスター・ロードのみですが、その代わりにリーダーとして他のガーディアンズのメンバーに様々な指示をだすことができます。例えば、ステージのギミックを解くのにメンバーの力を借りたり（グルートに橋をかけてもらう・道を塞ぐ瓦礫をドラックスに破壊してもらう等）、バトルではそれぞれのスキルを使わせたり連携攻撃を出したりしながら戦闘を優位に進めていくことができます。

戦闘では上述の通り様々なスキルやメンバーの力を借りることが前提となっているため、ボスだけでなくザコ敵もやや硬くなっています。ストーリーを進めるごとに戦闘を優位に進めるための選択肢は増えていきますが、その分戦闘中考えたり判断しないといけないことは多く、少し人を選ぶ戦闘システムかもしれません。最初は長くて単調に感じるかもしれませんが、操作に慣れて選べるスキル等が増えてくるとある程度快適に進めることができるようになると思います。

ストーリーはそれなりのボリューム

ストーリーは完全新規のオリジナルストーリーで全１６のチャプターから構成されており、１回クリアするのにだいたい２０～３０時間程度となっています。流石に『Marvel's Spider-Man』には及ばないものの、１本のゲームとしてボリューム的には十分だったと思います。

エンディングは１つだけですが、ゲーム内の選択肢や行動によって途中の展開が変わることがあるので選ぶ選択肢を変えて周回プレイを楽しむことも可能。１回ストーリーをクリアすると取得した武器・スキルや収集用を引き継ぐ「ニューゲームプラス」を選択可能になります。

アイテム等の収集要素は行動分岐もあるため１周のプレイだけではコンプリートできませんが、トロフィーコンプ自体は１回のプレイでも可能になっています。ただ、基本的に本作はアイテム等を取り逃した場合戻ることができないので、１周でトロコンするには結構がっつり攻略を見て進める必要があると思います（初見での探索の楽しさ等はそれなりに損なわれるレベル）。今回は１周目は攻略を見ずに通常プレイし、２周目は攻略を見てトロフィーを集めつつイベントはスキップしてサクサクプレイでやりましたが遊び方としてはそれが正解だったんじゃないかと思っています。

ＭＣＵ作品との関係はない

前述の通り、本作の内容は完全に新規のストーリーでありMCUの映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のシリーズ等とは一切の関係がありません。マーベル的に言えば「別のユニバースの話」と言えると思いますが、この点は『Marvel's Spider-Man』や『Marvel's Avengers』と同じ。

ビジュアルやボイスも映画とは別になっており、映画作品が好きな人であればあるほと顔がクリス・プラットじゃなくて吹き替えボイスが山ちゃんじゃないスターロードに違和感を感じると思います。ですが、内容としては前述の通りちゃんとＧotＧしていると思いますので、進めていくうちに慣れて違和感もなくなっていくんじゃないかとは思います。一部キャラの設定や性格も映画とは違っていて、特にマンティスが顕著に違っていたと思いますが、これはこれでいいキャラクターをしていたので良かったと思います。

気になる点・残念な点

不具合・バグ等

まずはいくつか見られた不具合やバグ。
そこまで致命的ではないですが進行不能になるバグもあり、ゲームへの没入感を妨げる要素となっています。

【進行不能バグがある】

本作には進行不能になるバズがあり、これが一番困ります。ステージの途中で見えないオブジェクトに引っかかって動けなくなり、リセットする以外なくなったことが多々ありました。２周して４～５回は起きたので、頻度としては比較的多い不具合だと思います。やはり進行不能系のバグは勘弁してほしいです。ただ、本作はかなりこまめにオートセーブがされているため、リセット（直前のチェックポイントからリスタート）するにしてもせいぜい数分程度の巻き戻しで済んだのが救いでした。

また、ちょっと違うパターンですが、次々と敵が湧いてくる場所で一部の敵がプレイヤーから見えない部分（オブジェクトの裏等）に引っかかって出てこなくなることもありました。基本的に敵との戦闘がスタートすると全滅させないと次に進めないため、こちらから見えない・攻撃も届かない位置に敵が入ってしまうとリセットするしかなくなります。

【音声がおかしい時がある】

たまに音声がおかしくなる時があります。同じセリフを２回繰り返したなんてのは可愛いものですが、一番困ったのは戦闘中ドラックスの声だけ異常に高いボリュームになることが頻発したこと。そもそも声のデカいキャラクターではあるもののそんなレベルではないぐらいの爆音になりかなりビックリさせられました。対処としてはテレビの音量を下げるしかないですが、そうすると他のキャラの声は聞こえなくなってしまうためせっかくのキャラ同士の掛け合いが聞こえません。これが発生すると戦闘中の会話なんかはそっちのけでテレビのボリューム操作を強いられるためかなり興ざめでした。

イベントシーンがやや長く感じる

これはゲームとしての欠点と言うわけではなくあくまで個人的な好みによるものですが、ややイベントシーン・会話シーンが長いように感じました。

上の方で「イベント：探索やギミック：戦闘がだいたい１：１：１ぐらい」と書きましたが、プレイヤーがキャラクターを操作して好きに動き回ったりバトルをしている時間に対して、会話シーン等のただコントローラーを持って眺めているだけの時間の比率が多かったと思います。ゲームのジャンル次第ではあまり気にならないレベルだとは思いますが、アクションゲームというジャンルを期待してプレイしているとやや「待ち時間」が長く感じてしまったのかも。