PS4『キングダムハーツ Melody of Memory』の感想です。
今回辛口多めなのでご注意ください。
本作は昨年末に発売されたばかりのキングダムハーツ最新作で、初のリズムゲームになっています。まず結論から言うと、音ゲーとしてもキャラゲーとしてもイマイチで、大半が使いまわしのムービーなのにラストだけは次作につながりそうな重要な要素が含まれているためファンとしては残念ながらプレイ必須、逆に「ディズニーの音ゲーならやりたいな」レベルのご新規さんは絶対に買ってはいけないゲームでした。
音ゲーといえば無料のスマホゲーでも品質高いものがあふれている昨今にこれをフルプライスで売ろうというのだから、さすがシリーズファンを舐めきっていらっしゃるなあと改めて思いました。もう新規さんに理解させようという意図は感じないので、古参のファンに金払わせるだけ払わせていいところでコンテンツ終了って感じなのかな?
目次
『キングダムハーツ Melody of Memory』
製品概要
- 機 種:PS4、Switch、Xbox One
- 発 売:2020年11月11日発売
- ジャンル:リズムゲーム
- プレイ時間:22時間
- 作品評価:評価:60点
プレイ時間は難易度スタンダードをベースにシナリオクリア&全曲クリア&全ミッションコンプ(★354)のものです。
シリーズ初のリズムゲーム。曲数は150曲ある(一部バージョン違いあり)ため音ゲーとしてはそこそこのボリューム。ただし、あくまで過去のキングダムハーツシリーズのBGMがメインなのでディズニーの楽曲に期待するとがっかりするかも(ディズニー曲でボーカル入りは数曲のみ)。
時系列的には『KH3』のエンディング後となり、カイリの視点で過去のシリーズの記憶を振り返っていく形で各作品の楽曲をプレイしていく。ステージ(楽曲)の合間合間にカイリのナレーションで30秒程度の各作品のダイジェストのようなムービーが入る。また、ラストで次回作に繋がると思われる20分程度の新作ムービーも用意されている。
ちなみに評価は過去のシリーズ作品をすべてプレイしたファン目線でのものです。シリーズ未プレイの方におすすめできるかどうかという観点では点数は半分ぐらい(30点)になると思います。
良かったところ
まずは良かったところ。
あまり誉めていない所もありますが…。
カイリの解説付きでシリーズのおさらいができる
カイリのナレーション付きの各作品のダイジェストムービーが所々に挿入される。シリーズプレイ済みのファンにとってはシリーズのおさらいができる内容。
次回作がもし出るならば、プレイする前に本作のムービーを見ておけばシリーズのだいたいの流れが思い出せるはず。
しかし結構はしょられているためご新規さんがしっかり理解するにはしんどい。あくまで過去作プレイ済みの人向け。
懐かしのBGMで音ゲーが楽しめる
やはり各シリーズ作品の懐かしのBGMで音ゲーが楽しめるのが本作一番のポイント。シリーズファンで音ゲーに抵抗がない人ならそれなりに楽しめる内容。「この曲好きだったなあ~」とか「このステージこんな曲だったなぁ」とか思いながらプレイするのは確かに楽しい。
この観点では本作はそれなりに楽しめました。
販売価格暴落してるので新品も安い
購入したユーザーからの評価がイマイチだったのか、発売から2ヶ月程度しか経っていない2021年1月現在定価7,480円のところAmazonでは新品でも3,000円を切っている(PS4版)。
作品としては残念な事でしかないのだが、一応普通のフルプライスゲームよりはお求め易い。
カイリが可愛い
新規ムービーの映像は『KH3』と同じレベルなのでカイリがとても可愛い。
本作独自の良いところではないが、正直これくらいしか他にもう思い付くことが無い…
ネタバレになるのであまり詳しくは書けないですが、『KH3』ではあまり見れなかったキーブレードで戦うシーンがあったのは良かったです。
悪いところ
続いて悪いところ・プレイしていて気になったところ。
音ゲーとしてはイマイチ
リズムゲームとしては正直このレベルの音ゲーなら無料のスマホゲ―でいくらでもあるといった印象。ステージを進んでいくような画面構成は良いが、ところどころ画面が見ずらいなどの弊害がある。特に、ムービー系やボス戦系の画面が見ずらかったり押すべきタイミングがわかりにくい。特にムービー系のステージは本作の売りの一つでもあるはずなので残念。勿論クリアできないという程ではないが、正直全体的に音ゲーのシステムとしてあまりセンスを感じない。ちょいちょい曲とマーカーのタイミングがずれてるところがあるのは気のせいか。
ぶっちゃけKHUXのような無料スマホゲーか『KH3』のミニゲームとして入っていても良かったんじゃないかと思ってしまう。ディズニーキャラも多々登場しているので、「無料ゲームレベルなんだからタダにしろ(安くしろ)」とはならないのはわかっているのだが、キャラゲーとしても気になる点がいくつか存在する。
キャラゲーとしてもイマイチ
キャラゲーとして遊ぶにしても突っ込みたくなる所がいくつか。まずプレイアブルのソラのグラフィックが『KH』時代のものしかない。『KH3』のワールドで『KH』のソラのグラフィックは違和感がある。また、そもそもプレイアブルのキャラクターも少ない。キャラは基本3人セットで4チーム用意されているが、真ん中のメインキャラ以外は特に喋りもしない置物同然で配置の変更もできない。ステージ限定でスポット参加するディズニーキャラも同様。キャラゲーとするならメンバーの編成や作品毎のグラフィック変更ぐらいはさせてくれても良かったのではないか。ソラ・ロクサス・ヴェントゥスで主人公チームにしてみたり、カイリ・ナミネ・シオンのヒロインズだったり、王様・ドナルド・グーフィーのディズニーキャラチームで遊べたりしたら楽しかっただろうな・・・。
ちなみに主人公のようなポジションのカイリは終盤のごく限られたイベントステージ以外では使用できない。
新規プレイヤーへの優しさは無い
もはやシリーズお馴染み。キングダムハーツシリーズはナンバリング以外にも外伝作品がたくさんあり、ほぼすべてをやっていないとしないシナリオが理解できない。本作はこれまでの作品のシナリオを振り返るような形になっているが、かなりはしょったダイジェストのためご新規さんには中々理解が難しいと思われる。
また、遊べる楽曲はストーリーを進めていくと段々解放されていく形式なので(これ自体は音ゲーとして悪いとは思わないけど)、ディズニー曲目当ての人は目的の曲で遊ぶために聞き覚えのないキングダムハーツシリーズのBGMを延々とクリアしていく必要がある。
基本的にはシリーズファン向けの作品という印象が強い。
楽曲がゲームに最適化されてない
過去作品のBGMをそのままもってきているので、プレイ中にループしたり不自然なタイミングで突然終了したりする。元々リズムゲーム用ではないBGMなので仕方ないのかもしれないが、もう少し工夫があっても良かったのではないだろうか。
総評
改めて個人的な評価をもう一度。作品評価:60点
評価は過去のシリーズ作品をすべてプレイしたファン目線で60点。シリーズ未プレイの方におすすめできるかどうかという観点では半分ぐらい(30点)になると思います。
改めて言いますが、音ゲーとしてはこのレベルなら無料のスマホゲ―でいくらでもあり、キャラゲーとしても気になる点が多々ある。ムービーやグラフィックは大半が使いまわし。しかしながら最後にちょっとだけ次につながりそうなムービーを入れてきており、あくまでシリーズ全体のストーリーを追っていきたい信者とも呼べるようなファン向けのゲーム。買うなら「ちょっと遊べるサントラ」ぐらいに思っておくのがいいかもしれません。穿った見方をすると「低予算でサクッと作ってもシリーズファンならフルプライスで買うだろう」という製作側の意志を邪推してしまう・・・。ご新規さんや「KHに興味ないけどディズニーの音ゲーなら興味ある」という人には絶対にお勧めできません。どうしても気になるという方はまず体験版をプレイしてみることをおすすめします。
正直『KH3』のDLCの段階で制作側がシリーズファンを舐めきっているのはよくわかったので、怒りが湧くとかはないけどこれでいいのかスクエニ・・・。じゃあなんでお前はプレイしてんだと言われそうですが、『KH3』本編プレイ中に買ってしまっていたから仕方ない。
色々文句も言いましたが、とりあえずこれでPS4でできるキングダムハーツのシリーズはコンプリート。旧作(特に携帯機の外伝等)も最新のハードでリマスター版として遊べるのは良かったです。『KH3』で完結と思われていましたが確実に次がありそうな雰囲気ですので、何年先になるかはわかりませんが『KH4(?)』にも期待をしたいところではあります。
【シリーズ作品のレビュー】
www.yumekichi-blog.com
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