映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の感想です。
作品としては2016年の映画ですが、一部の映画館で再上映をしていたので劇場で観てきました。僕自身はMCUにはまったのがもっと後の『インフィニティ・ウォー』以降だったので、本作はDVD等では何回もみてはいたものの劇場で観るのは初めてでした。まさか今になって『シビル・ウォー』を映画館で観れるとは思っていなかったですが、アクションが熱い作品でもあるため劇場の大スクリーンで観れる機会があってよかったです。せっかくなので改めて観ての感想を書いておきたいと思います。
ちなみに再上映の内容は過去に上映されたものと同じです。
目次
基本情報
世界の危機を救ってきた“アベンジャーズ"が、国連の管理下に置かれることを巡り、激しく対立するアイアンマンとキャプテン・アメリカ。さらに、ウィーンで起こったテロ事件の犯人として、キャプテン・アメリカの旧友バッキーが指名手配された。それを機に、“アベンジャーズ"はついに分裂する。スパイダーマンも参戦し、世界を揺るがす“禁断の戦い(シビル・ウォー)"がはじまる―友情によって引き裂かれた彼らの行方は?
そして、驚愕の結末とは…。
Amazon商品ページより抜粋
- 監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
- 公開:2016年5月
- 評価:★4(最高★5)
アベンジャーズの盛大なるお家騒動。正義に対しての考え方を巡りヒーロー達がアイアンマン派とキャプテン派に分かれて全面戦争。監督はその後の『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』でもメガホンをとったルッソ兄弟。
一応『キャプテン・アメリカ』シリーズの第三弾ということになっているが、ほとんど『アベンジャーズ2.5』のような内容でかなりの数のヒーロー達が登場。
感想など
以降、本編のネタバレが含まれる部分がありますのでご注意ください。
見応えのあるアクション
本作の一番の見所はやはりド派手でスピード感のあるアクションシーン。アクションについてはMCU作品の中でも本作はトップクラスだと思っています。
冒頭のラゴスでの戦い、ウィンター・ソルジャー(バッキー)の逃亡劇、空港での二陣営に別れての戦い、最後のキャプテンとトニーの戦いと、劇中に数多く配置された各アクションシーンはどれも非常に見応えがあり大スクリーンに映える映画だったと思います。MCUも本作まで来ると非常に多くのヒーローが登場していて、空を飛ぶ奴、身体の大きさが変わる奴、魔法を使う奴など、様々バリエーションに富んだキャラクターが入り乱れてのバトルシーンはとても良かったです。
今回改めて劇場で観れて本当に良かったと思います。
MCUの中でも重要なエピソード
本作はキャプテン・アメリカのシリーズの3作目と言う位置づけではあるものの、その後の『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』のアベンジャーズ2作にも大きくつながっていて、インフィニティ・サーガの中でもキーとなる非常に重要な内容になっています。本作の結末が『インフィニティ・ウォー』での大敗の原因となり、キャップとトニーの確執はさらにその後の『エンドゲーム』まで引っ張られることになりました。
また、過去のアベンジャーズ2作よりもさらに多くのヒーローが登場しているのも本作の楽しい所。スパイダーマンとブラックパンサーは本作がMCU初登場となり、その後に単独作品が公開と言う形となりました。スパイダーマンはこれまでの2シリーズに比べると非常に若く、全体的にシリアスになりがちな雰囲気の中アントマンと一緒に非常にいい味を出していたと思います。
キャプテンとトニー
本作は「シビル・ウォー(内戦)」のタイトルの通り、アベンジャーズが協定賛成派と反対派の2つに分かれて争うのが大きな流れになります。そしてそれぞれの派閥の中心にいるのがキャプテンとトニー・スターク。ネット等で本作の感想をみていると、やっぱり「自分はどっち派」という書き方をしている人が多かったと思います。両陣営の対立については改めてみてもどっちもどっちというか最初から最後まで「お前らもういい加減にしろ!!」ってな感じで、どっちが正しいという話をすること自体が不毛(製作者も「どっちもどっち」って発言しているわけだし)ではあるんだけど、個人的にはやっぱりどうしても本作のキャップの行動が終始感情的に見えてしまったかな。協定についてはキャプテンの言い分も一理はあるけど「気に入らないからすべて拒否する」というのは子供の理屈というか、中盤以降の動きも「バッキー好き好き」が強すぎというか、序盤から中盤にかけては完全にナターシャの言った「あなたが動けば事態が悪化する」がすべてを物語っていたという感じ。空港でキャプテン達の言い分に耳を貸さなかったのは完全にトニー陣営の落ち度なんだけど、そうなってしまうほどに仲間の信頼を踏みにじってきたのは他ならぬキャプテン本人というか・・・。
そして本作のアベンジャーズ陣営には数多くの超人が存在する中、ここまでの分断を引き起こしたのがたった一人の生身の人間のヴィランというのがまた何とも言えない味を出していていいですね。
メインヴィランのジモ
本作のメインヴィランというか唯一のヴィランのジモ。個人的には本作で一番と言っていいくらい非常にいいキャラクターで、MCUの中でも屈指の良ヴィランだったと思います。
地球を救う程の力を持つアベンジャーズという超人集団を実質的に瓦解させたのが、超人でも異星人でもなんでもない生身の人間一人というのが非常に好対照というか皮肉がきいていて良かったです。本作での分断からその後のサノスへの大敗の大きな要因となったと考えるとMCUの中でもかなりの隠れキーパーソンだったといってもいいかもしれません。「ヒーロー同士の激突」という大命題のある本作において、その部分の邪魔をすることなくそれでいて常に不気味さを漂わせていた非常にいい立ち回りをしていた味のあるヴィランです。行動原理も理解できるものであり、我々一般人の視聴者からすれば超人ヒーロー達の悩みなんかよりもよっぽど共感できるバックボーンというのがまたジモというキャラクターに深みを与えていていると思います。
その後フェイズ4の『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』で再登場。本作よりも飄々と他人を煙に巻くロキのような性格になっていて、それはそれでいいキャラになってました。
www.yumekichi-blog.com
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