ゆめろぐ

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仕事・趣味・生活について書き連ねていく雑記ブログです。

【読書感想文】フィッシュストーリー




前の本からの流れでこちらも久々に再読。




フィッシュストーリー

フィッシュストーリー(新潮文庫)


  • 著者:伊坂幸太郎
  • 出版社:新潮文庫
  • 発売日:2009/12/1(文庫版)
  • 頁数:338ページ(文庫版)
  • オススメ度:☆☆☆☆☆


単行本は2007年1月に新潮社より刊行されています。


4作の短編・中編を収録。それぞれの話は短いながらも読みごたえがあり、特に表題作のフィッシュストーリーの伏線回収は「これぞ伊坂作品」といったところ。手軽で読みやすいので、これまで馴染みのなかった方への伊坂入門書としてもおすすめ(最初の2作はやや暗かったり不穏な空気もあるけど、最後の4作目まで通して読んでみて頂きたいです)。



<動物園のエンジン>
全体的に不思議な雰囲気の話。
夜の動物園を舞台に、夜な夜なやってくる謎の男・永沢について主人公達があれこれ推理をめぐらせる。

話の展開や登場人物のやり取りは軽快なんだけど、なんとなく寂しさというか物悲しさの漂うお話。

登場人物のクロスオーバーがあり、『オーデュボンの祈り』のあの人がチラッと登場する。



<サクリファイス>
全体的に不穏な雰囲気の話。

伊坂作品ではお馴染みの泥棒黒澤が主人公。黒澤のイメージは話によって堺雅人だったり大森南朋だったりするが(どちらも映画化作品で演じている)、本作では大森さんのイメージで脳内再生されました。



<フィッシュストーリー>
売れないバンドの最後の曲が巡りめぐって思いもよらない結果をもたらすという話。バタフライエフェクトとか、桶屋が儲かる的なやつ。


一見関係のない、時代も異なる4つの物語が最後に1つの結末に繋がっていくところはさすが伊坂作品という感じ。


ちなみに映画化もされています。
各年代のストーリーは映像化にあたり変わっている部分もありますが、こちらも面白いのでおすすめ。「僕の孤独が魚だったら」の歌もメロディとボーカル付で聴けます。

 
 

<ポテチ>
最後は心温まるお話。
心優しいが"凡人"である主人公と、プロ野球の選手・尾崎の数奇な運命を穏やかに優しく描いている。「運命の真相」や「衝撃の事実」がどうのというよりも、それを巡る人々の繋がりや絆・掛け合いをメインに描いているところは非常に伊坂作品らしいです。

こちらも映画化されており、主人公の濱田岳がドハマりしているので未見の方はこちらも是非。