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PS2『機動戦士ガンダム クライマックスU.C.』感想。宇宙世紀を網羅しF90にも乗れる珍しいゲーム




PS2用ソフト『機動戦士ガンダム クライマックスU.C.』の感想です。


『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』に続いてPS2の名作ガンダムゲームです。新品はさすがに手に入りませんでしたが、中古で1000円しないぐらいでした。


この手の原作追体験ゲームでは一年戦争に限ったものが多い中、本作はパッケージの「宇宙世紀の集大成」の通り当時映像化されていた大半の作品が網羅されています。また、F90・デンドロビウム・クロスボーンガンダム等、あまり見かけない機体にも乗ることができる珍しい作品です。




目次

『機動戦士ガンダム クライマックスU.C.』

製品概要

機動戦士ガンダム クライマックスU.C.

機種:PS2
発売:2006年3月2日発売
ジャンル:3Dアクションシューティング
プレイ時間:15時間ぐらい
作品評価:70点


初代ガンダムからF91までのストーリーを追体験できるクロニクルモード、オリジナルキャラクターとなって宇宙世紀の戦場を戦い抜くプログレスモード、様々なミッションステージに挑戦するエクストラモード等、多彩なゲームモードと当時ではかなりのボリュームの作品となっている。


画面はお馴染みの自機を背中から見ているタイプのTPS系視点。同ハードの『ガンダム戦記 Lost War Chronicles』と比べるとリアリティはやや劣るが、スピード感と爽快感のあるバトルシステムが特徴。






作品の特徴や良かった点

スピード感があって快適な操作

原作再現のリアル路線系作品(VSや無双のようなお祭り系じゃないもの)の中では軽快でスピード感ある操作。ブーストで敵の攻撃を回避しながら強力なチャージ攻撃を叩きこむのが基本スタイルになる。武器の変更・持ち替えはないが、チャージの長さによって攻撃方法が変わる(チャージ1段階でライフル連射、2段階でミサイル、3段階でハイメガキャノン等)。また、ガンダム作品には珍しくステージ途中に回復が可能。ザコ敵を倒した時に回復アイテムをドロップすることがある。



PS2としてはかなり綺麗なグラフィック

グラフィックはPS2の終盤のソフトと言うこともあって、今見てもMS等のモデリングの出来は非常に良い。


ステージ前後や戦闘中に挿入されるムービーもかなり気合を入れて作られている。ムービーにはアニメ映像でのパイロットのカットインも入れらていたりと、原作の再現度も高い。



宇宙世紀作品のほとんどを網羅

当時映像化されていた宇宙世紀作品のほとんどが登場している。思いつく限りでは『MS IGLOO』『Vガンダム』以外のすべての映像作品は出ている、はず。今でこそVSシリーズや無双シリーズで多くの作品の機体を使うことができるようになっているが、一年戦争ものばかりだった原作再現系作品では珍しい豪華なラインナップ。

 
<登場作品>
・機動戦士ガンダム
・機動戦士ガンダム 第08MS小隊
・機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
・機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
・機動戦士Ζガンダム
・機動戦士ガンダムZZ
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
・機動戦士ガンダムF90※
・機動戦士ガンダムF91
・機動戦士クロスボーン・ガンダム※

※原作再現のステージは無し。



名台詞や名シーンの押さえるべきツボは押さえている

登場作品が多い関係上一つ一つの作品はかなり駆け足での展開となっているが、キャラクターの名台詞や名シーンなどの押さえるべきツボは押さえている印象。


プレイ後に原作のアニメが見たくなったりプラモを作りたくなった。個人的にそのようなゲームは良いゲームだと思う。



デンドロやF90に乗れる

デンドロビウムやノイエジール、ガンダムF90やクロスボーンガンダムなど、当時ではかなり珍しい機体に乗ることができるのも本作のポイントの一つ。


クロスボーンなどは最近では登場する作品も増えたが、F90等は今でも珍しい機体。ちなみに残念ながら形態は「F90V」のみ。



多彩なゲームモード

主なゲームモードは3つ。

  • 原作追体験のクロニクルモード
  • オリジナルキャラで宇宙世紀を戦い抜くプログレスモード
  • 様々なミッションをこなすエクストラモード


原作再現のクロニクルモードのみが特徴と思いきや、オリジナルキャラとして各時代の戦場に参加するプログレスモードも中々楽しい。一年戦争からF91の時代となると50年以上となるため、親子2代の物語となっている。上記3つを含む各モードの詳細は次項で。




各モードの特徴や感想など

チュートリアル

全3ステージ。
カミーユ・ジュドー・アムロがフルボイスで操作を教えてくれる地味に豪華なチュートリアル。



クロニクルモード

各作品の主人公やライバルキャラ等の視点で原作の追体験をするストーリーモード。全シリーズ合計で51ステージ。その時点で映像化されていた宇宙世紀作品のほとんどが網羅されているが、さすがにキャラクターひとりひとりのシナリオはかなり駆け足。


<初代ガンダム(全6ステージ)>
アムロ編:4ステージ
シャア編:2ステージ

最初のステージが大気圏突入と言う珍しい内容。駆け足だから仕方ない。最終ステージのブリーフィングでのアムロの「この作戦は成功しますよ」からのステージ開始後にカイの「逆立ちしたって人間は神様にはなれないからな」までの流れは良かった。また、シャア編の方はシャアザクキックが使いやすい。最終ステージはジオングが使いにくい上にアムロが強くてきつかった。やっぱりあの頃のアムロは白い悪魔だった。


<08小隊(全4ステージ)>
シロー編:2ステージ
アイナ編:1ステージ
ノリス編:1ステージ

グフカスタム戦はかなり気合が入っていて良かった。ノリス編でグフカスを操作できるのは楽しいが、08小隊三機をいっぺんに相手しないといけないのは結構きつい。そしてまさかのアイナ編で、機体はもちろんアプサラス。操作感がMSと全然違うので慣れるまでは大変。


<ポケットの中の戦争(全3ステージ)>
クリス編 :2ステージ
バーニィ編:1ステージ

ポケ戦はかなり少なめ。まあ原作でもそのくらいだから妥当か。そしてやっぱりザクでガンダムを倒すのは大変だ。


<0083スターダストメモリー(全5ステージ)>
コウ編 :2ステージ
ガトー編:2ステージ
シーマ編:1ステージ

コウ編は最終ステージで原作通りデンドロビウムに乗れる。改めて考えてみるとデンドロに乗れる作品は珍しいかも。勿論ガトー編はノイエ。そしてサイサリスはまさかの核撃ち放題。そしてシーマ様視点ではデンドロが敵として出てくると本当に「お前は一体どっちの味方だ!!」と言いたくなる。


<Zガンダム(全16ステージ)>
カミーユ編:8ステージ
クワトロ編:2ステージ
ジェリド編:1ステージ
フォウ編 :2ステージ
シロッコ編:1ステージ
ハマーン編:2ステージ

Zは他に比べてやけにボリュームが多いが、どうも本作の発売当時に劇場版の新訳をやっていたからの模様。但しストーリーはテレビ版。サイコガンダムが圧倒的すぎるが背後に回ってしまうとただのデカい的だった。



<ZZガンダム(全7ステージ)>
ジュドー編 :3ステージ
ルー編   :1ステージ
プル編   :1ステージ
マシュマー編:1ステージ
ハマーン編 :1ステージ

ステージはZに比べると半分以下しかない。ZZの合体シーンの出来がすごく良かった。ZZはハイメガが威力も高く当たり判定も広くて強力。


<逆襲のシャア(全4ステージ)>
アムロ編:2ステージ
シャア編:2ステージ

ガンダムゲームではだいたいお馴染みの逆シャア2ステージ構成。アムロ編もシャア編もファンネルがメインの機体になって戦い方が少し変わった。単調なゲーム性ながら中々飽きないのがいい。



<F91(全5ステージ)>
シーブック編:3ステージ
セシリー編 :1ステージ
ザビーネ編 :1ステージ

この手のゲームでF91のシナリオが遊べるのは珍しい。さすがに鉄仮面シナリオは無かった。



<ファイナルステージ(全1ステージ)>
全主人公シナリオクリア後に出現するオリジナルのクロスオーバーステージ。各作品の主人公と主人公機から好きな組み合わせを選んで挑戦できる。内容は歴代主人公機との連戦。




プログレスモード

オリジナルキャラクターを育成しながら宇宙世紀に参加していくモード。全10ステージ。

シナリオ自体は10ステージだが、その時代ごとの参加陣営を選ぶことができる。但し「デラーズフリート」から「ティターンズ」のような無理のある選択肢は選べないところもちゃんと考えられている(デラーズフリート所属の場合は次はエゥーゴかアクシズから選択)。
 
面白いシステムとして逆襲のシャアからF91に入る際に主人公が世代交代するというユニークな仕組みになっている。初代主人公引退の際に結婚相手を選ぶことができ、その相手との子供が2代目の主人公になる。その際、選んだ相手によって子供に引き継ぐ能力が変化する。結婚相手は同じチームのオペレーター、MSパイロット、そして故郷に残してきた幼馴染の3人から選ぶことができるが、幼馴染についてはここが初登場(一応前振りのような会話はあるが・・・)。「誰だよ!!」と突っ込んだ人も多いはず。ちなみに相手に幼馴染を選ぶと子供がニュータイプになる、らしい。
 



エクストラモード

上級者向けの特殊シチュエーションバトル。他のゲームのミッションモードのようなもの。ザク系の敵ばかりと戦うステージやエースパイロットとの連戦などお題は様々。こちらの機体とパイロットはステージごとに指定されていたり、これまで獲得してきた中から自由に選択可能だったりもする。

初級:7ステージ
中級:7ステージ
上級:6ステージ


基本的にはF91でヴェスバー連発していれば楽な印象のステージが多かった。



その他

<バーサスモード>
対人対戦モード。流石にPS2ゲームで対戦する相手はそういないので未使用。


<カードコレクション>
MS情報やキャラクター、ムービーなどのカード収集要素。敵を倒すと落としたりステージのクリア等で手に入る。一通りクリアした段階で7割ぐらい(306/423)だったので、コンプリートにはかなり苦労しそう。また、ダブりも普通に出るが、ダブりにも意味がある模様(枚数に応じてプログレスの主人公が強くなるらしい)。




気になる点・残念な点

Vガンダムが出ない

やはり一番はこれ。宇宙世紀の総まとめをうたっているのに・・・。


ただ、F91まででもそれなりのボリュームになっており、さらにVまで入れるとプログレスモードがもう一つ次の世代まで行ってしまうので仕方ない部分はあるとは思う。



ステージは短くて単調

ステージは短くて単調。だいたいはザコ敵を一定数倒したらボスが出てきて戦闘という流れ。初めからボスとタイマンで終わりの面も多い。

また、マップの特徴が薄いのも単調さに拍車をかけている。宇宙や空中は基本的にだだっ広い平面にたまにデブリなどの障害物がある程度で、地上ステージも『ガンダム戦記 Lost War Chronicles』などと比べるとマップに特徴がほとんどない。背景色が違うだけのステージで同じことを繰り返している感じになりがち。


マップの端が分かりにくい

この手のゲームではお馴染みだが、マップの端には見えない壁があってそれ以上進めなくなっている。ただ、本作ではマップの端がどこなのか非常にわかりずらい。というかわからない。画面のミニマップも敵に方向が分かるぐらいで、ガイドとなるエフェクトなどもない。しかも敵機は普通に壁の向こうにも行けてしまうので、敵機を追いかけていたら突然自分だけが見えない壁にぶつかって動きが止まってしまい安全地帯の敵から一方的に撃たれてイライラするというようなことが割と頻繁に発生した。


敵の識別がしにくい

PS2時代のグラフィックと言うこともあって、戦闘中は敵機体の識別がしにくく、ロックオンの切り替えも便利とは言えない仕様。そのため、宇宙ステージで敵に暗めの色の機体が多かったりするとどれがボスでどれがザコかわからず、ボスにロックオンが出来ずあたふたしているうちに集中砲火を浴びていたなんてこともある。画面に敵のキャラ名が出たりしないのはリアルと言えばリアルだが、ロックオン時に機体番号ぐらい表示させても良かったのではないか。



総評

改めて評価をもう一度。

作品評価:70点


映像はPS2としては綺麗、操作もスピード感があって概ね快適。何よりも宇宙世紀を(ほとんど)網羅し、F90やデンドロビウムなどにも乗れる珍しいゲームでした。今となってはさすがに古臭さやいくつか気になる点もありますが、珍しいシステムや機体を擁し今でも名作と言われることも納得のゲーム。


中古であれば1000円前後で買えると思うので、ブックオフなどで見かけたら試しにプレイしてみるのもいいと思います。一番のハードルはPS2を持っているかどうかというところでしょうか。