ゆめろぐ

ゆめろぐ

仕事・趣味・生活について書き連ねていく雑記ブログです。

「ファンタジスタ」(おすすめサッカー漫画のレビュー&名台詞)




ファンタジスタ/草場道輝


(画像クリックするとAmazonのサイトにジャンプします。)

【あらすじ/概要】

「優れた技術を生かし意外性のあるプレーを行うサッカー選手」を意味する[1]、ファンタジスタに焦点を当てた作品。離島で生まれ育ち一人で技術を磨いていた主人公の少年が卓越したボールテクニックを生かして、高校サッカーを経てU-18代表に選ばれた後に、単身イタリアに留学。U-18代表時代のチームメイトらと共に五輪代表としてオリンピックの舞台で活躍するまでを描いた、正統的なサッカー漫画[2]。『週刊少年サンデー』(小学館)にて1999年35号から2004年14号まで全222話が連載された。単行本は全25巻、文庫版は全13巻。2014年6月より単行本の復刻版が発売。
『週刊少年サンデー』2012年45号から2015年38号までは、サッカー日本代表の本田圭佑を原案として迎え、前作から8年ぶりとなる続編、『ファンタジスタ ステラ』を連載した[3]。

ファンタジスタ (漫画) - Wikipedia

【基本情報】

作者: 草場道輝
雑誌: 週刊少年サンデー
連載: 完結済
巻数: 25巻(単行本)
    13巻(文庫本)
続編: ファンタジスタ ステラ
「ファンタジスタ ステラ」(おすすめサッカー漫画のレビュー&名台詞) - ゆめろぐ




【データ】

国内☆☆★★★★★★★★海外  *1
現実☆☆☆☆☆☆☆★★★奇抜  *2
クラブ☆☆☆☆☆★★★★★代表  *3
戦術☆☆☆☆☆☆★★★★個人  *4

※個人の感覚です。


【こんな人におすすめ】

・サッカーウンチクや往年の名選手、戦術論などを語るのが好きな人。
・サッカーのお勉強も併せてしたい人。
・強いイタリア・セリエAが好きな人。
・デル・ピエロ、ロベルト・バッジオのようにファンタジー溢れるプレーをする選手が好きな人。


【レビュー】

タイトルでもあるファンタジスタの主人公てっぺいの成長を描いた王道サッカー漫画。
読んでいると主人公てっぺいの成長と共に自分もサッカーに詳しくなっていく(気がする)漫画であり、戦術論やサッカーウンチクが好きな人ほど琴線に触れるのではないでしょうか。

タイトルのイメージとは裏腹に、派手さよりも堅実なサッカー理論やフォーメーション・戦略などを主軸とする正統派サッカー漫画です。
基本的にシュートで木をへし折ったり人を吹き飛ばしたりする人物は登場せず、上記のサッカー理論もあってかなり現実的な路線であると言えるでしょう。
そんな現実的な作風やシステム化された現代サッカーの中で、感覚でプレーするファンタジスタである主人公やライバルがどのように自分を活かしていくかという点も読みどころのあるポイントの一つとなっています。

魅力的なライバルも多く登場し、高校サッカーで敵同士だったキャラクター達と日本代表のチームメイトとして五輪代表に挑むなど、ライバル達の成長も楽しめるのは長編サッカー漫画の醍醐味ですね。

また基本的にイタリアマンセーな作品であり、主人公てっぺいが海外挑戦する先であり、後半の舞台となるのもイタリアとなります。
セリエAが世界最高峰リーグとして時代の先頭を走っていた「強いイタリア」時代を懐かしむのもいいのではないでしょうか。






※以降ネタバレも含まれるので注意。

【忘れられない名台詞】

勝とうと思わなければ、
強くはなれない!!

 
水本高校3年 福田正史 (単行本2巻)

強豪校天神高校との練習試合で、完敗ムードの中一人気迫のこもったプレーを見せる福田にチームメイトたちは気力を取り戻していきます。
正直言って脇役ではあるものの、ボロボロになりながら各上の相手に食らいつきライン際のボールを取りに行く姿は、序盤の名場面の一つです。


1点を守りきって勝つことよりも・・・
4-5で攻めきって負ける、常に攻撃的なサッカーをめざす。

 
ユース日本代表監督 ヨハン・ファン・ハーレン (単行本5巻)

もとはクライフの言葉。
これは人それぞれだと思います。負けても攻めるサッカー(Jリーグなら川崎やG大阪など)が好きな人もいるし、きっちり守備を固めて戦うサッカー(Jリーグなら横浜FMなど)が好きな人もいます。


オレ達すべてがヤツのリズムに引き込まれている・・・
ヤツ独特のリズムが・・・
時間と空間、全てを支配した!!

 
メキシコ代表メンバー (単行本8巻)

「あの感覚」が初めて発動した瞬間!
てっぺいが初めてファンタジスタとしての能力の片鱗を見せた試合です。


ボールに込めるのは、
勝ちたいと思う意志だ!!

 
てっぺい (単行本10巻)

イタリア戦のハーフタイムのロッカールームで。
ポジションを守りたいとか、スカウトにアピールしたいとかではなく、まずチームとして勝つことを第一に考えるべきであることを全員が再認識した場面です。


脳裏に沸き立つほんの少し先の絵(イメージ)・・・
この絵をオレは見たかった!!

 
てっぺい (単行本11巻)

イタリア戦の追撃弾のシーンで。
この漫画でファンタジスタといえば、脳裏に描いた数秒先のイメージをピッチに実現させることで、空間と時間を支配して見るもの全てを魅了してしまう存在となります。


勝つためだ!!
 
ユース日本代表 近藤敦(単行本11巻)

同じくイタリア戦の同点となる決定機のシーンで。
トップ下のポジションを争い反目しあっていたてっぺいに"パスを出させられた"ことが認められない近藤でしたが、どっちがどっちに合わせる・どっちが上でどっちが下ということではなく、勝利のためにてっぺいをパスを出す。


神が愛でし、神が宿した才能を・・・・・
その双眸に焼き付けろ!!
ジャポネーゼ!!

 
これが、マルコ・クオーレだ!!
 
ユースイタリア代表監督 ヴァレリオ・ジャンニーニ(単行本11巻)

「イタリアの恋人」マルコの圧倒的センスを見せつけられたシーンで。
マルコはシリーズ通してのてっぺいのライバルとなります。

この作者さんの描く圧倒的才能を持つライバルキャラクターはみんないいキャラです。(ロストマンのシンプソンとか)
ちなみに作者インタビューによれば、この回は漫画の神様が下りてきていたんだとか。


プラティニにティガナ・・・
ジーコにソクラテス・・・
クライフにニースケンス・・・
優れた司令塔にはそれに匹敵する偉大な副官がいた!!

 
日本にあってイタリアにない存在。
森川がからんだこのプレー、絶対にチャンスになる!!

 
スポーツライター 吉村寅太郎(単行本11巻)

この作品の楽しみどころの一つでもある吉村さんのサッカー講釈。
イタリア戦のラストシーンで。
司令塔の近藤と、当初はトップ下のポジションを争っていながらボランチとしての真価を発揮しだした森川との連携でてっぺいまで決定的なパスを届けます。

個人的には森川がこの作品一番の良キャラだと思ってます。


さあ、献上したまえ・・・
凡庸なパスを!!

 
僕が価値あるゴールに変えてみせよう!!
 
ACミランプリマヴェーラ サルバトーレ(トト)・ビアンキ(単行本17巻)

イタリア編で。
通称「味方殺しのトト」の態度や守備・パスをしないプレースタイルに不信感を持つてっぺいやチームメイトでしたが、トトは圧倒的なストライカーの能力を見せつけます。
ザ・ストライカーのトトは見ていて一番楽しいキャラクターです。
その後のゴールパフォーマンスでの「さぁ、我を称えよ!!」も彼のキャラを表していていい感じです。

ちなみに塀内夏子さんのサッカー漫画「Jドリーム」にもイタリア代表で同名のキャラが登場します(Jドリームが先)が、イタリア人にありがちな名前なんでしょうか。


勝負を分かつ分岐点だ・・・
さあ・・・・・

 
選択しろ!!
 
ACミランプリマヴェーラ監督 ヴァレンティノ・ダミアーニ(単行本20巻)

ACミラントップチームとの試合にて。
キャプテンのファルコーニが勝負のかかったシーンでパスの相手として選択するのは、憔悴して疲れ切ったてっぺいか、とびぬけた点取り屋の能力を持ちながらもその態度から認めることができなかったトトか。

この後のトトの「ずいぶん、待たせてくれたな。」というセリフも表情も最高です。



見たかファン・ハーレン・・・・・
これが、僕のサッカーだ!!

 
五輪日本代表 沖田薫(単行本21巻)

セネガルとの壮行試合で。
ライバル視ししていたてっぺいにスタメンを奪われた沖田が、ラスト10分でてっぺいと交代し自らの特技であるドリブルで見事ゴールを決めたシーンです。

トトといい沖田といい、周りに流されずに自分のプレースタイルを貫き続けるキャラクターが僕は大好きです。


また・・・・・サッカーができるって言われたんだ・・・
こんなに・・・うれしいことはない・・・・・

 
五輪日本代表 沖田薫(単行本24巻)

また沖田です。
足の怪我で決勝に出場できるかどうかの診断が終わったところ。
純粋にいい言葉です。

アスリートに怪我は付き物ですが、それを乗り越えてまたボールが蹴れる喜びを純粋に感じているいいシーンです。


極上の虹
 
五輪決勝戦 実況(単行本25巻)

イタリアのファンタジスタ、マルコがまたしても圧倒的な才能を見せつけるシーン。
自陣から蹴ったクリアボールがたまたま相手ゴールに入ってしまうことは、実際にも時々ありますが、それを狙って蹴っているのはすごいです。


続けたまえ!
いつかは旗が上がらない時がくる!

 
五輪イタリア代表 サルバトーレ(トト)・ビアンキ(単行本25巻)

日本DF陣にオフサイドを取られた直後にパスの出し手であるマルコに向けて言った言葉。
旗が上がらない時=オフサイドじゃない=決定的チャンスです。
一説にはトトのモデルはインザーギ(元イタリア代表・現在は指導者)と言われていますが、とてもストライカーらしいセリフです。
トトの名台詞だけで1記事になりそうなくらい、まだまだいいセリフがあるキャラクターです。



さいごに

キャプ翼やシュートのように必殺シュートなどの派手な演出はないですが、サッカー好きにはたまらない要素がふんだんに取り込まれた作品です。日本代表の本田圭佑選手が実名登場する続編も併せておススメです。


【続編です】
www.yumekichi-blog.com

【あわせておすすめ】
www.yumekichi-blog.com
www.yumekichi-blog.com

*1:①「国内/海外」はJリーグなどの国内がメインか、海外リーグがメインかを表します。

*2:②「現実/奇抜」は現実的な表現を多用するか、漫画ならではの奇抜な展開が多いかを表します。

*3:③「クラブ/代表」はクラブチームや部活チームがおおいか、日本代表などの代表戦が多いかを表します。

*4:④「戦術/個人」は試合の中で戦術的な要素が多いか、個人技的な要素が強いかを表します。