Nintendo Switch用ソフト『スーパーマリオRPG』をプレイした感想です。
本作は同名のSFC用ソフトのリメイク。名作と名高いSFC時代の作品が20年以上の時を越えて最新ハードで蘇ったことは発表時からかなり話題になっていました。僕もSFC版をリアルタイムでかなり遊んでいたので、非常に楽しみにしていたリメイクでした。
目次
『スーパーマリオRPG』製品概要
機種:Switch
発売:2023年11月17日
ジャンル:アクションRPG
作品評価:85点
【プレイ時間】
ストーリークリア:15時間
隠しボス撃破 :16時間
1996年3月9日にスーパーファミコン用のソフトとして発売された『スーパーマリオRPG』のリメイク作品。タイトルはリメイク前後で同じ。
原作は(当時の)マリオ作品としては異色のRPGとして、任天堂とスクウェアの夢のコラボにより開発された作品。アクションとRPGを融合しRPG初心者でも遊びやすいゲームデザイン、美麗なドットグラフィック、魅力的なキャラクターと世界観で非常に評価の高かった作品。過去からリメイクを希望する声も多かった作品を27年以上の時を越えてSwitch用にリメイク。グラフィックは最新ハードに合わせてさらに美しく一新され、より遊びやすくする新要素が追加されている。
作品の特徴や良かった点
全体通しての感想
やっぱり面白い!!
元々SFCの原作の方も「神ゲー」という印象がある作品でしたが、リメイクの方もその面白さはしっかりと引き継がれていました。思い出補正も多分にあるとは思っていましたが、それを考慮してもRPGとしてもマリオのキャラゲーとしても完成度は高い作品だと思います。また、随所にちりばめられた小ネタ要素はリメイクでも健在で、プレイ中ずっとプレイヤーを楽しませようという作り手の気概が伝わて来る作品です。
原作の時点でもドットながらかなり美麗なグラフィックを誇って今したが、本作では最新ハードであるSwitchに合わせてビジュアル面は全面的にパワーアップしています。また、ストーリー内に要所要所でムービーも差し入れられるようになりました。
また、ゲームシステムもリメイクにあたっていくつかの追加要素があり、かなり遊びやすくなったと思います。そもそもCMでパックンフラワー達が歌っていたようにRPG初心者でも楽しめるような難易度に設計されていました。そこにさらにプレイヤーに親切な要素が追加されているので、ゲームとしての難易度はかなり簡単だと思います。
細かい感想やポイントは次項から。
リメイクというよりはリマスターな印象
リメイクにあたって様々な追加要素が加えられてはいるものの、基本的なゲームシステムやシナリオ・ボリューム等については原作からの大きな変更はありません。一応クリア後の追加要素もありますが、「追加シナリオ」というほどでもないオマケ程度の内容になっています。
そのため、言葉の正確な定義はわかっていないですが、本作は「リメイク」というよりは「リマスター」に近い印象がありました。詳細は後述しますが特にボリューム面がSFC作品当時のままのため、2023年の今となってはやはり物足りなく感じてしまいます。
RPG+アクション
本作はRPGにマリオ本来のアクション要素がうまくミックスされているのが大きな特徴。
マップでの移動はマリオお馴染みのジャンプを駆使して進んでいくアクション色の強いものになっています。また、バトルにおいてもタイミング良くボタンを押すことで攻撃のダメージをアップさせたり敵の攻撃をガードしたりすることができます。このあたりはアクションゲームのマリオには慣れ親しんでいるけどRPGはあまり経験がないという所謂「マリオから入ったプレイヤー」でも楽しめるようにという設計がされていると思います。
アクション要素はしっかりと極めていこうとするとかなり歯ごたえがあり、特にタイミングよくボタンを押して敵の攻撃を防ぐジャストガードはしっかりマスターしないと隠しボスには太刀打ちができなかったりします。
魅力的なキャラクター
魅力的なオリジナルキャラクターも本作の特徴。
本作ではクッパとピーチはパーティメンバーとして捜査することができますが、マリオシリーズではお馴染みのルイージやヨッシーはパーティには参加せず(ヨッシーには他の出番があるけどルイージについては冷遇レベル…)。その代わりにマロ・ジーノという本作オリジナルのキャラクターと共に旅をすることになります。また、ラスボスを含めたボスキャラクターも大半が本作のオリジナルキャラクターになっており、「マリオ」という作品の雰囲気を保ったままで本作の世界観をしっかりと彩っているように思います。
特にパーティメンバーのマロ・ジーノあたりは非常に魅力的で人気もあり、他作品で見ることができない残念なくらいです。
#スーパーマリオRPG #SuperMarioRPG #NintendoSwitch
— ゆめきち (@yumekichi730) November 28, 2023
レベルアップ時のマロなんか癖になる。 pic.twitter.com/cwI9JUeOSD
リメイクの追加要素
リメイクにあたって追加された主な新機能・要素は以下の通り。
- 難易度選択(より簡単なモードの追加)
- バトル中のアクションコマンドの重要度がアップ(ステータスアップや3人技等)
- ゲージをためて発動する3人技(キャラの組み合わせで変化)
- バトル中にメンバー変更が可能
- 地図からのファストトラベルが可能
- 取り返しのつかない要素に救済措置が入った
- クリア後の追加ボスと追加アイテム
他にもモンスター図鑑やサウンドプレイヤーなどもありますが、ゲームのプレイ感覚に影響がありそうなのは上記ぐらいかなと思います。基本的にはゲームプレイをより快適にするものが多く、ファストトラベルなどは原作では届かなかったかゆいところに手が届くようになった良改変だと思います。取り返しのつかない要素で有名なのはやはり最序盤のキノコ城の隠し宝箱。一発勝負な上に知らないと絶対に取れない宝箱がありましたが、この辺もちゃんと後から回収できるようになっています。
全体的により遊びやすく、より「今風に」なったという感じですね。逆に言えば前の方で言った通り、シナリオ部分には変更や追加要素はありません。
ボリュームは薄い
本作発売後からネット上で言われている評価の中で、賛否の否にあたる部分で最も多いのがこのボリュームの問題かと思います。
今回色々と寄り道をしながらクリアして15時間、隠しボスをすべて倒してもプラス1時間でしたので、近年のフルプライスのゲームとしては確かにかなりボリュームは薄いと思います。原作をやっていたときはかなり盛沢山なゲームだという印象だったんですが、流石に平気で100時間以上遊べるゲームが珍しくもない現代においてはかなりあっさりとした内容に感じます。レベルも原作の頃と同じく上限は30のままなので、普通にプレイしてればラスボス前後でレベルカンストできました。
それぞれのこの辺は好みによるかと思います。サクッと良作を遊びたい人にはちょうどいいかもしれませんし、重厚なRPGをやりたい人には全然物足りないと思います。個人的にはやっぱりちょっと物足りないかなと思います。「あれ、もう終わっちゃった」って感じが強かったですね。せっかくのリメイクですし、追加エピソードみたいなものがあればさらに良リメイクと言われていたんじゃないかと思います。
クリア後について
原作ではエンディングのスタッフロールの後はそのまま画面がストップするためリセットするしかありませんでした(クリア後データのセーブ等なし)。しかしリメイク版本作ではエンディング後にクリアデータをセーブできるようになっています。クリアデータをロードするとラスボス撃破直前の状態でのリスタートになりますが、本作から追加された隠しボス達が解禁されます。隠しボスを撃破すると本作からの追加アイテム・装備が入手可能。これらの隠しボスはラスボスよりも数段手強くなっています。
最後の隠しボスを撃破すると本作でやることはほとんど終了。あとはモンスター図鑑を埋める(マロの「なにかんがえているの」も記録される)のとミニゲームをやりこむぐらいになります。
総評
改めて評価をもう一度。作品評価:85点
リメイクも思い出補正にたがわぬ名作だったと思います。十分に楽しめました。
ただ、やはり今となってはボリュームの薄さは気になる所。100時間以上普通にやり込めるゲームがあふれる今となっては、フルプライスのゲームとしてはちょっと物足りなさも感じてしまいます。いまのままでも十分に名作だとは思いますあが、リメイクにあたってその辺のボリュームアップ(追加シナリオとか)があったらより良かったという感じですね。