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Switch『ライブアライブ(リメイク)』感想。独自性の光る良作リメイク




Switch用ソフト『ライブアライブ』をプレイしました。
本作は元はスーファミの「知る人ぞ知る名作」といった感じの作品で、今回プレイしたのは最近HD-2Dでリメイクされたものになります。


  
 
目次

 
 
 

製品概要

LIVE A LIVE(ライブアライブ) -Switch
 
定価:7,480円(税込)
機種:Switch
発売:2022年7月22日発売
ジャンル:RPG
プレイ時間:38時間
作品評価:75点

プレイ時間は各種エンディングを1回ずつ見終わったところまで。

スクウェア・エニックスから発売されたRPG。元々は1994年9月2日にスーパーファミコン用のソフトとして発売(当時の発売元はスクウェア)されたものを、Switch用にHD-2D化して追加要素やボイスを加えたリメイク作品。


7人(+1人)の主人公がいることが大きな特徴で、それぞれ独立した7人の物語を好きな順番でプレイしていき、最終的には時代も場所も違う主人公達の物語が交わることでラストへと向かっていくという構成になっている。


LIVE A LIVE(ライブアライブ) -Switch

LIVE A LIVE(ライブアライブ) -Switch

  • スクウェア・エニックス
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作品の特徴や良かった点


8人の主人公を操作する唯一無二のゲームシステム

前述の通り、本作は7人の主人公の中から好きな順番で物語をプレイしていくようになっています。7人の主人公のストーリーは「原始編」「西部編」「功夫編」「幕末編」「現代編」「近未来編」「SF編」と、それぞれ時間も場所も異なる独立した短編のような内容になっています。それぞれのストーリーは、普通の王道RPGのような内容だったり、戦闘しかない格闘ゲームのような内容だったり、逆に戦闘はほぼないサウンドノベルのような内容だったりと、キャラクターや雰囲気のみならずゲームシステムもそれぞれ特徴のあるもの。プレイ時間はそれぞれ30分~3時間程度(主人公毎にややボリューム差がある)。


7つのストーリーをクリアすると新たに「中世編」が登場。中世編もクリアするとそれぞれバラバラだった8人の物語が交錯していく「最終編」に突入していき、最終編では8人の中から操作キャラクターを選んで進めていき、選んだキャラクターによって展開やセリフ等が変わっていくといった構成になっています。


やっぱりライブアライブの一番の特徴と言えばこの複数主人公のシステム。他のゲームでも複数の主人公から選んで攻略するようなものは多くありますが、本作ではそれぞれの主人公のいる世界観がかなり異なっていて、キャラによっては別のゲームといってもいいぐらいシステムも異なる内容になっているのが印象的でした。そしてそれぞれのキャラクターが最後一堂に会してラスボスに挑むというのはある意味ベタな展開かもしれないですがやっぱりアツい展開です(プレイヤーとしてはそれぞれの話で育てた状態のキャラクターが集合するというのも嬉しい)。



ちなみに各キャラクターはそれぞれ『名探偵コナン』の青山剛昌氏や『おぼっちゃまくん』の小林よりのり氏等の大物有名漫画家がキャラデザインを手掛けています。が、権利等の問題からかリメイクの本作ではキャラクターのイラストはすべて一新して統一されており、各漫画家の先生の要素はクレジットのキャラデザインの項目で名前を見ることができる程度になっています。例えばゲーム中の会話時のウインドウやステータス画面に各先生方によるキャラクターの顔グラフィックが出てきたりしたら面白かったと思いますが、多分色々と難しかったんだろうと思います。



ドット絵ながら古さを感じさせないグラフィック

本作のビジュアルはリメイクにあたってHD-2D(ドット絵と3DCGの融合手法)で一新されていて、ドット表現ながら一切古臭さを感じさせない綺麗なビジュアルになっています。温かみのあるドット絵表現と、今風を感じさせる派手なエフェクトが見事にマッチしていたとも思います。
 
ドット時代のゲーム作品をリメイク・リマスターする際には必ずぶち当たる問題だと思いますが、原作の画面をそのまま持って来たら古臭い(ただの移植になる)けど、3Dで作り直したら良くも悪くも別物になってしまう(FF7Rみたいな)。その間のちょうどいい所を取っていて、ドット時代の名作レトロゲームのリメイクの最適解なんじゃないかと思います。他の名作達のリメイクにも非常に期待が持てるビジュアルになっていたと思いました。




独特な戦闘システム

本作はRPGであるものの、戦闘は7×7マスのエリア内を移動しながら戦うシミュレーションゲームのようなシステムになっています。当然、キャラクターの技にも射程や範囲などがあり、状況や敵配置などに応じた戦略性が求められる戦闘となっています。


これにより通常の雑魚戦でもあまりマンネリ化することなく楽しむことができると思いますが、一回一回の戦闘がやや冗長になってレベル上げ時等はダルく感じる部分もあるかも。




BGMが良い

本作はBGMも全体的に良く、その時々の状況やキャラクターの心情を上手く表したものになっていたと思います。個人的には特に中世編のBGMが良かったです。
そして各編のボスで流れるBGM「MEGALOMANIA」はやっぱり名曲(リメイク前から名曲として名高かった)。耳に残るというかずっと聞いていられる神曲でした。


あとはあるエンディングでの曲が画面に映っている主人公によって曲調が変わる(西部編の主人公だと口笛になるとか)のが非常に良かった。エンディングの感動や達成感をより引き立たせてくれていたと思います。




気になる点・残念な点

戦闘のテンポがやや悪い

前述の通りRPGとしては独特な戦闘システムで飽きさせないようにはなっていますが、その分1回の戦闘に時間がかかってやや冗長に感じました。特にこちらが行動を使用とすると敵の行動がどんどん割り込んでくるのは繰り返し戦闘をしていく中ではストレスに感じがちなポイント。戦闘中の演出もしっかりしていていいのですが飛ばせないので、そこも長い時間プレイすればするほどテンポの悪さに感じてしまいました。


戦闘システム自体がダメと言うわけではないので、最近のゲームでは良くありそうな戦闘演出のスキップや倍速戦闘等があったらより快適にプレイ出来たのではないかと思いました。



ボイスと名前変更システムの相性が最悪

本作はリメイクにあたってキャラクターにボイスが付き、イベントシーンなどではほぼフルボイスになっています。
しかしながら本作では各主人公の名前を自由に決めることができるため、その点とフルボイスとの相性が抜群に悪かったです。キャラの名前の部分は言い換える(「あなた」「そなた」等)などして上手くやってはいたものの、一部では名前の部分だけ沈黙して突然「というお名前なのですね」みたいなボイスが入る不自然な部分も。


有名なセリフである「あの世で俺にわび続けろオルステッドーーーーッ!!!!」も名前の部分は言わないので画面との齟齬があって違和感。せっかく各声優さんの演技も良かったので、あまり必要性の感じない名前変更は捨てて、名前固定でフルボイスにしてくれた方が個人的にはより物語に没入できたんじゃないかと思います。




 
 

中世編について(ネタバレあり)

以下、中世編についてがっつりネタバレ有りなので注意。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
本作のキモともいえる中世編。王道中の王道RPGの展開の中、まさかの主人公オルステッドの闇落ちで幕を閉じるという衝撃展開でした(一応事前にだいたいの流れは知ってましたが)。
ラストに至るまでの流れはむしろ捻りが無さすぎると感じるぐらいの王道RPG展開だったので、本当に初見だった人はより衝撃だったんじゃないかと思います。そういった部分で王道を打ち砕くアンチRPGな感じの展開は非常に印象的で良かったです。オルステッドは昔のRPGにありがちな所謂「喋らない主人公」なので感情移入もしやすいですが、だからこそ魔王となっていく中で突然自分の言葉で喋り出す演出はプレイヤーに「何か別の存在になってしまった」「思っていたRPGとは違うものになった」と言う印象を強く与えているのかも。個人的にはラストの闇落ち展開も含めオルステッドに結構感情移入してしまっていたため、1回目の最終編の主人公はオルステッドでプレイしました。


また、スクウェア三大悪女とも名高いヒロインのアリシアについては、思っていたよりも同情の余地があるというか、そもそもそんな役割で配置されたためか(多分意図的に)個人としての人格が非常に薄いキャラだったため、あまり悪女感は感じなかったです。メインキャラなのに名前付きモブみたいな扱いというか、「魔王にさらわれて勇者の助けをまつ姫」という記号としか扱われていないというか。ヨヨとどっちが悪女?と聞かれたらやっぱヨヨの方かな(笑)。

 
 

エンディングの種類(ネタバレあり)

本作は最終編で選択したキャラクターや行動で複数のエンディングが用意されています。また、エンディングを見た後にクリアデータセーブして再開すると最終編を含めたシナリオ選択から始めることができるので、複数エンディングの回収も比較的楽でした。とりあえず各エンディングを最低1回ずつみたのでそのメモです(全キャラでは見ていないですが、現状全キャラでエンディングを見ることによるご褒美や追加要素は無い模様)。
 
【プレイ時間のメモ】
原始編 : 3:45
功夫編 : 6:40
現代編 : 7:15
西部編 : 8:20
近未来編:12:40
SF編 :15:40
幕末編 :18:40
中世編 :23:40
真エンド:38:10


以下、各エンディングについてがっつりネタバレ有りなので注意。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1.SAD END
条件:最終編をオルステッドでクリア。
内容:最初に見たエンディング。魔王オディオで各編のラスボスを操って他の7人の主人公達を倒していく。エンディングでは誰もいなくなった世界を一人歩くオルステッド。


2.ハルマゲドン
条件:オルステッドを選び戦闘中にゲージが赤くなったら使えるようになるハルマゲドンを使用/オルステッド以外の主人公でラスボス戦で敗北。
内容:すべての時代・世界が爆発に巻き込まれて消滅する。どちらの条件でも内容は同じ。エンディング後はタイトルに戻りセーブはされない。


3.NEVER END
条件:ピュアオディオに勝利し、トドメを刺す。
内容:オルステッドにトドメを刺し、やりきれない思いを口にする主人公。暗く物悲しいエンディング。



4.通常エンド
条件:ピュアオディオに勝利し、トドメを刺さない。(主人公全員を仲間にしていない場合)
内容:オルステッドにはトドメを刺ささず、復活した各編のラスボスと再戦。「覚えておくがいい・・・誰しもが魔王になりえる事を・・・『憎しみ』がある限り・・・いつの世も・・・」と言い残して消えていくオルステッド。主人公たちはそれぞれの世界に帰っていく。



5.真エンド
条件:ピュアオディオに勝利し、トドメを刺さない。(主人公全員を一度は仲間にした場合)
内容:オルステッドにはトドメを刺ささず、7人全員が復活した各編のラスボスと再戦。その後、真のラスボスであるSinオディオとの戦闘になる。序盤は4人のメンバーで戦うが、Sinオディオの攻撃で戦闘不能になってしまう。そこに残り3人の主人公が駆けつけて戦闘を継続。最後は7人全員での戦闘になるがSinオディオの底力の前に全員が戦闘不能に。その時、オルステッドが自分を取り戻しSinオディオの中から脱出。8人目の主人公としてSinオディオにトドメを刺す。そしてオルステッドは主人公達に諭され、通常エンドと同じ言葉(でも違う意味に聞こえるのは見事な演出)を残して消えていく。主人公たちは納得を持ってそれぞれの世界に帰っていく。エンディングではそれぞれの世界に帰った後の姿も見ることができる。オルステッドにも多少の救いがあり、まさに真のエンディングといった内容。
 
 
 

 
 
 
 

総評

改めて評価をもう一度。

作品評価:75点



今になって遊んでみると色々と荒い部分もありますが、独自性の高いストーリーとゲームシステム、HD-2Dで綺麗に生まれ変わったビジュアル、ハイクオリティのBGMなど、今でも十分に良作として通用する出来の作品だったのではないかと思います。また、個人的には真エンディングの展開の熱さとエンディングまでの流れは非常によく、それだけで本作全体の評価を少し上げていると感じました。


一応すべてのエンディングは見たものの、まだ全キャラでは見ていないので少し時間を空けてまた周回プレイをしたいと思います。





LIVE A LIVE(ライブアライブ) -Switch

LIVE A LIVE(ライブアライブ) -Switch

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