ゆめろぐ

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VR『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』感想。ガンダムゲームの新時代を期待させる新体験!!




2024年10月4日にリリースされたばかりのVR映像作品『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』の感想です。


本作ではガンダムシリーズでも珍しい(というか初の)MetaQuest専用のVR作品です。
「VR映像作品」と書かれていたので映画のように映像を見る作品かなと思っていたのですが、プレイヤーが実際に操作をするゲームパートもあり、映画とゲームの中間といった感じの作品でした。単純な感想としては、これまでになかった新鮮な作品として非常に楽しめました。まだまだVRゲームは黎明期ということで、ゲームとしての荒い部分や細かい不満点などもありますが、ガンダムゲーム新時代の到来を期待させる意欲的な作品だったと思います。


以下、一部本作のネタバレを含んでいますので予めご了承ください。



目次

 
 
 

製品概要

【Amazon.co.jp限定】『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』主題歌&オリジナルサウンドトラック (音楽:池田善哉) (通常盤) (CD) (メガジャケ付)
 

定価:2,800円(税込)
機種:Meta Quest 2、Meta Quest 3、Meta Quest 3S
発売:2024年10月4日発売
ジャンル:SF、アクション、映画
プレイ時間:2時間ぐらい
作品評価:80点

VR専用の映像作品。
ハードはMeta Quest系専用になっており、2024年10月現在の時点ではスマートフォンやPSVR等での購入は不可能。
 
「ストーリーモード」では映画のように映像を鑑賞するパートと、プレイヤーが実際に操作をするゲームパートで構成されている。ストーリーは本作のオリジナルで、プレイヤーは一人のパイロットとなって宇宙世紀の世界に没入して巻き起こる戦いに参加する。ストーリーモードの尺としては通して大体2時間弱前後で、映画1本分ぐらいのボリュームとなっている。


他にはオマケのコンテンツとして「MRバトル」と「MRギャラリー」が用意されている。




作品の特徴や感想など

本作の特徴や気になるポイントなどを。


宇宙世紀を舞台にしたオリジナルストーリー

舞台は宇宙世紀0096年。主人公は連邦にもジオンにも属さない傭兵組織アージェント・キールに属するパイロット。連邦からジオンと内通する連邦高官の暗殺を依頼されたアージェント・キールだったが、突如連邦軍部隊の襲撃を受ける・・・。といったストーリー。主人公はヘルメットのバイザーによって顔が見えないですが、ボイスはあって普通に会話をするキャラクター。また、主人公は男性と女性から選択が可能になっています(ボディタイプを変えても音声タイプも変えないと、女性の身体だけど男性ボイスのままとかになるので注意)。


主人公の属するアージェント・キールはどの組織にも属さず連邦やジオンの脱走兵等で構成された独立部隊。そのため、主人公のデルタザイン(デルタプラスの改修機)や相棒機のヤクト・ヴァイゼ(ヤクト・ドーガの改修機)の他、ザクやジム等両軍のMSが入り混じっています。独立傭兵部隊というのは「多少無理ある設定かな?」とも思いましたが、グリプス戦役や第一次・第二次ネオジオン抗争の後の混乱期かつ、アナハイムも裏で噛んでいると考えるとまあ無くは無い設定かなと思っています。アージェント・キールに属する機体はすべて銀色のカラーリングで統一されており、これも好みがわかれるかなとは思いますが、VR映像で見てみると非常に画面映えしてカッコいいです。主人公機のデルタザインも初見の時は「オリジナルの改修機はもうお腹いっぱい」と思っていましたが、プレイ後のいまとなっては普通にプラモ欲しいです(デルタザインは商品化決定済み)。


ストーリーは本作オリジナルですが、過去のシリーズ作品との関連が見える部分が結構多くあったりしてガンダム好きほど楽しめる要素がちりばめられているといった感じでした(ネタバレ部分は次項で)。




ガンダムの物語の中に没入できる演出(多少ネタバレあり)

ストーリーの軽いネタバレがあります。


本作のストーリーは前述の通り宇宙世紀0096年が舞台で、『逆襲のシャア』の数年後、『ガンダムUC』と同じ時期になっています。そして主人公は第二次ネオジオン抗争(シャアの反乱)には連邦のパイロットとして参加していたという設定があり、過去の回想シーンでなんとアクシズ押しに参加していることが判明します。連邦ジオン関係なくアクシズに集まってくるMS達、そしてその中心にいるνガンダム。それをVR視点でジェガンのコックピットから見ることができるというのは、古参のガンダムファンとしてはこの上なくテンションの上がる部分でした(というかもはやちょっと泣ける)。個人的には「νガンダムの横でアクシズ押しに参加できる」というだけでもお金を払った価値があったと思います。近くにボッシュとかユウとかイアゴ隊長とかいるのかなとか考えるのも楽しいですね。もう一回プレイするときは画面内に胸の青いジェガンがいないか探してみようかと思います。


また、宇宙世紀における宇宙の名所(?)ツアーになっているところも楽しいポイント。ストーリー開始時にコロニの真下を高速で通り抜ける演出から始まって、アムロ達に押し返されたアクシズ、グリプス戦役で二つに割れたゼダンの門(旧ア・バオア・クー)、そして発射されるグリプス2のコロニーレーザー等、ガンダムファンならテンションの上がる名所が沢山登場しています。VRということで360度見回せるようになっていますので、もう一度落ち着いて見直してみたら色々と出てくるんじゃないかと思います。


ストーリーもオリジナルではありますが、「ニュータイプ神話・ガンダム神話に振り回される人々」というところが主軸になっている所なんかは「しっかり宇宙世紀のガンダムをやってるな」という感じがしていて良かったと思います。


ちなみに本作のストーリーはなんとマルチエンド。最後のシーンの行動(QTEみたいな感じ)でエンディングの展開が変わります。確認できているのは3パターンですが、3種のエンディングを見てもメニュー画面のチャプター選択で最終と思われるチャプター18が解放されないのは謎。4つめの隠しストーリーがあるのか、ただのバグという説もあり、ここは発売直後ということで今後の情報に注目しておきたいと思います。



「ガンダム世界」を実感できるVR体験

そしてやはり何よりのポイントはガンダム世界を実感できるVR体験。
 
MSの操縦はもちろんですが、ゲームパートになって最初のVR操作が「艦内の移動」だったのが非常に刺さりました。ガンダム作品を見ている人であればお馴染みの「壁から出ているグリップみたいなのを握っての移動」です。まさかそんな細かい「ガンダムあるある」が用意されているとは思いませんでした。他にもMSデッキ内で吸盤のついたワイヤーみたいなのを射出して移動するとか、出撃時にカタパルトまで自分でMSを移動させるとか、「そうそうこーゆうのやりたかったの!!」といったVR体験がしっかり用意されていて初見プレイ時は終始テンション上がりっぱなしといった感じでした。発艦シーンでは「デルタザイン、行きます」って普通に声出たよね。また、この時期(宇宙世紀0096年)のMSということでコックピット内は全天周囲モニターなので360度全方向の景色を楽しめるのも良かったです(操作に慣れる前の戦闘シーンなんかではそんな余裕全く無いけど)。


そしてもちろんパイロットになりきってのMS操縦も。主人公機のデルタザインは可変気なので、勿論MS形態とウェイブライダー形態の両方を操作するパートがあります。MSの操作はかなり簡易で直感的。基本的には左右レバーの前後(コントローラーを前後する)と、指定のポイントに視線を向ける(MetaQuestにはプレイヤーの視線を感知する機能がある)の2種類になっています。ここは賛否の分かれる部分かなとは思いました。戦闘シーンでのプレイヤーの操作はコントローラーを前後するぐらい(右手は攻撃、左手は防御といった感じ)で、自分での移動や回避等もできないので、「MSを操縦している感覚」はやや薄いのが正直な所。外から見たらMSを操縦しているというよりはむしろリングフィットをやっているように見えるんじゃないかと思います。VRゲームもまだまだ黎明期でガンダム作品としてはほぼ1作目ということで、あまり複雑にしてもユーザが付いてこれないという懸念もあったと思いますので仕方ない部分はあるかと思います。この辺りの操作性や自由度なんかは今後の作品に期待したいところです。


ただ一点だけ、どうしても言わせてほしい最大にして唯一の不満点。それが、


トリガーを引かせてほしかった!!



前述の通り攻撃は右コントローラーを前に押し出すことで行われますが、そこはせっかくコントローラーにトリガーのようなボタンがあるのだからそこを使わせてほしかった。生身でデブリを除去するミニゲームではトリガーボタンで拳銃を撃っていたのでできないということは無かったと思います。

操作性が発展途上というのはまだ仕方ないと思いますが、MSを操作して攻撃している感覚があまりなかったのが非常に残念でした。



「MRギャラリー」と「MRバトル」

ストーリーモード以外にもオマケとして「MRギャラリー」と「MRバトル」が用意されています。確かストーリークリアで解放だったと思います。
「MR」は「Mixed Reality(複合現実)」の略で、現実世界と仮想世界を複合させるという意味のようです。「AR(拡張現実)」も同じような意味だったと思いますが違いは良くわかってません。「複合」の名の通り、実際の自分の部屋などをスキャンしてそこに実際にMSが現れたかのような感覚で遊べるコンテンツになっています。


「MRギャラリー」
MRギャラリーでは自分の部屋にMSのフィギュアを呼び出すことができ、そのフィギュアを特定の場所にセットしてポータルをくぐることでその機体の格納庫に入ることが可能です。本編に登場した機体以外にも、ガンダム、ジオング、νガンダム、サザビー、ユニコーン等、全19機から選択して様々な角度から等身大サイズのMSを様々な角度からじっくり鑑賞が可能です。


「MRバトル」
MRバトルは自分の部屋に穴が開いて、そこから侵入してくるMS達を撃退するというアクションゲーム。全10ステージ。こちらからの攻撃はMSのフィギュアを手に持って、敵に向けることでフィギュアが射撃や格闘などを行うという方式。つまりは「子供の頃にやったガンプラでのブンドドがそのままゲームになった」といった感じのもの。あえて「MSを手に持ってそれで攻撃」というスタイルにしたのは非常に面白かったと思います。敵の攻撃をよけるにはかなりプレイヤー自身も動く必要があり、全クリする頃には汗だくになってました(特にサザビーのファンネル等のオールレンジ攻撃の恐ろしさが良くわかった笑)。ストーリーモードの演出などもそうでしたが、「開発者はガンダムファンわかってるな」と思わせる要素が多々あるのがとても良かったです。




総評

 
面白かった!!
めっちゃ興奮してテンション上がった!!
続編出してほしい!!他の作品もどんどん出してほしい!!

というのがストレートな感想です。VRゲームとしてまだまだな部分も勿論沢山ありますが、「ガンダムゲームとVRとの出会い」と「ガンダムゲームの新時代を期待させる」という意味では十分に大満足な内容だったと思います。


ネットの評価では賛否分かれるところもあり、特に設定やMSの部分で色々と言われているみたいですが、設定とかそんなことどうでもいい。これアトラクションなのよ。ガンダム世界体験型アトラクションなの。そこで「設定ガー」とかいうのはディズニーのスターツアーズで「スターウォーズの設定と矛盾が~」とか言っちゃってるくらい野暮い。んなこといいからとにかくみんな買ってくれ。せめて買ってから好き放題文句言ってくれ。そしたらバンナムやらサンライズやらが味を占めてまた本作の続編とか新しいガンダムのVRゲーム作るかも知れないじゃないか。そこに凄く期待したい。そしていつか『戦場の絆』を家庭用VRゲームとして出してほしい。マジで頼む。絆2じゃなくて絆1で。絆1のどのREVでもいいから、絆1再現無理だったらバトオペベースでインタフェースだけ絆っぽくしたゲームとかでもいいから。頼む。戦場の絆復活を頼む!!


最後は心の叫びで締めさせていただきました。最後まで読んでいただきありがとうございました。