Switch用ソフト『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて S』をプレイしたのでその感想です。
何気に初のドラクエナンバリング作品でした(モンスターズ系はいくつかプレイ経験あり)が、王道ながら熱い展開と十分なボリュームでかなりがっつり楽しめる名作でした。さすがはドラクエシリーズといった感想です。
目次
『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて S』製品概要
機種:Nintendo Switch、PS4、Xbox One、Steam他
発売:2019年9月27日
ジャンル:RPG
作品評価:95点
【プレイ時間】
通常クリアまで:76時間
真のエンドまで:98時間
真の裏ボスまで:114時間
ドラクエのナンバリング11作目。オンライン前提だった前作の『Ⅹ』と違い、従来型の一人用RPGとなっている。
元々は2017年7月29日にPS4と3DSで『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて』(通称:無印・オリジナル等)として発売していたが、後にPS4番をベースに様々な追加要素を加えてタイトルに『S』を加えた本作が発売された。『S』の発売に際しては完全版商法や時限独占等で色々批判もあった模様だが、少なくとも今から新たにプレイする場合は無印版をやるメリットはあまりないため『S』版のプレイを推奨。
【『S』での主な追加点】
・キャラボイスが追加されてフルボイスに
・3Dモードと3DS版にあった2Dモードを切り替え可能
・オーケストラ版音源を追加
・各キャラごとの新シナリオを追加
・隠しボスの追加
・マップ上での便利な機能の追加 等
作品の特徴や良かった点
王道中の王道
「主人公は伝説の勇者の生まれ変わりであり、蘇った魔王を倒すために仲間とともに旅立つ」という王道中の王道のストーリー。まさにこれぞドラクエと言った感じで、逆にドラクエ以外のゲームがこの設定にしたら恥ずかしいんじゃないかとまで思える直球ど真ん中のストーリー。主人公をはじめ登場人物の一人一人にドラマがあり、とても気分が盛り上がる展開があったり、時に悲しいこともあったり、最後まで飽きることのない熱い物語が続いたという印象。だからか王道展開ではあっても、「古臭い」とか「どっかでみたような話」と思わせないのは凄い。クリア後は一昔前の名作映画を見終わった時のような、満足感もありつつも終わってしまうのが寂しいような、ずっとこのロトゼタシアの世界にいたいようなそんな感情になる。名作ゲームを表する時に「記憶を消してもう一度やりたい作品」と言うことがあるが、本作は「遊んだ思い出をずっと残しておきたい作品」という感じ。
主人公は昔ながらの所謂「喋らない主人公」(攻撃や魔法使用時の掛け声のボイスはあるけど)。個性が薄いのでプレイヤーの分身として感情移入はしやすいが、最新のリアルなグラフィックでのイベントシーンだとちょっと違和感あるかも(笑)
魅力的な仲間たち
ストーリーだけではなく、一人ひとり魅力的な要素をもった仲間たちも本作を名作としている要因の一つ。パーティメンバーは最終的にそれなりに多くなるが、物語終盤にくるころにはキャラクターひとりひとりに思い入れがあって、愛着的にも能力的にもベンチ要員というか死にキャラが出にくいようになっているのも素晴らしい所。Switch版では物語中盤でのパーティキャラクターそれぞれの個別シナリオが追加されていて、より感情移入がしやすくなっている。
個人的にはやっぱり最初から最後まで相棒でありつづけたカミュと、色々あって様々なものが入り混じった感情のあるベロニカが好き。
大満足のボリューム
ゲームのボリュームもがっつり楽しめる満足の大ボリューム。
まず通常のクリアまでに76時間ほど、最終的には100時間以上のプレイ時間となったが、単体のRPG作品としてはかなり長く楽しめるほうではないだろうか。クエストや冒険の書を進めたりカジノにいったりかなりのんびり進めたので、速足で進めれば通常クリアまでは50時間程度で行けるぐらい。
隠しボスや試練等は最大のレベル99まで上げても簡単には勝てないので、強い装備を集めたり種を収集してステータスを上げたりとクリア後にやり込む要素は多い。個人的にはドラクエの種集めははじめての経験だったが、気が付いたら平気で数時間単位で同じ敵を狩り続けていた(笑)。その分、最強の隠し裏ボスを撃破したときの達成感はひとしお。
ストーリーをクリアするだけなら難易度はそこまで高くなく、戦闘速度を高速・超高速にする機能があったり、3Dモードであれば無駄なバトルを避けてサクサク進めていくことも可能。さくっとストーリーを楽しむのもよし。全キャラ全ステータスをカンストするまで強化して、隠しボスを最短何ターンで倒せるかにチャレンジするのも良し。ライト層もヘビー層もどちらもしっかり楽しめるような仕上がりになっている。
最新の3Dか、懐かしの2Dか
前述の通りSwitchの『S』版ではキャラや世界が3Dモードで描かれた今風のゲームか、SFC時代のような懐かしのドット絵で描かれた2Dモードかを選んでプレイできる。実質2つのゲームが入っているとも言えなくもない。プレイ途中での切り替えも可能だが、いつでもどのタイミングでも自由にスイッチできるわけではなく特定の時点までストーリーが巻き戻ってしまうなどの制約があるため、最初にどちらのモードでやるかを決めてからそのプレイではエンディングまでそのままで進めることを推奨(1周目3Dにして2周目2Dにするとか)。ちなみに今回はせっかくの最新作なので3Dモードでやった。
3Dモードの映像はさすがに綺麗だし、キャラクターもモンスターも色々動きがあって戦闘も楽しい。リアルな映像ながらどこか可愛らしさののこるデザインはさすがドラクエと言った感じ。一応PS4版よりは画質は落ちているようだが、Switch初見プレイでは全く気にならなかった。
ネタバレあり感想
ここから先はストーリー終盤の展開に関する重大なネタバレがありますのでご注意ください。
やっぱり一番衝撃的だったのはベロニカの途中離脱。スキルパネルがセーニャに引き継がれて一人分になったのも、「ストーリー上ではベロニカはもう復帰しない」ということを示しているようで悲しかった。間違いなく本作一番印象的だったところ。
次いで印象的だったのはそのあとのグレイグのサプライズ加入か。序盤から「実はいいヤツ」みたいな空気があったので、崩壊後に一緒に行動している時に「こいつ正式加入しないかな~」とか思っていたら本当に入ってきた。
そしてストーリークリアかと思った直後に訪れる過去に戻る追加シナリオと本当のラスボス。まさかエンディング後にタイトル回収が行われるとは思ってもいなかった。これは本当に熱い展開。追加シナリオなしでも物語としてまとまっていたしあれで終わっても評価が下がるようなことはなかったと思うけど、個人的にはこの展開を入れてくれて本当に良かった。過去に戻って最初にベロニカに会って「なんで泣きそうな顔してんのよ?」みないなことを言われた時にはプレイヤーみんな主人公と同じ顔をしてたんじゃないだろうか。8人揃って真のラストを迎えられて本当に良かった。
総評
改めて評価をもう一度。作品評価:95点
初のドラクエナンバリング作品でしたが、王道ながら熱い展開と十分なボリューム、感情移入しやすい魅力的なキャラクター達がおおく、かなりがっつり楽しめる神ゲーといっていい名作でした。普通に面白かったです。さすがはドラクエです。
せっかくなので今後他のナンバリング作品も遊んでみたいと思います。次はやっぱり評価の高い5あたりをやりたいです。