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PS5『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』感想。やり応え十分の神ゲーだが人は選ぶ




PS5用ソフト『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(アーマード・コア6 ファイアーズオブルビコン)をトロコンまでプレイした感想です。



10年ぶりの新作ということで発表時にネットではかなりの盛り上がりとなり、発売後もその難易度の高さで話題になっている作品です。僕自身はフロムゲーやアーマードコアシリーズはほぼ初見(昔にAC2をちょっとやった記憶がある程度)でしたが、色々苦労しつつもなんとかトロコンまで楽しませてもらいました。難易度の高さから確実に人は選ぶと思いますが、個人的には前評判通りの神ゲーだったと思います。



目次

『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』製品概要

【PS5】ARMORED CORE Ⅵ FIRES OF RUBICON

機種:PS4/PS5/Xbox X/S/Xbox One/ Steam
発売:2023年8月25日
ジャンル:アクション
作品評価:95点


【プレイ時間】
1周目時点:23時間
2周目時点:43時間
3周目時点:55時間
トロコン時:58時間


アーマード・コアシリーズのナンバリング6作目(通算では16作目)の作品。前作から10年ぶりの新作となった。

主人公(プレイヤー)は傭兵としてACと呼ばれる人型機動兵器を操ってミッションやアリーナなどの戦闘をこなしていく。ACは頭部・胴体・腕・脚・ジェネレーター・ブースター・FCS・各所に装着武器を自分で選んで組み上げていく。自分だけのACで戦闘をするというのが本作シリーズの一番の醍醐味。





過去作をプレイしてなくても大丈夫か?

結論から言うと本作から遊んでも全く問題ないです

僕自身が前述の通りシリーズほぼ初見でしたが全く問題なく楽しめました。アーマード・コアシリーズは作品ごとにストーリーが完結するようになっており、本作も完全新規のストーリーになっているため過去作を遊んでいなくても全く問題なかったです。一部シリーズファンがニヤリとできる要素が入っている、といったぐらいの感じです。




作品の特徴や良かった点

自分だけのACを組み上げるアセンブル

やっぱり本作一番の醍醐味は自分だけの機体を作り上げることができるシステム(アセンブル)だと思います。

まずは基本となる頭・胴体・腕・脚に、各種ステータスに大きく響くブースター・ジェネレーター・FCS、そして両手・両肩・コアに装着する武装類。これらを数多のパーツの中から選択して自由に組み上げて、カラーリングやエンブレムも自由にエディットが可能。ロボット好きとしてはこれだけで非常に魅力的な要素です。各パーツにはそれぞれ様々な特徴があり、例えば脚部にも二脚・逆関節・多脚・タンクと様々なバリエーションがあり、どのタイプの脚部を選んだかによって違うゲームと言えるぐらいに違った操作感になります。個人的には軽量逆関節の機動力を活かした戦い方が好きでした。

このアセンブルは攻略においても非常に重要で、各種武器・パーツの特性を理解してミッションごとに最適なアセンブルを試行錯誤していくのが本作のポイントになります。それぞれのミッションにおける最適解の構成も存在しているので、どうしてもクリアできないミッションをネットで他のプレイヤーが公開している装備を参考にしたらあっさり突破できたなんてよくある話だと思います。



難易度はかなり高い

事前情報でも言われていましたがアクションゲームとしての難易度はそれなりに高い方だと思います。

発売後も「チュートリアルのボスのヘリに勝てない」「1章のボス(バルテウス)に勝てないのでアンインストールした」といったような声がネットに溢れていました。確かにプレイヤーのスキルがまだまだで使える装備の種類も少ない序盤の難易度は相当だったと思います。僕も話題となった1章ボスのバルテウスで一番引っかかって、数十回のコンテニューでようやく倒せたといった感じでした。その後も非常に強いボスは沢山出てきますが、ストーリー終盤に入るころには操作もアセンブルの組み方も概ね理解できていたので体感的な難易度はかなり下がっていたと思います。

トロコンするためには「全てのミッションで評価Sを取る」というものがあり、Sを取るためには最低でもノーコンテニューでクリアする必要があります。上記のバルテウスなどは何度もリトライしてやっと勝てた敵なので「Sなんて絶対無理」と思っていましたが、1周目をクリアしたぐらいの構成とスキルでチャレンジしたら一発であっさりSが取れました。プレイヤーの成長を感じることができるという意味でも非常に楽しいゲームだったと思います。


ストーリー・キャラクターも良かった

アーマード・コアシリーズというと、「ストーリーが難解」「アクションメインでストーリー要素は薄い」といった感じのイメージを持っていましたが、本作のストーリーはわかりやすくキャラクターも魅力的で良かったと思います。

ざっくり言えばルビコンという惑星で発見されたコーラルという新エネルギーを巡る大企業・政府的な組織・その星の住民たちの戦いで、プレイヤーは独立傭兵として各組織からの依頼をこなしていく、という流れになっています。どこからの依頼を優先的に受けるかでストーリー全体の流れも変わってくるという形になっています。


キャラクターも顔グラフィックなどはなく名前と声だけではありますが、本作ヒロイン的な存在のエア・冷徹な上司かと思ったら面倒見のいいおじさんだったウォルター・姉御肌のカーラ・セリフもボイスもイケメンのラスティ・厳しい鬼軍曹的なキャラながら部下思いで慕われているミシガン等、非常に印象的で魅力的なキャラクター揃いでストーリーにもかなりのめり込むことができたと思います。



非常に高品質なグラフィック

今回PS5版をプレイしましたが、さすがに最新ハードの最新ソフトということでグラフィックは非常に高品質で美しかったと思います。ほとんど実写映画のような感覚でした。

ハイクオリティなグラフィックで自分オリジナルのACが非常にカッコよく見えるのは嬉しいです。



ロードは爆速

今回PS5版のためPS4やSteamの方はどうかわかりませんが(Steamはスペック次第?)、ロードは爆速でほとんどストレスを感じませんでした。

ミッションの前後などはロード画面を挟みますが、ほぼ一瞬で終わるので全然気になりません。



良くも悪くもスタッガーが重要

本作独自の要素であるスタッガー。
所謂「スタン」「よろけ」といった状態で、敵味方ともに攻撃に当たるとこのスタッガーのゲージがたまっていき、ゲージがマックスまでいくとスタッガー状態になってすべての攻撃が直撃判定(要はクリティカル)になります。本作ではこれが非常に重要で、基本的にボスが非常に硬いのでいかにしてこのスタッガー状態に追い込んでから最大火力を叩き込むかという戦いになります。これを理解しないとチュートリアルステージのボスすら倒せません(逆にプレイヤーに強制的にそれを理解させるためにあえて強いボスにしてる気もする)。


当然武器によってもスタッガーを取りやすい・取りにくいという違いがあり、ストーリー後半以降はスタッガーを取ることを優先しての武器選択になりがちです。これは強いボスでも戦い方次第で倒せるといういい点でもありますが、バトルがスタッガー狙い一辺倒になりがちという欠点でもあると思います。ネットでもここは賛否両論だったと思います。僕のようなフロムの高難易度ゲーム新参プレイヤーにとってはある意味救済措置でもあって助かったんですが、ゲームバランスという観点で考えるともう少しスタッガーの重要度の比率は低くても良かったんじゃないかとは思います。



オンライン要素は対戦のみ

現時点(2023/8/31)では本作のオンライン要素は対戦(1vs1・3vs3)のみとなっています。PS版はPSplusの加入が必要です。
今の段階ではまだランクマッチ・レートバトルのような要素はありません。

個人的にはモンハンや地球防衛軍のようにフレンドと協力してミッション攻略とかできたら楽しかったと思いますが、今のところそういった要素が追加されそうな雰囲気もなさそうです。



トロコンについて

今回無事トロフィーコンプまですることができましたが、取得時点(2023/8/31)でプラチナトロフィーの取得率は0.2%でした(前日ぐらいまでは0.1%だった)。パーセントの低さは発売して間もないということもあってこれから上がっていくと思います。特に時限トロフィー(取り逃したら最初からやる必要があるもの)は無かったので、とりあえずストーリーを進めて行っていけそうだったらトロコン狙いに切り替えるといった感じで大丈夫だと思います。


やはり一番の難関は「全てのミッションでSを取る」かと思います。1周目で初見のバルテウスと戦っているときは「トロコンなんて絶対無理だ!!」と思っていましたが、攻略が進むにつれてプレイヤースキルもアセンブルの知識も向上していったので、思ったよりはあっさり全ミッションSランク取れた印象です。いくつか引っかかったところもありますが、すでにネットに攻略情報やおすすめのアセンブルが上がっているので、自分がまねできそうなものを見つけてそれに倣うことでそこまで苦労はしませんでした。



エンディングの種類(ネタバレあり)

本作は3種類のマルチエンディングになっており、選択式のミッションでどちらを選ぶかや周回数によってストーリーが分岐していきます。
以下、各ルートとエンディングのメモ。ネタバレのため白文字にしています。

ちなみにストーリーをクリアする(最後のミッションをクリアする)とそのまま最初のチュートリアルステージクリア後の状態になって次の周回がスタートします。


1.ルビコンの解放者エンド
条件:5章で「シンダー・カーラ排除」を選ぶ。
内容:エアの望みをかなえるルート。エアからの依頼通り、ザイレムを撃墜させ最後に立ちはだかったハンドラーウォルターをも撃破してコーラルとルビコンを救う。エアはこれからもサポートをしていくことを約束する。カーラを倒さないといけないのが心苦しい上にラスボスがまさかのウォルターになる


2.レイヴンの火エンド
条件:5章で「企業勢力迎撃」を選ぶ。
内容:カーラと協力するルート。ザイレムの特攻によりコーラルとルビコンは再び大火につつまれ、ルビコンでの戦いは終わる。レイヴンはその後消息不明となり、名前だけが残り続ける。エアの望みと反するルートなため終盤のステージはエアによるナビがなくなって寂しい。さらにラスボスはエアの駆るアイビスシリーズが相手となる。エンドロール後にウォルターからのメッセージが流れる


3.賽は投げられたエンド
条件:3周目以降で特定の選択ミッションを受けていくと4章の最後で分岐する
内容:オールマインドの依頼を受けていくルート。普通に攻略を進めていけば最後に見ることになるエンディング。コーラルリリースの目前で用済みとなったレイヴンを始末しようとしたオールマインドを退け、コーラルの解放を見届ける。ラスボス戦では一時エアと共闘することになる熱い展開




総評

改めて評価をもう一度。

作品評価:95点


前述の通り、前評判通りの神ゲーだったと思います。
自分オリジナルのACで戦うというロボット好きにはたまらないコンセプト、やり応え十分でプレイヤー自身の成長が感じることができる高難易度アクション、印象に残る魅力的なキャラクター。どれも素晴らしかったと思います。逆にアクションゲームに適正が無い人には難しすぎるとは思います(1章ボスのバルテウスを越えられるかどうかがミソ?)。


確実に人は選ぶと思いますが、個人的には大満足の買って良かったゲームです。