2025年3月に発売されたNintendo Switch用ソフト『ゼノブレイドクロス Definitive Edition』を、ストーリークリア及び調査率100%達成まで遊んだのでその感想です。

Wii Uタイトルの『ゼノブレイドクロス』をSwitchに移植した作品。前作『ゼノブレイド』からよりSF色の強くなったオープンワールドRPGで、前作よりはやや気になる点も増えたものの、それでも平気で100時間以上の時間が溶けていくボリュームマシマシのやり込みゲームに仕上がっていました。
なお、2026年2月に突如としてSwitch2に対応した『ゼノブレイドクロス Definitive Edition Nintendo Switch2 Edition』が配信され、実際にはそちらの方をプレイしました。『ゼノブレイドクロス Definitive Edition』のパッケージを持っていれば、550円で「Switch2 Edition」にアップデートが可能です。
目次
製品概要

定価:7,678円(税込)
機種:Nintendo Switch/Switch2
発売:2025年3月20日
ジャンル:オープンワールドRPG
プレイ時間:132時間
総合評価:85点
プレイ時間はストーリークリア及び惑星ミラの調査率100%達成までの時間。
タイトルは略して『ゼノブレイドクロスDE』『ゼノクロDE』とも。移植版でタイトルに追加された「ディフィニティブエディション」は直訳すると「決定版」。
謎の異星文明間の争いに巻き込まれ、地球から脱出した移民船「白鯨」が不時着した「惑星ミラ」を舞台に、未開の惑星を開拓しながら逞しく生きていく人々の姿と戦いを描いたオープンワールドRPG。
元々は2015年4月29日にWiiUで発売されていたものが原作。グラフィックやシステム面の大幅な改善を行い、さらに完結編とも言える追加シナリオの13章を加えた、まさに「決定版」と言える移植・リメイク作品となっている。
ちなみに一応の前作である『ゼノブレイド』とはストーリー上の直接的な関係は無く(追加シナリオでつながりが少し匂わされた程度)、同じく"ゼノ"を冠する『ゼノギアス』『ゼノサーガ』とも内容的なつながりはないため、過去作未プレイの状態で本作からプレイしても問題なく楽しめる。
作品の感想・良かった所
広大な惑星ミラの大地を自由に探索
本作で一番重点を置かれている要素は「未開の惑星ミラ」を探索・開拓していくという点です。
前作ではメインはあくまでストーリーであり、広大なフィールドの探索というのはそこに付随する要素という感じでした。本作ではそのバランスが反転したというか、広大な惑星ミラでの冒険にゲームとしての主眼が置かれているように感じました(その代わりストーリーは前作よりも薄味に)。
とにかくオープンワールドの広大なフィールドは走り回っているだけでもあっという間に時間が過ぎてしまい、ストーリーそっちのけで開拓エリアを広げて行ったり、景色のいい場所や秘境等を発見して回ったり、膨大な数のサブクエストに没頭したり、というのも楽しいです。一応ストーリーに沿って行動範囲が広がるような設計にはなっているものの、基本的には最初から行けるエリアに制限はないので、かなり自由度が高く未開の土地を「開拓」していくという楽しみがあります。前作でもそうでしたが、背景かと思っていた山脈や空に浮かぶ島々など、最終的には見えるところ全てに行くことができるというのが凄い所です。
最初は徒歩での探索のためスピードや効率には限界がありますが、ストーリーを進めていくと「ドール」と呼ばれるロボットに乗っての探索が可能になり、さらにストーリーを進めるとドールを飛行させることも可能になります。ドールの登場によって探索できる範囲や探索の楽しさが一気に加速して、よりフィールド探索にのめり込んで時間を溶かしていくようになりました。
人型兵器「ドール」
前作にはなかった要素として、プレイヤーが登場して移動や戦闘に利用できる人型兵器(ロボット)のドールが登場しました。やっぱりこのドールという要素が本作のレベルを数段引き上げていると思います。とにかくドールに乗っての探索が楽しい。
大半のドールには移動形態への変形機能が搭載されており、一般的なドールは車両形態に変形することで徒歩の時とは比べ物にならないくらいのスピードで移動することができるようになります。また、生身に比べて戦闘力も各段に上がるため、ドールの入手によって探索できる範囲が各段に広がります。また、ストーリー終盤に入るとドールに飛行機能を付与することが可能になり、これまで行けなかった高所や空に浮かぶ島などにも探索範囲を広げることが可能になります。
さらに一部を除いてドールの装備は自由にカスタマイズすることができ、自分好みの機体・カスタマイズで冒険をすることが可能です。ストーリーを進める上ではある程度好み重視の機体で問題ないですが、一部の強力な敵(オーバード)に対しては機体・装備・付与するスキル等を吟味・厳選してやっと太刀打ちできるようになるといった部分もあり、ドールの存在自体がやりこみ要素の一つにもなっています。
また、DE版で追加された機体は飛行形態(戦闘機形態)に変形することが可能で、他のドールとは一線を画した移動の楽しさがありました。この可変機がお気に入りでずっと使っていたんですが、装備の変更ができないタイプのドールなのでストーリーやサブクエストが進んでいくとレベルの高い敵と戦うのがきつくなっていって乗る機会が減ってしまうのが惜しいポイントでした。
膨大なやり込み要素
前作から引き続き膨大な量のサブクエストによるやり込み要素は健在。
大半は「特定の敵を○○匹倒す」「指定のアイテムを○○個持ってくる」といったお使いクエストでありストーリーだけを楽しみたい場合はスルーしても問題ないものがほとんどですが、クエスト等を進めていくとマップに表示される「惑星ミラ 調査率」が進んでいくのが楽しくて結局調査率100%までやりこんでしまいました。
キャラクターが良かった
シナリオはやや薄味と評されがちな本作ですが、登場するキャラクターはどれも魅力的で良かったと思います。
本作では主人公は名前も外見も自由に設定できるオンラインゲームのアバターのような扱いで会話の選択肢は出るもののセリフも無いため、メインシナリオは基本それ以外の名前有りキャラクター達が回していくことになります。特にメインとなる、エルマ、リン、タツの三人はとても好きでしたね。
エルマ、リンの二人はほとんど本作の主人公と言っていい活躍。前作とのつながりを思わせるノポン族のタツもマスコットキャラクターとして非常にいいキャラクターだったと思います。イベントでも戦闘でもリンとタツはセットで描かれていたのが良いですね(パーティにリンを入れるとタツもNPCとしてついてくるようになり、ドールでの戦闘になると「タツ、ドールに乗るよ」といった主旨のセリフが入る)。
他にも終盤までのキーパーソンになるラオや、最終章で突然あらわれて主役の座をほぼかっさらっていくアルなど、カッコいいイケオジポジションのキャラの活躍も非常に良かったです。
シナリオについて
薄味薄味と言われていますが、個人的にはそれでも十分1本筋が通っていて悪くないシナリオだったと思います。
本作で重点を置いて開発されているのはやはり前述の通り「惑星ミラの探索」だったと思うので、ストーリーと探索のバランス感覚は本作はこれで良かったんじゃないかと思います。逆に追加シナリオの13章はストーリーパートで画面を見ている時間が長すぎて早く操作させてほしいと思ったくらい。
一点シナリオで気になった部分と言えばDE版で追加された13章の存在。本作の謎のほとんどが解明されるかなり重要な内容になっていて、「追加シナリオ」というよりは「13章があって初めて1本の物語として完成」という印象の内容でした。むしろ元の原作の方はここが無かったの?と驚きました。原作が打ち切りエンドとかぶつ切りエンドとか言われていた理由がよくわかりました。13章まで含めてトータルで悪くないストーリーだったと思います。
また、他作品とは関係ないと思われていた本作ですが、この13章の中で一部他作品とのつながりが匂わされていました(重大なネタバレのため詳細は以下に白字で記載)。最近またゼノシリーズ周りがホットになってきた印象があるので、続編・追加DLC等々のなにかしらでゼノクロの世界も広がっていってくれたら嬉しいです。
【13章の重大なネタバレ(白文字)】
複数の並行世界が存在することが明かされ、消失した元の地球と、現在の惑星ミラも別の宇宙であることが判明。さらにその説明の中で無数に存在する並行世界の可能性として、ゼノブレイドシリーズ3作の映像が使用されており、本作と別のパラレルワールドではあるが共通した世界観であることが明示された。
残念な点・気になる点
最後に残念な点や気になる点をいくつか。
<クエストがとにかくお使い>
やっていてだんだん飽きてきたのはやっぱりこれ。クエストのほとんどが「あっち行って」「次こっち行って」の繰り返し。さすがに100%まで遊ぶころには辟易しています。
<やりこみ要素の偏り>
やりこみ要素の一つとして調査率を100%にするためには、ストーリーボスよりも遥かに強い強敵を討伐する必要があります。それらの強敵に対抗するためにはドールの機体・装備・スキル等を強化・構築していく必要があるのですが、このために必要なことはほとんどマテリアルチケット稼ぎ一辺倒になります。必要な機体や武器が揃うまでひたすらチケット稼ぎの日々でした。
<残された謎>
12章でぶん投げられたまま終わってしまった原作に比べると、DE版は13章で物語の謎の大半が明かされたのでそれは良いことだったと思います。ただ、まだ残されたままになっている謎もあります。結局主人公は何者だったの?実質アバターキャラなので深堀りしないのが正解というのもあるかもですが、それにしてはストーリー内で色々仄めかされた部分もあったのでここは少しモヤモヤ。続編や追加コンテンツを期待したい部分の一つです。
総評
改めて評価をもう一度。
作品評価:85点
正直前作『ゼノブレイド』に比べると好き嫌いがわかれるし、賛否が付きやすい作品だとは思います。
ただ、個人的には本作一番のポイントである「惑星ミラの探索と開拓」という部分は非常にワクワクしたし広大なフィールドを駆け回っているのは本当に楽しかった。さらにドールに乗って飛び回るというのも、何気に他のゲームでありそうであまりなかった体験だったと思います(とにかく飛行型の可変機が楽しかった)。
オープンワールドのゲームで時間をわすれてブラブラできてしまう人や、巨大ロボに乗って広大なフィールドの隅々まで探索してみたい人には刺さるゲームになっているんじゃないかと思います。
