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【読書感想文】マーベル空想科学読本




マーベル版の空想科学読本が売っているのを見かけたので読んでみました。

マーベルも空想科学読本も大好きなのでそのコラボと言うことで非常に俺得な本です。




マーベル空想科学読本

MARVEL マーベル空想科学読本 (講談社KK文庫)

  • 著者:柳田理科雄
  • 出版社:講談社KK文庫
  • 発売日:2019/6/26
  • 頁数:191ページ
  • オススメ度:☆☆☆☆

 
 
空想科学読本はこれまでに20年以上・20冊以上が発行されているヒジョーに歴史のある本。ウルトラマンやマジンガーZなどの特撮・アニメ等の「空想科学作品」での出来事を現実的・科学的に再現しようとするとどうなるのか、が基本コンセプトになっている大人気シリーズ。科学的なお堅い本なのかと思いきや、著者の柳田氏の文章は非常にユーモラスで分かり易く、科学的な知識や取り扱われている作品の知識がなくても読み物として非常に楽しめる。僕自身、中学か高校ぐらいのころからこのシリーズは大好きで愛読していた。元々はウルトラマンや仮面ライダー等の自分の世代からするとやや"古い"と感じる題材が多かったが、前述の通り元の作品を見ていなくても理解できる内容であり逆に各作品に興味を持つきっかけとなった。


そして今回はその空想科学読本でマーベル作品が扱われているということで、空想科学読本もマーベルも大好きな自分としては「ついにきたか!!」といった感想。不覚にも発売を知るまでに1年以上たってしまってはいたが、書店で見かけて即購入した(スターウォーズのもあるということだったのでそっちも注文した)。


本書で出てくる題材としてはマーベル作品の中でもアイアンマンやスパイダーマンなど比較的知名度の高いヒーロー16名+αが取り上げられている。設定はマーベルコミックとMCU映画の両方が扱われているが、読んでいく上で必要最低限の情報は説明されているので、「映画しか知らない」「コミックしかしらない」という人でも問題なく楽しめる(自分は映画のみの知識)。



内容としては空想科学読本ではお馴染みの柳田先生の「難しい科学の話ながらも難しく感じさせないユーモアのある文章」は健在。久々の空想科学読本を楽しく堪能させて頂いた。題材となったマーベル作品自体は元々が非常に幅広く設定が二転三転していたりするものもあるため、過去シリーズでウルトラマンや怪獣などを取り扱った際に比べると比較的浅めな感じの印象もある。幅広い層に分かり易い部分に軽く触れたという感じか。本書だけでも十分楽しめたが、マーベル大好き層向けにもっと踏み込んだ第二弾なんてものを出してもらえたら凄く嬉しいなーといった感じ。



一番印象に残ったのは「サノスの指パッチンで生命の半分が消滅したら何がおきるか」をシミュレーションした項目で、指パッチンが社会や生態系に与える影響を面白く解説されている。個人的に非常にツボに入ったのが「サノスが動物の数を半分にしたら、チョウチンアンコウはたぶん絶滅する。」(89P)の一文。これだけ見るとなんのこっちゃだが、そこまでの話の流れと文脈があってちゃんと納得しつつクスッと笑える。空想科学読本の面白さを表しているような一節だと思う。




個人的には大好きなシリーズだが、フィクション作品に現実的なツッコミをいれているのでまあ野暮と言えば野暮な話。その点を踏まえて読み物として楽しめる人なら間違いなくおすすめできる。逆に一つ一つの設定の正しさとかにこだわったりパロディ等のユーモアが通じないタイプの人には向かないかも。



本書を読んでいるうちにスターウォーズ版も届いたので次はそちらを読もうと思います(発売自体はスターウォーズの方が先の模様)。



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