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PS2『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』感想。宇宙戦に特化した良作ゲーム




PS2用ソフト『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』の感想です。


先日プレイしたPS2『機動戦士ガンダム』の続編となっており、初代ガンダムの物語後半の宇宙でのストーリーが描かれているほか、本作で初登場となったオリジナルのサイドストーリー付いています。本作はリアル系のガンダムゲームには珍しく宇宙での戦闘がメインになっており、宇宙空間を再現するための独特のシステムで今でも評価の高いゲームです。


目次

『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』

製品概要

機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙 LIMITED BOX

機種:PS2
発売:2003年9月4日発売
ジャンル:3Dアクションシューティング
プレイ時間:14時間ぐらい
作品評価:75点


ガンダムではお馴染みの自機を背中から見ているタイプのTPS系視点(三人称視点)のアクションゲーム。初代ガンダムの物語後半を中心にすべて宇宙でのバトルとなっていて、「ルートチューブ」と「バトルスフィア」という2つのモードでうまく宇宙空間での戦闘を表現している。


アムロ・レイとなって一年戦争後半の宇宙戦を戦い抜くストーリーモードの他、最大6つ(うち1つはサービス終了)のモードをプレイすることができる(詳細は後述)。




作品の特徴や良かった点


OPムービーの出来が凄い

本作をスタートしてまず感動するのがOPの3Dムービーの出来の良さ。劇場版『めぐりあい宇宙』を再現した美麗なムービーは必見。


前作もそうだったがPS・PS2あたりのガンダムゲームは3D・アニメともに気合いの入ったムービーが多い。システムやハードの制約で荒い部分や大胆なアレンジが加えられている部分もあるものの、本作を含めて全体的に原作へのリスペクトを強く感じられる作品が多い。


ステージ前後や場合によってはステージ途中に適宜入ってくる3D・アニメムービーにより、原作の再現度やゲームへの没入感は非常に高い。




非常に出来のいい宇宙戦闘

本作のステージはすべて宇宙(一部コロニー内もある)となっているが、「ルートチューブ」と「バトルスフィア」という2つのバトルシステムで非常に出来のいい仕上がりとなっている。


「ルートチューブ」は機体の正面方向に向かってスクロールしていく形式。名前の通り透明なチューブの中を進んでいくような形で、シューティングゲームに近い感覚。


「バトルスフィア」は大きな球体状のエリアを自由に動いて戦うモード。次々でてくる敵を撃破したりボスとの対決をする、一般的な3Dアクションゲームに近い感覚。前後左右上下を含めた移動は多少の慣れが必要。


元々上下がなく建物や自然のオブジェクトを配置しにくい宇宙戦闘は地上よりも難しく、背景が黒いだけのただただ平坦な空間になってしまうことも多い。しかし本作では上記2つのモードを適宜切り替えていくことで、とても出来の良い宇宙戦闘が再現されている。ガンダムゲームでは宇宙ステージは退屈になりがちだが、本作は飽きることなく楽しめた。


惜しいのは「ルートチューブ」はほぼストーリーモード限定なこと。他のモードではひたすら「バトルスフィア」なので、やや単調に感じてしまいがちになる。




多彩なゲームモード

本作に搭載されている主なゲームモードは6つ。

  • 初代ガンダムの物語後半を追体験するストーリーモード
  • 外伝『宇宙、閃光の果てに…』のサイドストーリーモード
  • シャアや黒い三連星等の物語を進めるエースパイロットモード
  • 様々なミッションをこなしながらオリジナルパイロットを育成するミッションモード
  • プレイヤー同士やCPUと戦う対戦モード
  • 他プレイヤーと疑似対戦を行うネットワークモード(サービス終了)


サービス終了したネットワークモードや特に語ることのない対戦モードを除いても4つのゲームモードを楽しむことができる。それぞれがそれなりに力を入れて作られており中々楽しめる仕上がりになっている。各モードの詳細は次項で。




各モードの特徴や感想など

ストーリーモード

<全8話>


アムロとなって初代ガンダムの物語後半を追体験する。内容は劇場版『めぐりあい宇宙』をベースにしているが、条件を満たすとTV版を遊ぶことができる。基本的には劇場版と同じだが、ハヤトがガンタンク・セイラとスレッガーがGファイターに乗っていたりと一部が変わっている。ムービーもちゃんと別バージョンが用意されていて芸が細かい。


ステージの前後はもちろん、ステージ中でもちょいちょい3Dやアニメのムービーが入る。多少テンポが悪く感じる部分もあるが、原作再現度は非常に高い。手軽に初代ガンダムの物語後半を追体験するのにはちょうどいいゲームになっている。また、最終話ではシャアとの生身のフェンシングバトルがまさかの再現。ここまでやるか(笑)


ストーリーは大筋原作通りだが、ステージ内の行動により微妙に展開が分岐することがある。例えばソロモンでビグザムと戦わずにドロワを追撃してガトーと戦えるルートがあり、ちゃんとガンダム対ソロモンの悪夢のアニメムービーも用意されている。他にもジャック・ザ・ハロウィン隊や不死身の第四小隊と共闘するなど、ファンには楽しいクロスオーバーが用意されている。


全8話だが、劇場版とTV版で2周したり、分岐や隠しキャラとの戦闘をこなしていこうとするとそれなりにしっかり楽しめるボリュームになる。




サイドストーリーモード

<全5話+ifルート2話>


外伝『宇宙、閃光の果てに…』のストーリーをプレイするモード。本作が初登場のストーリーだが、ちゃんと新規のアニメムービーも用意されている。ストーリーの荒い部分やキャラ描写はその後のコミック版等で補完されている。ゲームオリジナルのストーリーがコミックで細かく描かれる展開は『ガンダム戦記』と同じ流れ(コミックの作者も同じ)。


こちらも途中ステージの成績次第でストーリーが大きく2つに分岐する。

【コミック版】



エースパイロットモード

<全8名、全34話>

アムロ以外のキャラクターの視点からのサブストーリー。使用できるのはシャア、黒い三連星、ジョニー・ライデン、シン・マツナガ、ユウ・カジマ、コウ・ウラキ、ガトー、シーマ。1人あたり2~6話。


ちゃんとアニメムービーも用意されていて(こちらは過去作品からの流用多めの模様)、シャアであればルウム戦役でのツノのないシャアザク時代から一年戦争終結までのストーリーがたのしめる。


シャアや連邦キャラはともかく、ジョニー・ライデンやシン・マツナガ等のストーリーがプレイできる珍しいモード。また、コウとガトーはちゃんとデンドロビウムとノイエ・ジールにのることができるのも嬉しい。





ミッションモード

<全8戦>


連邦・ジオンそれぞれ3名ずつ計6名のオリジナルキャラクターの中から選び、ミッションをこなしながら育成していくモード。ジオン側の3名は後のコミック版でマレットの部下としてでてきた3人。


ミッション・機体・武器を選んで出撃し(機体は固定やランダムのミッションもあり)、戦果に応じて得られる経験値を能力やスキルに割り振ってキャラを成長させていく。難易度の高いミッションを成功させていけばアムロより強いキャラに育てることも可能。


ミッションを8戦こなすと終了となり、育成したキャラは対戦モードで使用可能になる。特にストーリー等はないので他のモードよりは作業感が強いのは否めない。ただ、フルアーマーガンダムやGP04ガーベラ等の珍しい機体にのれるのは嬉しい。





その他

<対戦モード>
プレイヤー同士かCPUとの対戦ができる。他のモードの実績により使用できる機体やパイロットが解放されていく。また、ミッションモードで作成したパイロットも使用可能。


<ネットワークモード>
プレイヤーの育てたキャラクター同士を疑似対戦させるモード(今のゲームのように直接操作してオンライン対戦するものではない模様)。新機体のダウンロードもできたようだが、現在はサービス終了している。


<レコード/ギャラリー>
各ステージの戦績や、ムービー・MS情報などが閲覧できる。ギャラリーのムービーや機体をコンプリートするのが本作のやり込み要素になっている。




気になる点・残念な点

次はプレイしていて少し気になった点。


周回プレイ前提なのにシステムが不親切

本作一番の不満点はこれ。
本作はプレイヤーの行動や特定のステージの評価によりストーリーが分岐したり新機体・パイロットを解放することができる。明らかに繰り返してプレイすることを前提としている割には全体的にシステムが不親切。


まず最後までクリアをしたあとでもステージ選択ができない。例えばストーリーモード全8話を一通りクリアした後になんらかの条件達成のため「7話をやり直してS評価を取りたい」と思った場合、1話から順番にやり直していく必要がある。特に本作は「特定のステージで評価A以上」みたいな条件が多いので一通りプレイした後に評価B以下だった面をやり直していくのが大変。


また、ステージをクリアして評価を見た後にやり直しをしたくてもリトライをしたりタイトルに戻ったりする選択肢がない。ステージをやり直したい場合はセーブをしてしまう前にリセットするしかない。評価がでるのも戦闘終了後ムービー等を観たりした後なので地味に時間がかかる(特にストーリー最終話はシャアとの生身対決が終わらないと評価が分からないので繰り返す場合は非常に時間がかかる)。




ルートチューブがストーリーモードにしかない

せっかく「ルートチューブとバトルスフィアの2つのモードで宇宙空間を完全再現!!」とうたっているのに、ルートチューブの方はストーリーモード以外はほとんど出てこない。他のモードでは出てきたとしても一瞬繋ぎのような場面で出てくる程度。

そのためストーリーを終えるとその後は延々とバトルスフィアでの戦闘を繰り返すことになるため、単調に感じてしまいがちになる。





総評

改めて評価をもう一度。

作品評価:75点


宇宙戦闘をメインにしたガンダムゲームの中では珍しい作品でした。システムもスクロールと自由移動をミックスし、単調な戦闘にならないように工夫されています。随所に入るムービーの出来も良く、ガンダムゲーム(キャラゲー)としても合格点の内容でいまでも名作と評価されているのも納得でした。


一番のハードルはPS2を持っているかどうかというところかと思いますが、ソフト自体は中古で1000円ぐらいで買えました。本作未プレイのガンダム好きの方で、もしどこかで手に取る機会があるならば一度遊んでみてはいかがでしょうか。