ゆめろぐ

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【映画感想】『M3GAN/ミーガン』




2023年6月9日に公開された『M3GAN/ミーガン』の感想です。


ほどよくちょうどいいぐらいのホラーといった感じで結構楽しめました。主人公(?)のAIロボットのミーガンちゃんも可愛らしくて良かったです。


以下、本作のネタバレをがっつり含んでいる箇所がありますので予めご了承ください。




目次

 


基本情報


画像出典:映画『M3GAN/ミーガン』公式Twitter(@m3gan_JP)
 
 

  • 監督:ジェラード・ジョンストーン
  • 原案・製作:ジェームズ・ワン
  • 公開:2023年6月(アメリカでは2023/1)
  • 評価:★3.5(最高★5)

 
 
子供と友達になるAIロボット「ミーガン」の愛情と狂気を描くホラー/サイコ・スリラー。

原案・製作は『ソウ』シリーズや『アナベル』シリーズ等のジェームズ・ワン。


 

感想


ほどよいホラー映画

全体的に「ほどよいホラー映画」といった感じで、最初から最後まで飽きることなく楽しめました。
レーティングはPG-12(12歳以下は保護者等の助言・指導が必要)ということで実質全年齢。過度なグロやエロもなく安心してみていられます。


雰囲気的には「チャイルドプレイ+ターミネーター」といった感じかな。「AIロボットによるホラー作品」という先進的で割と斬新な切り口ということもあり個人的にはとがった作品かなと思っていましたが、内容的にはホラー作品の王道なシナリオだったと思います。平和なパート⇒少しずつつのっていく恐怖⇒そして惨劇へ、といったホラー作品のお作法はしっかりと抑えつつ、本作独自の魅力である「ミーガンによる恐怖」がしっかりと描かれていた作品という印象です。


また、作中ではあちらの映画のお約束みたいなものも色々配置されていたと思いました。「作中犠牲になる嫌な隣人と犬」「暴力的で倫理観の欠如した少年(大体主人公よりちょっと年上)」「主人公の会社のプレゼン好きなアジア系上司」といったいろいろな所で観たことがあるようなお約束が結構あって観ていて楽しかったです。多分あの犬については観ていた人全員が「あ、ミーガンに殺される役だな」と思ったんじゃないかと思います。他にも、過去の有名なホラー作品のオマージをにおわせるようなシーンなんかも結構あったと思います。



ミーガンの魅力

ミーガンが可愛い!怖い!!

本作の一番の魅力と言えばやっぱりこれになると思います。ミーガンちゃんが普通に可愛い。かなり人間に寄せられたデザインになっているので不気味の谷を越えてこっち側にきちゃってる感じがしますね。ミーガンは流行りのフルCGなどではなく、ちゃんと中の人がいるんですよね。ミーガン役の女の子がダンサーということで、CMなどでも印象的だったあのダンスもちゃんと本人を撮影したものだそうです。


勿論怖さという部分でもしっかり魅力的なキャラクターだったと思います。「人形+ホラー」と聞くとやっぱり思いつくのはチャッキーですが、チャイルドプレイと本作の一番の違いはお化け・幽霊・オカルト・超常現象といった非科学的な現象が本作では起こっていないこと。例えば本来普通の人形のはずのチャッキーが少しでも表情を変えたり目線を動かしたりといったことをすればそれはもう人知を越えた超常現象になるわけですが、ミーガンの場合はそもそも「自律的に動くロボット」なので別に勝手に動くこと自体は何の不思議でもないわけです。その点では両作品は似ているようでかなり異なった背景があると思います。そういった意味では本作の方がより「怖さ」を演出するのは難しいと言えると思いますが、ミーガンの目線の動きや言葉遣い変化やその撮り方・画面での見せ方をうまく使ってしっかりと「じわじわと湧き上がる恐怖」みたいなものが出していたと思います。



非常に科学的なホラー作品

前の項を書いていて「そういえば」と思ったんですが、本作って基本的にはオカルト的な超常現象は起こっていないんですよね。ミーガンの中に幽霊が取り付いて悪さをして・・・という話でもなく、あくまで人間がプログラムして作り上げたAIが成長した先に生まれてしまった狂気、という感じでしょうか。作中でもAIやIoT機器といった最新技術が沢山配置されていましたし、そういった意味では非常に「科学的なホラー作品」と言えると思います。今後このジャンルのホラー作品も流行っていくかもしれませんね。そういった技術面の観点からみると、発展し続ける現在の科学やAIの進歩への警鐘だったり、子供とのかかわりを機械に任せてしまうこと(現在の日本にも「スマホ育児」なんて言葉の是非が議論されることもありますが)への警告、とった側面も持った作品とも言えるかもしれません。


AIの反乱というとやっぱり『ターミネーター』が思い浮かびますが、作中で「私のユーザーは「私」」としてついにケイディにも牙をむいたミーガンでしたが、もし仮に本作でミーガンが勝って(生き残って)いたらその先には何があったのかという部分も気になる所です。プログラムをほとんど「自我」のレベルまでに育てたAIロボットはどこに向かうのか。スカイネットのように人類を攻撃し始めるのかそれとも・・・、なんてやや脱線した妄想も楽しい映画だったと思います。



惜しむらくは・・・

本作のダメな点というほどではないんですが、個人的にはもう一山かニ山欲しかったかなという印象があります。結局作中での瞬間最大風速はやっぱりCMでも流れていた例のシーンになってしまったのが惜しかったです。


できれば前半の日常パートをもう少しコンパクトにして、ミーガンの犠牲者を1人2人増やしたらちょうど良かったんじゃないかと感じました(好みの問題かもですが)。個人的に意外だったのはあのセラピストの女性が殺されなかったことですね。「本人は何も悪いことをしていないのでケイディに嫌われているという理由でミーガンの犠牲になる」というのはミーガンの狂気やホラー作品としての理不尽さを強調する要素としてはぴったりだと思ったので(DVD版のオマケのディレクターズカットでは普通に殺されてたりしそうですが)。


もういくつか見ている側の感情をゆさぶるような印象的なシーンがあったらもっと高評価にしていたと思います。



総評

改めて本作の評価。

評価:★3.5(最高★5)


「ほどよく楽しめるちょうどいいホラー」といった感じだったと思います。
チャッキー、フレディ、スクリームのあいつ、貞子・・・。やっぱり名作ホラーには魅力的なキャラクター(なんて呼べばいいのかわからないけど・・・ヴィラン?)がセットになっていると思いますが、本作のミーガンちゃんもそれらのキャラクター達にも並びうる魅力を備えたキャラクターだと思います。


すでにアメリカの方では続編も決まっているようなので、そちらも純粋に楽しみですね。