PS5『マーベル ミッドナイト・サンズ』を有料DLC含めてトロコンまでプレイしたのでその感想です。
マーベルのゲームと言えば『Marvel's Spider-Man』のようにアクションゲームの印象が強いですが、本作のジャンルはカードを使ってバトルするシミュレーション・ストラテジーになっています。この部分は人によって好き嫌いのあるシステムだとは思います。また、数多くのヒーローが登場し、会話イベントやテキスト長もかなり膨大。通常のプレイでストーリークリアでも40時間近く、遊びつくそうとすると100時間以上はかかるボリュームが特徴の作品です。
目次
製品概要
機種:PS5、PS4、Windows、Xbox Series X/S、
発売:2022年12月2日
ジャンル:シミュレーションRPG、ストラテジー
プレイ時間:88時間
作品評価:75点
プレイ時間内訳
・1周目クリア+取得できる限りのトロフィー集め:48時間
・2周目クリア+残りのトロフィー+DLC :40時間
マーベルコミックの「ミッドナイトサンズ」を題材にしたゲーム。プレイヤーはオリジナルのヒーローである”ハンター”となり、リリスの率いる闇の軍勢に立ち向かう。戦闘は各ヒーローの攻撃やスキルが記載されたカードを用いて行うシミュレーションバトルになっている。ストーリーを進めながら様々なヒーローたちと交流してカードの強化・デッキの構築を行い、オリジナルのヒーロー軍団を作り上げていく。
ちゃんと日本語吹替え版の音声あり。ただしキャストは映画とは別になっている。
他作品の知識は必要?
本作のストーリーはゲームオリジナルの物で、映画作品等との繋がりはありません。
そのため、事前に見ておくべき映画作品やプレイしておくべきゲーム等はなく、いきなり本作から遊んで問題ありません。
また本作には数多くのヒーローが登場しますが、作中でもある程度キャラ紹介や背景の説明があるので、知らないヒーローがいたら都度wikiなどでどんなキャラかざっと見てみるだけで十分に楽しめると思います。
作品の特徴や感想など
本作の特徴や気になるポイントなどを。
本作オリジナルのストーリー
ストーリーは本作オリジナルの少しダークな雰囲気のあるものになっています。ジャンルがシミュレーションRPGということもあってストーリーはしっかり練り込まれていました(たまに翻訳とか会話の繋ぎとか怪しい所もあるけど)。
主人公は本作オリジナルのキャラクターである「ハンター」。プレイヤーはこのハンターになって、様々なマーベルコミックのヒーローたちと交流・協力しながら、闇の軍勢との戦いに挑んでいきます。ハンターは性別の他にも外見をかなり自由にカスタマイズが可能。会話イベントでは各キャラクターからのハンターへの問いかけに複数の選択肢から返答を選ぶことができ、かなり「プレイヤーの分身感」の強いキャラクターになっています。
また、ミッドナイトサンズ、アベンジャーズ、X-MENといったマーベルの有名なヒーローチームから数多くのキャラクターが登場しているのも本作の大きな特徴。主人公ハンターを除く登場ヒーロー、ヴィランは以下の通り(見落としとかもあるかも)。
【登場するヒーロー(ネタバレのため一応白文字)】
「ドクター・ストレンジ、アイアンマン、スカーレット・ウィッチ、キャプテン・マーベル、ケアテイカー、ブレイド、ハンター、ゴーストライダー、ニコ・ミノル、マジック、スパイダーマン、アガサ、ウルヴァリン、キャプテンアメリカ、ジョニー・ブレイズ、ハルク」
【登場するヴィラン(ネタバレのため一応白文字)】
「クロスボーンズ、ドクター・ファウスタス、リリス、ヴェノム、セイバートゥース、ネスト・マザー、メフィスト、クトン」
カード×シミュレーションのバトルシステム
前述の通り本作のバトルシステムはカードバトルとシミュレーションゲームを融合した独特なもの。
事前に各ヒーローの攻撃・必殺技・サポートスキル等の描かれたカードでデッキを組んでおき、戦闘ではドローしたそのカードを使用して敵を攻撃したり味方を強化・支援などして戦います。バトルはターン制で、1ターンに使用できるカードの数は決まっており、味方のターンできることがなくなると敵のターンになります。この辺は「スパロボ」等のシミュレーションゲームに近いシステムですね。戦闘で使用するカードはストーリーの進行やヒーローとの交流等によって入手することができ、カードの組み合わせや素材の使用により強化もできるため、自分だけのヒーローやチームを作っていくことが本作の楽しみの1つになっています。
マーベルのゲームというと想像するのはやっぱりバリバリのアクションゲームなので本作のゲームシステムは結構異色で、どちらかというとスマホゲームっぽいシステムだと思いました。ただ、最新ハードでのゲームなだけあって戦闘中やムービーシーンでのヒーローのアクションはかなり見応えがありました。本作は元々はSwitchでの発売も予定されていて後に無しになったようなんですが、ビジュアルまわりのハードスペック面がSwitchだと足りなかったんじゃなかったと思います。
大ボリュームの探索要素
バトルと同じくらいか場合によってはバトル以上にプレイ時間を占めるのが拠点となる大聖院とその敷地の探索要素です。
本作の流れとしては大聖院で探索やヒーローとの交流、キャラクターやカードの強化などを行い、ストーリーミッションやサブミッションを選んで出撃(=戦闘パートに移行)する形式になっています。
この大聖院敷地での探索パートのボリュームがかなり多く、数多くのサブクエストだったり探索要素が用意されています。各ヒーローの過去やストーリーの謎が記載された収集アイテムも数多くあり、本作通してのテキスト量は本当に膨大なものになっています。また、敷地内もストーリーの進行でハンターが習得する魔法(ポケモンのひでん技みたいなの)によって探索できる範囲が徐々に広がっていく形になっていて、個人的にはこの探索パートが本作唯一の「プレイヤーが直接操作できるアクションパート」ということで結構楽しめました。
ヒーローたちとの交流
本作は登場・プレイアブルで操作できるヒーローの多さも特徴。
前述の通り大聖院での探索パートでは各ヒーローとの交流や会話イベントがかなりの数用意されていて、会話の選択肢も多く用意されています。88時間プレイしてトロコンした今でも全部を見れたか怪しいどころか選択肢も含めた全会話を見ようとしたら何百時間かかるのかわからないといった感じもあります。これらの会話パートなどはマーベル好きとしては色々なキャラの個性が出ていて見ていて楽しい部分です。
クリア後の周回要素
クリア後の周回要素として最近のマーベルゲームではお馴染みの「ニューゲーム+」が用意されています。
所謂「強くてニューゲーム」で、以下の要素を引き継いで最初から始めることができます。
【引き継がれる要素】
加入したヒーロー、入手したカード(強化の状況含む)、チーム及びヒーローとの親愛度、解放したスキン、リソース
【引き継がれない要素】
各ヒーローのレベル、材料、各種収集アイテム、戦闘アイテム、大聖院敷地内の探索要素、研究や施設のアップグレード
周回プレイをしてもストーリーやエンディングは変わりませんが、トロコンを目指す場合1周では取れない(取れるけど効率が非常に悪い?)トロフィーが一つあるため、2周目をすることになります。ニューゲーム+はヒーローのレベルは戻ってしまいますが、入手・強化しているカードはそのまま利用できるためサクサクと攻略ができました。
エンディングについて(ネタバレ注意)
エンディングについてのネタバレ注意です。
本作も最近のマーベル映画と同じように伏線を残した含みのある終わり方になっていました。売り上げはあまりよくなかったという情報もあるので続編が来るかは微妙な気もしますが、その時のためにエンディングの展開をメモ。
【エンディングの展開(ネタバレのため白文字)】
リリスの協力もあってクトンを退けることに成功したミッドナイトサンズ。戦いの後、崩壊する世界からリリスの手によって元の世界に戻される仲間達だが、ハンターはダークホールドに縛られているため戻ることができなかった。リリスに共にいることを告げるハンター。二人はダークホールドの光の中に消えていく。一方大聖院に戻りハンターの帰りを待つ仲間達。エンドロールの後、惑星直列を背景に、残されたダークホールドを手に取る謎の甲冑の男。
有料DLCについて
本作には有料のDLCが4つ用意されています(PS版はそれぞれ定価1,980円・まとめ買いのシーズンパス6,600円)。
DLCではそれぞれ新しいヒーローとそのストーリーが追加されます。追加されるヒーローはデッドプール、ヴェノム、モービウス、ストーム。敵として新種のヴァンパイアが登場するストーリーになっています。DLCで追加されるヴィランはシン(レッドスカルの孫娘)とドラキュラ。DLCを購入するとそれぞれのヒーローをメインにしたストーリーミッションが各3話(全12話)追加されます。各DLCのストーリーは繋がっていて、全12話をクリアするとDLCのストーリーの最終話にあたる13話が追加されます。
DLCミッションは本編を所定の所まで進めると各ヒーローの1話目がプレイできるようになり、1話目をクリアするとそのヒーローがミッドナイトサンズに加入してその後はプレイアブルキャラになります。DLCのミッションはストーリー的には本編のクリア前でもクリア後でも問題は無いですが、新加入したヒーローは本編ストーリーでも専用の会話が用意されているため、少なくとも各DLCの1話目だけでも早めにクリアして各ヒーローを加入させておいた方が本編をより楽しめると思います。
【DLCのエンディングの展開(ネタバレのため白文字)】
・意味深なことを言って倒れるドラキュラ。本当に死んだかどうか定かではない描写。
・名前だけでてきたドゥーム。やっぱり本編ラストの甲冑の謎の人物はドゥーム?
・皮膚が焼けてレッドスカルのような見た目になったシン。
バグが目立つ
本作一番の不満点はバグが目立つこと。
結構アップデートで修正されているっぽいですが、現時点の最新バージョンでプレイしてもまだいくつがバグがありました。
ちょっとしたものだと、倒した敵がフィールドに残る(進行に影響は無し)、カードの説明文の表示がバグる(書いてある内容がわかりにくい)、ステータス画面でヒーローが消える、といったものがありました。たいていは進行には影響なく、表示のバグ系は一度ソフトを終了して再度始めると治りました。ただ、一番厄介だったのはDLCでヴェノムが加入した際に進行不能になるバグ(エディと会話しないと進行しないのに、エディが地下に埋まって会話できない)でした。僕の場合は一度ヴェノムのミッション1話開始前のデータをロードして再度クリアしたら解消しましたが、ネットを見ていると再クリアだけではダメな人もいたようです(先人が残してくれていた情報によると、ヒーローとの交流が発生する日まで進めてからクリアすると解消できる模様)。
ちょっとした表示不具合程度ならいいんですが、進行不能になるものは本当に困るのでちゃんとデバッグ・修正はしてほしいです。
総評
改めて評価をもう一度。作品評価:75点
ということでカードとシミュレーションを組み合わせた異色の作品でした。
ゲームシステムは人によって好き嫌いは分かれると思いますが、かなりのボリュームもあって個人的には結構楽しめました。中々単体の主役にはなりにくいようなヒーローも沢山出てきてプレイアブルで使用できるのは楽しいですね。
DLCもそれなりのボリュームがあり本編ストーリーにも絡む会話イベント等が追加されるので、価格的には4本でゲーム1本分にはなりますが買う価値はあったと思います。特にデッドプールは相変わらずで一人だけ第四の壁を越えてプレイヤーに話しかけてきたり続編がどうのこうの言ってたりと最高でした。
続編があるかはわかりませんが、ストーリー的にはまだ伏線が残っているので、続編が出るようであればプレイしたいと思います。
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