ゲームソフト『SDガンダム ジージェネレーションGENESIS』のレビューです。
個人的にはPSPの『ジージェネレーションWORLD』以来久しぶりとなるジージェネシリーズのプレイでした。
『SDガンダム ジージェネレーションGENESIS』
定価:3,300円(税別)*1
機種:PS4、VITA、Nintendo Switch
発売:2016年11月22日発売*2
“その魂は受け継がれ、新たな原点となる─”
歴代「ガンダム」シリーズから「宇宙世紀100年」の歴史を彩る17作品のシナリオと機体が登場。参戦作品から自分の好きなモビルスーツを集め、成長・開発させていき、自分だけの部隊を編成し、シリーズの名場面を再現したステージに介入して遊ぶシミュレーションゲーム。 「宇宙世紀100年」の歴史が今ふたたび紐解かれる。
作品評価
評価:80点
(100点満点で)
HDで生まれ変わったグラフィックに洗練されたシステム、そして数多くの外伝作品が本格参戦。
気になる点や不満点もいくつかあれど、新たな"起源"としてシリーズの今後を期待させる良作。
良かった点
進化したグラフィックと戦闘演出
グラフィックは完全HD化となり、戦闘演出やムービーのクオリティはかなり向上。併せてモビルスーツの頭身も少しアップしてスリムな体型に(最初はかなり違和感あったけど)。
新しいモビルスーツをゲットしたら装備している武器の戦闘演出を順番に見ていくだけでも十分に楽しい!!正直、ガンダム好きはそこだけでも一見の価値ありです。
その他、小隊攻撃やコックピットまで再現されたパイロットのカットイン等、特殊演出にもかなり力が入れられています。
ストーリー追体験型への回帰
『WORLD』等の最近のジージェネ作品はスパロボのように各作品が話が入り交じったオリジナルストーリーのパターンが多かったですが、本作ではジージェネ従来の個々の作品のストーリーを追体験していく原作準拠型に戻りました。
これは完全に好みの問題ですが、個人的には「ジージェネは原作体験、スパロボはお祭り」なイメージが強かったので本作が原作準拠なのは良かった点でした。
スポットがあてられた外伝作品
今回、登場する作品が「宇宙世紀100年」に絞られたことで、『CROSS DIMENSION』、『ジオニックフロント』、『ガンダム戦記(PS2版PS3版両方)』、『ミッシングリンク』等の様々な外伝作品が本格的にシナリオ参戦しています。(その代わりなのか『センチネル』は消えてたけど…)
また、『サンダーボルト』、『ジョニー・ライデンの帰還』等の近年の漫画作品からも一部モビルスーツのみですが参戦を果たしています。
ただ『ガンダム戦記(PS2)』については1つだけラリーのかわりに言わせてほしい。なぜあのシナリオを採用した…。
Switch版がおすすめ
本作はPS4、VITA、Switchの3バージョンがありますが、個人的にはSwitch版がおすすめです。
まず、NintendoSwitch版では(有料含む)追加のDLCが最初からすべて含まれた状態での販売となっています。
さらに、Switchの特徴であるテレビに接続しての据え置き機運用と単体で携帯機としての運用を両立できる点は本作との親和性が非常に高いと感じました。クオリティの高い戦闘演出等を楽しみたいときはテレビに映して、追加DLCのやり込みステージをじっつり攻略していく時はベッドでごろごろしながら、みたいな感じでプレイしてました。
残念だった点
「宇宙世紀100年」という謎の括り
宇宙世紀に限定したことで『SEED』『00』といった所謂アナザー世紀作品がでてこないのは仕方ないとして、「宇宙世紀100年」という謎のくくりを設けたことで『F91』、『クロスボーン』、『V』といったこれまでは常連だった作品群がバサッと切られています。(シナリオはおろか機体やキャラクターも一切出ない)
グラフィックが向上した分容量が…、といったあたりが原因な気もしますが、どうにも尻切れトンボな感がいなめません。
そもそも100年って言っても一年戦争の時点で0079年。追加コンテンツの『閃光のハサウェイ』の105年(コイツはしれっと100年を過ぎてる!)を含めても20年とちょっとの話です…。
ゲームとしてのクオリティは高いだけにそこは残念です。
減少したイベントムービーやカットイン
モビルスーツの頭身がリファインされたため、必然的に従来のシリーズからのイベントムービー流用ができなくなり、ムービーの数は激減。(『portable』あたりの作品はムービーの大半が過去作からの流用なもののその分量は多かった)
勿論、新しく作られたムービーのクオリティは高いのですが、従来シリーズからのファンからするとどうしても「あのシーンがない!」「このシーンがない!」となってしまうのは仕方ないところ。
また、戦闘中のパイロットカットインはコックピット内部までを再現した非常にリアルなものになった分、見れる条件が非常に限定的になってしまいました。
例えば過去作でのカットイン発動条件が「アムロで、ビームライフル系の武器」「カミーユで、格闘系の武器」のようにある程度機体や武器の条件に幅があったのに対し、本作では「アムロで、初代ガンダムで、ビームサーベルを使用」のようにほぼほぼ条件がピンポイント指定される形になりました。戦闘画面下にあったパイロットの顔や台詞を表示するウィンドウが無くなったことと併せて、自軍部隊で色々な機体とキャラクターの組み合わせを演出込みで楽しみたい派の自分にとっては少し寂しい感じもしていまいます。
ただ、ムービーについてもカットインについても、クオリティが高くなったこと(+容量の制約)とある意味トレードオフだとも言えるため、あまりワガママは言えないんですけどね…。
Switchのスクショ機能は使えなかった
PS系のハードはどうかわかりませんが、Switch版は本体のスクショ機能が使えませんでした。
せっかくグラフィックが良くなったので色んなモビルスーツの戦闘シーンをパシャパシャして後から楽しみたかったんですが残念です。
まあ、機体数が多いためそれをやり始めるといつまでもクリアまで辿り着けなくなりそうですが…。
さいごに
改めて作品評価
評価:80点
(100点満点で)
半ば言いがかりのような不満点(というか残念だった点)はいくつかあれど、ゲーム自体としての完成度は間違いなく高いです。またこれまでスポットの当てられていかった外伝作品が多数シナリオ参戦しているのは非常にポイントが高いです。
『F91』以降の宇宙世紀作品やアナザー世紀作品の次回作への登場も含めて、まさに"新しい原点"として今後のシリーズ展開を期待させる良作になっていると思います。
最新作が発表!!
先日シリーズ最新作の『SDガンダム ジージェネレーション クロスレイズ』が発表されました。
対応ハードはPS4、Nintendo Switch、Steamで2019年中に発売となるようです。
宇宙世紀メインの『ジェネシス』から一転、アナザー世紀である『新機動戦記ガンダムW』、『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダム00』、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』系の計4作品群(続編や外伝等も含まれると思われる)からの参戦になるようです。
アナザーの作品すべてからではないのはやはり容量の問題か・・・。Gガンとかないのは残念ですが、ダブルオーがあるので僕は多分買いだと思います。