すみません、そんなに大層な話ではありません。
タイトル詐欺と言われるかもしれませんが、社会人になったばかり・これから社会に出るという人は是非覚えておくといい技術です。
目次
例題①:何時間でできる?
あなたはエンジニアです。
上司からとある作業の依頼を受けました。
上司「これどのくらいでできる?」
あなた(これなら正味2時間ぐらいかな…)
さて、何時間と答えますか?
例題②:おいくら?
あなたは営業マンです。
お客様から製品をどれだけ割り引きできるか聞かれました。
客「この製品、いくらで売ってくれる?」
あなた(会社では80万円以上で契約できればOKって言われてるけど…)
さて、いくらで回答しますか?
問題文に書かれている通りで考えれば、例題①は2時間・例題②は60万円となりますが、それはあまり賢い回答とは言えません。
答え合わせ
【例題①の場合】
この時、最短の2時間と答えてしまった場合、一切の余裕がなくなります。
不測の事態が1つ起きただけでアウトです。
「もう少し縮まんない?」というよくある無茶ぶりをされても対応できません。
不測のトラブルやミスによる手戻りが発生しないことを祈りながら進めるしかありません。
でば、こんなときは例えばこう答えるのはどうでしょうか?
上司「これどのくらいでできる?」
あなた(これなら正味2時間ぐらいかな…)
あなた「恐らく3時間あればいけるかと」
上司「もうちょっと縮まんない?」
あなた「では2時間半を目標に頑張ります」
これで先方の短縮要求に応えることができ、さらに不測の事態や手戻りが発生しても、30分はバッファとして使うことが出来ることになりました。
【例題②の場合】
こちらも同じです。はじめから80万円と答えてしまった場合は以降一切の交渉の余地がなくなります。
僕も営業なので経験があるのですが、お客様は時に仕事として値引要求をしてくることがあります。別にケチってるとか言う意味ではありません。
先方だってビジネスです。可能ならば少しでも安く買おうとするのは当然です。
むしろ一切の値引き交渉もなく、業者の言い値で買わされたとなっては、そのお客様の担当者の社内での評価が下がる場合だってあります。
客「この製品、いくらで売ってくれる?」
あなた(会社では80万円以上で契約できればOKって言われてるけど…)
あなた「だいたい100万円でお出しできます」
客「もう少し何とかならないかな?」
あなた「うーん、では90万円になるように社内で調整してみます!」
お客様からからすれば100→90万円の値引きに成功し、あなたは10万円分の利益を上乗せして契約できたことになります。
これをはじめから80万円で提示してしまうと、値引き交渉を受けた時に一切を拒否しなくてはならなくなりお客様との関係を悪くするか、その金額よりも安くするためにあなたが社内で色々と調整をする羽目になるわけです。
ポイントはバッファの意識
結局何が言いたいのかというと、「バッファ」の意識を持とうということです。
作業であれば手戻りや追加の要望・不測の事態が起こることは多々あります。
お金の件にしても、上記の例で追加情報として「実はお客様の払える予算が60万円だった」という場合を考えてみましょう。
はじめから底値の80万円で提示して以降の値引きを全て拒否するよりも、先に90万円を提示した後で80万円を提示した方が、60万円に出来なかったのは同じでも"誠意"の見え方が変わってきます。
注意点
【何事もほどほどに】
バッファを見ることは大事ですが、何事もほどほどにというのを忘れないようにしましょう。
上司やクライアントであればそれなりの知識や経験を(場合によってはあなた以上に)持っています。
度を越してやり過ぎると普通にバレます。
①であれば作業の「時間の見立てが出来ない奴」と思われてしまうかもしれません。
②の例であれば「やたらとふっかけてくる奴」と思われたら信頼も何もありません。
【状況を読んで使おう】
使うべきかどうかの状況を見極めるのも重要です。
例えば上記②の例で、はじめに100万円を提示したとしましょう。
その時、実はライバル会社が同じような製品を85万円で提示していたとします。当然その案件はライバル会社が獲得することが濃厚であり、後から「はじめから80万円で勝負するべきだったー」と後悔することになります。
余裕を見るべきなのか、はじめから最大限の回答をするべきなのか、これは慎重に見極めていきましょう。
決して常にふっかけていくべき、と言っている訳ではありません。
まとめ
え、全然不可能が可能になんてなってないって?
いえ、例題の登場人物の立場になってよく考えてください。
例題①の上司からすれば3時間かかるはずだった作業が2時間半で終わっています。
例題②のお客様からすると、100万円の製品が90万円で買えました。
まあ、毎度そんなに上手くいくものでもありません。しかし、自分も新人の頃は①②の両方のケース(特に②)で色々と痛い目にあったので書いてみました。
そして今でもこの見極めは完全には出来ていません。経験・勘・そして相手との関係性です。
1日も早くマスター出来るように精進していきたいものです。
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