久々にガンダム系の読み物。
タイトルは長いので省略して記載していますが正式には『機動戦士ガンダム ジオン軍事技術の系譜 ジオン軍の失敗 -U.C.0079-』。
ちなみにAmazonでは「コミック」という文字が見えますが、漫画ではなく普通に活字の本です。
機動戦士ガンダム ジオン軍事技術の系譜 ジオン軍の失敗 -U.C.0079-
- 著者:岡嶋裕史
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2021/1/26
- 頁数:223ページ
- オススメ度:☆☆☆
技術開発と言う観点から見るガンダム。ザクやグフといった一年戦争におけるジオン軍の兵器たちの失敗点を「汎用性が高すぎて後継機開発の阻害要因となってしまったザク」「どんなに優れた製品も世に出すタイミングを逸すれば失敗作となることを示したゲルググ」といったような技術開発・製品開発の観点で語っている作品。
本編では宇宙世紀90年代(逆襲のシャアとかユニコーンのあたり)に書かれた一年戦争の技術開発史という体裁をとっており、(初期のガンダムの設定は書籍によって違ったり後付けだらけなことも相まって)一部筆者の想定や創作で書かれていると思わしき内容もありますが、技術開発と言う他のガンダム系書籍にはない観点の作品として個人的には読み物としては楽しく読破できました。ただ、「設定ガー、設定ガー」と五月蠅い一部の過激派ガノタにはあまりお勧めできないかも。
気になる点としては本編内にあまりイラスト等が無いので、例えば「MS-06R-1」「MS-06R-1A」「MS-06R-2」と言われてピンと来ない人には読み進めていくのが結構キツイかもしれません。一応巻末にで本書内に登場する主なMSの説明がイラスト付きで掲載されているので、そこをちょいちょい確認しつつ読んだ方がいいかもしれません。あと割と誤字脱字や記載ミスと思しき点が目立った気がするかも・・・。
ということで個人的にはガンダムの読み物としてはとても楽しめましたが、全てのガンダムファンにお勧めできるかというと「?」といった感じの作品だったと思います(Amazonレビューからもそのような雰囲気を感じ取ることができました)。
続編も同時に発売されていてそちらも購入したので続けて読もうと思います。
<メモ・知らなかった言葉>
・キルレシオ
撃墜対被撃墜比率(げきついたいひげきついひりつ)。ゲームで言う所のキル数(撃墜数)とデス数(被撃墜数)の比率。
・歩留まり
ぶどまり。生産において、原料や素材の投入量に対して実際に得られた生産数量の割合。歩留まり率が低い=生産の成功率が低い=不良品が多いということ。
・アプリオリ
立証しなくても明らかな事項。自明の理。