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【読者感想文】新・世界の七不思議




前作『邪馬台国はどこですか?』を読んだ流れで購入。前作を初めて読んだときにはまだ刊行されていなかったのでこちらは初見。




新・世界の七不思議

新・世界の七不思議 (創元推理文庫)

 

  • 著者:鯨統一郎
  • 出版社:東京創元社(創元推理文庫)
  • 発売日:2005/2/25
  • 頁数:327ページ
  • オススメ度:☆☆☆

前作から引き続き様々な歴史上の謎を題材にして、新しい解釈をぶち上げていく歴史ミステリー。前作同様に各題材毎に話が区切られた短編集。


タイトルの通り今回のネタは世界の七不思議ということで全七話構成。改めて調べてみると世界の七不思議は沢山あって(おかしな話ではあるが)、さっと検索してみた限り本作で取り上げられているものと完全に合致するものはなかった。が、ピラミッドやナスカの地上絵、モアイ像など比較的取っつきやすくて有名なネタがチョイスされているので歴史などに詳しくなくても手に取りやすいと思います。前作同様に各題材の基本知識は話の流れの中で才女・静香嬢がポイントをおさえてレクチャーしてくれるので安心。


基本的な舞台設定は前作から同じ。都内某所にある小さなバー「スリーバレー」を舞台に、妙に説得力のあるトンデモ説を展開する宮田とそれに歴史的な定説で応戦する静香の繰り広げる歴史バトルと、それを毎回楽しみに観戦する二人という構図。今回は前作で傍観者(読者ポジション)だったバーテンダー松永が独自に勉強してきた歴史の知識で会話にアクセントを加える役に昇格(?)。読者目線のポジションには、静香に連れられてバーにやってきた客のジョセフ(新キャラ)が入ったことで、前作に比べてより同じカウンターに座って一杯やりながら話を聞いている感覚で読めるのではないかと思います。


本書で語られる内容としては、前作同様に物語として(ある程度ファンタジー)として楽しむのが良いかと。やや強引な感もありますが、最後に一つ各題材を取りまとめる仕掛けがあったのは前作にもない要素で面白かったです(読んでいる途中で気づいてやりたかったという悔しさも多少あり)。


やや気になったのは皆がお酒を吹き出しすぎな所。驚いて飲んでいたものを吹き出すのはどちらかというと漫画的な表現というイメージがあり、活字の場合は逆にリアルな映像が浮かんでしまうためやりすぎると違和感がすごくなります。




あと司馬遼太郎のペンネームの由来は初めて知った(司馬遷にはるかに及ばざる者という事らしい)。





以下、各題材についてのメモ。
名前は知っててもどこの何だったっけ?というものもあったので。

①アトランティス大陸
一万年以上前に存在し、高度な文明を持つ人々が住んでいたが一晩のうちに海中に沈んでしまったとされる島。古代ギリシアの哲学者プラトンの著書によって紹介され、ジブラルタル海峡の外側(大西洋)にあったとされる。現在に至るまで、実在したのかどうか・どこにあったのかについての様々な議論・調査が行われているが真相は定かではない。


②ストーンヘンジ
イギリス南部に存在するストーンサークル。縦にした二つの岩の上に横にした岩を乗せて巨大な門のような形に積み上げられた形状が特徴的。何回かに別れで紀元前2000年頃までには作られたとされ、どのような目的で作られたのかはわかっていない。岩は一つ数トン~数十トンあるとされる(膨大な人と時間を費やせば当時の技術でもあの形に積み上げることは可能な模様)。


③クフ王のピラミッド
ギザの三大ピラミッドの中でも最大のピラミッド。古墳なんかのイメージから王墓であると思っていたが、ピラミッドが造られた目的ははっきりしていないらしい(知らなかった)。

④ノアの方舟
旧約聖書に登場する。
堕落した人々に怒った神が、世界に洪水を起こす前に心の正しいノアという男に作らせた。ノアの家族とすべての動物の1つがいづつを乗せて洪水を逃れ、新しい世界の始祖となったとされる。
方舟はトルコのアララト山(実在)に置かれたとされるが、現状それらしいものは発見されていない。

⑥ナスカの地上絵
ペルーにある乾燥した高原に描かれた絵。空からでないと絵であることがわからないほど巨大で、いつ誰が何のために描いたのかはわかっていない。Googleマップで形が確認できるものも多数ある。

⑦モアイ像
南太平洋のイースター島(チリ)にある巨大な石像。1000体以上が確認されている。こちらもGoogleマップのストリートビューでみれる奴もいる。