前作『ポケモンコロシアム』に引き続き、ゲームキューブ用ソフト『ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア』の感想です。これも前作同様にリボン集めに使うために買ったものですが、せっかくストーリーをプレイしたので感想を書いておきたいと思います。
【リボン集め本編】
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まだ色々と気になる点は残っていましたが、前作から全体的にパワーアップした「ザ・続編」というイメージの作品でした。本家作品とはまた違う世界観やシステムは健在で、こちらも今の最新ハードでリメイクを見てみたい作品だと感じました。
目次
『ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア』製品概要
機種:ゲームキューブ
発売:2005年8月4日発売
ジャンル:RPG
プレイ時間:53時間
作品評価:70点
プレイ時間は途中レベル上げと木の実を集めを兼ねてバトル山を周回してていたため、普通にシナリオをクリアするだけなら20時間ぐらいあれば十分。
64で発売されていた『ポケモンスタジアム』の流れを汲む外伝的な作品で、同じくゲームキューブで発売された『ポケモンコロシアム』の続編。ストーリーは前作の5年後のオーレ地方が舞台。ゲームシステムも前作同様にプレイヤー同士やCPUと戦う「対戦モード」と本作独自のシナリオの「ストーリーモード」の2つが用意されている。
本家シリーズでは第3世代に当たる作品であり、同じ世代の『ルビー』『サファイア』『エメラルド』等とはゲームボーイアドバンスとゲームキューブをゲーブルでつなげることでポケモンの交換や対戦が可能。
本作の特徴
独特な世界観とシステム
舞台は前作から引き続きオーレ地方。本作では行けるようになるマップが増えており、「砂漠と荒野」といったイメージだった前作よりも自然が復活しつつある。そのためか、前作では登場しなかった野生のポケモンが一部の場所で登場するようになった。シナリオはややダークな雰囲気だった前作に比べると王道よりで本家シリーズに近い感じになった。
また、前作から引き続きポケモン図鑑・ジム・四天王・チャンピオンといった概念は登場しない。
歯ごたえのあるダブルバトル
バトルは前作から引き続きダブルバトルが採用されている。相手CPUはダブルを意識した交代やコンボ、天候の利用等しっかりと考えた行動をしてくるため、最初の相棒ポケモンのレベルである程度ごり押しがきいてしまう本家シリーズとは一味違う歯ごたえのあるバトルが楽しめる。
特にバトル山の後半に出てくるトレーナーはちゃんと対策をしないと勝てない編成で来ることが多く、攻略し甲斐があり100人制覇したときの達成感もある。ちなみに本家シリーズのバトル施設と違ってこちらの手持ちポケモンのレベルはそのまま(レベル50に統一されるとかは無い)でかつ敵の最大レベルは70のため、クリアできなければRSE等からレベル100のポケモンを何体か連れてきたりすればごり押し攻略も可能。
ダークポケモンとスナッチ
こちらも前作から引き続き、悪に染められてしまったダークポケモンを敵トレーナーから「スナッチ(奪う)」することが主なポケモンゲットの方法となる。
スナッチしたポケモンは「リライブ」をすることで正常な状態に戻すことができ、リライブしないとレベルが上がらない・言うことを聞かない時がある・交換できない・ニックネームを付けられない等の弊害が発生する。リライブしたポケモンはここでしか手に入らない特別な技やリボンを入手することができる。リライブに関しては本作では前作からあった「連れ歩く・バトルに出す・アイテムを使う」という方法の他に、「リライブホール」というシステムが登場しパソコンに預けた状態でリライブができるようになったためリライブの煩わしさがかなり軽減した。
本作ではスナッチできるポケモンの数が前作から大幅に増え(48⇒83)ており、タイトルの通りルギアや初代の3鳥も登場する。
特別なアイテム等
以下は本作か前作でしか手に入らない貴重なアイテム。木の実については入手のための効率が前作に比べて良くなっている。
・特別なリボン2つ。
・RSEのコンテスト制覇に必要なレア木の実4種類。
また、本作限定で第三世代では入手困難なアイテムの「しあわせタマゴ」が1つ手に入る(クリア後)。第三世代では本作以外だとFR/LGのサファリゾーンの一部エリアに5%以下の確率で出現するラッキーを捕獲(サファリなので捕獲できる確率もかなり低い)するとさらに5%の確率で持っていることがあるという相当に鬼畜な難易度の方法しかない。
前作から良くなった点
一部「良くなったというよりは多少マシになった程度」なものもあるが、前作で不評だったと思われるポイントがいくつか改善されている。
どこでもセーブができるようになった
本家シリーズ同様にどこでもセーブができるようになった。やっぱりパソコンでしかセーブできなかった前作は不便すぎた。
登場するポケモンの増加
前述の通り本作ではスナッチできるポケモンが前作の倍近くになり、何種類かの野生ポケモンに遭遇できるスポットも登場した。リライブがかなり簡単になったこともあって思い通りのパーティを組みやすくなった。
スナッチ/リライブが簡単になった
ダークポケモンのスナッチが(やや)楽になった。ダークポケモンが前作のようにダーク技で自滅することが無くなったので、ダークポケモンが複数出てくるバトルでもじっくりと捕獲ができる。また、気のせいか捕獲率も前作より多少上がっている気がする。
また、前述の通り捕まえたダークポケモンは「リライブホール」の登場によりかなり楽に同時に多くリライブを進められるようになった。前作のリライブは煩わしさしか感じなかったので良い追加ポイント。
パートナーが邪魔じゃなくなった
前作では常に後ろにパートナーが同行し、さらにパートナーには当たり判定があるため狭い道を引き返す時などはかなり邪魔でイライラさせられた。
本作では基本一人行動になり、イベントで二人行動する際も道を防がれることが無くなった。地味な改善ポイント。
ポケクーポン集めの効率が多少改善された
本家では手に入らない木の実を入手するためには、バトル山でポケクーポンというポイントを集めて交換する必要がある。
今回は1周ごとに手に入るポケクーポンの数が増え、前作よりもアイテム入手までの効率が多少マシになった。ただ、アイテム交換に必要なポケクーポンが多すぎるのは相変わらずで、手に入れるためには何度も周回することが必須。
ダメなところ
続いてダメな所。ここは前作から相変わらずのものが大半。
戦闘のテンポが悪い
相変わらず戦闘のテンポが悪い。しかも本家と違いバトルの演出は飛ばせないのも改善されていない。
ストーリーを楽しむだけなら気にならないかもしれないが、本作限定のアイテムやリボンが目的でプレイする場合はかなりの数のバトルをこなさないといけないのでかなり煩わしい。
ダークポケモンの仕様が厳選に向かない
ダークポケモンのクソ仕様も相変わらず。捕獲した後にある程度リライブを進めないと性格がわからないので、厳選がかなり大変。
また、前作では手持ちを5匹以下にしてスナッチするとそのまま手持ちに加わるので戦闘中でもステータスの確認はできた(ある程度の個体値や性格が推察できた)。しかし本作では戦闘終了まで手持ちに加わらないため、後述の伝説系ポケモンの厳選が非常に困難(というか実質不可能)になってしまった。ここは改悪。
本作に登場する伝説のポケモン、ルギア・サンダー・ファイヤー・フリーザーはラスボスの手持ちであり、スナッチしてもステータス確認できるのがエンディングを経て強制セーブをさせられた後になる。つまり伝説ポケモンを厳選するとなると毎回データを消してストーリーを最後までやり直す必要があり、1周十数時間という気の遠くなる厳選周回という狂気的な覚悟が必要になる。要は本作の伝説ポケモンは実質厳選不可能(厳密にはルギアはスナッチした次の戦闘でステータスだけは見る方法がある)。ちなみにこの伝説ポケモンの中には一部で有名な「金属音サンダー」が含まれており、バトルで有用と思われながらもポケモン界最悪の厳選難易度と言われているのはこういった背景があるため。
木の実を取るのにかかるコストが異常に高い
前作より多少改善されたが相変わらず必要なポケクーポンが多い。
前述の通り本家シリーズでは入手できない非常にレアな木の実(コンテスト攻略に必須)が手に入る。入手するためにはバトル山で10勝するごとに手に入るポケクーポンをためる必要がある。が、木の実1個に必要なポケクーポンが15,000に対し、一番上のランクで10勝してももらえるポケクーポンは2,000だけ。前述の通り演出を飛ばせない冗長なバトルを何回もする必要がある。ちなみに前作では一番上のランクで貰えるポケクーポンは1,200だったのでこれでも大分マシになったが・・・。
シナリオクリアは20時間もあれば十分のところ、シナリオ攻略にあわせて木の実4種類を回収した僕のプレイ時間が53時間ということろでお察しくださいといった感じ。
総評
改めて評価をもう一度。作品評価:70点
前作に比べると改善されたポイントは多いです。しかし、バトルのテンポの悪さや厳選を妨害しているとしか思えない仕様は相変わらずで、全体を通しての印象は「前作よりマシだがやっぱりダルかった」という感じです。厳選しようとするとかなりの根気とイライラ耐性が求められるゲームですが、単純にストーリーを楽しむのであれば本家シリーズとは一味違う世界観とシナリオ・ゲームシステムは非常に光ってる良作だと思いました。こちらも前作同様に今の環境でリメイクされたら神ゲーになるポテンシャルはあると思います。最新ハードでのリメイクがいつか来ないか期待したいです。