3DS用ソフト『メダロットクラシックス』の感想です。ゲームボーイ及びゲームボーイカラーで発売されたメダロットの初代から5作目までが収録されています。
今回は「クワガタVer」をプレイしました。
ちなみに、生産数が少なかったためか、現在は中古にまでプレミア価格がついていることが多いです。ただ、ダウンロード版は引き続き販売されており定価で入手できるので、パッケージにこだわりのない人はダウンロード版を推奨します。
また、2020年11月12日には今作収録の5作品に加え、さらに「navi」「G」「弐CORE」が追加されて8作品収録となった『メダロット クラシックス プラス』がNINTENDO Switchで発売されます。ハードの制約がない場合、これから購入を検討されている方はこちらの『メダロット クラシックス プラス』の方をお勧めいたします。
目次
『メダロット クラシックス』概要
- 発売日:2017/12/21
- 定価:4,800円(税別)
- ジャンル:RPG
- バード:ニンテンドー3DS
ゲームボーイ時代のメダロット作品5作がセットになって3DSのソフト1本に移植されたお得な作品。いくつかの便利な機能が追加されているが、ゲームの中身自体はゲームボーイからそのままの移植。3DSのワイヤレス機能を使って交換や対戦などの通信機能も利用可能。
本製品も「カブトVer」「クワガタVer」の二種類があり、「メダロットクラシックス クワガタVer」であれば収録されている5作品もすべて「クワガタVer」となる。
【収録作品】
- メダロット
- メダロット2
- メダロット3
- メダロット4
- メダロット5 すすたけ村の転校生
『便利な機能』
クラシックスでは以下のような便利な機能が追加されていてより快適にプレイを楽しむことができる。そもそもメダロットシリーズはやや難易度が高いゲームだったが、RPGが苦手な人でも安心してプレイできる機能も複数存在する。
<まるごと保存・まるごと復元>
クラシックスで追加された機能。ゲーム内のセーブ機能とは別に、いつでもどこでもセーブ・ロードが可能にあっている。本来セーブ不可能な戦闘中やイベント中なども使用可能。万が一取り返しのつかない場面でまるごと保存してしまった場合(負け確実な局面の戦闘中など)は、ゲーム本体のセーブデータを読み込めばそちらは独立しているのでそこまで戻れる。そのためゲーム本来のセーブについてもこまめにしておくことを推奨。
<倍速機能>
その名の通りゲーム速度を2倍にしてプレイすることができる。
元々一回一回の戦闘時間が長いゲームのため、中々ありがたい機能。
<ロボトルスキップ>
こちらもその名の通り戦闘をスキップできる機能(プレイヤーが勝ったことになる)。しかもなんとラスボス戦ですら使用が可能なため、極端な話一度もマトモに戦闘しなくでもクリアまでできてしまう。上の倍速機能と併せてシナリオだけを見ていくようなサクサクプレイも可能。
経験値も入るのでこれを活用したレベル上げも可能だが、メダルの熟練度は上昇しないので注意。
<通信プレイも可能>
クラシックス同士であればパーツの交換や対戦などの通信機能も問題なく使用することができる。
さすがにゲームボーイの元作品とは通信は出来ない。
各作品の感想
『メダロット』
画像出典:メダロットクラシックス公式サイト
- 発売日:1997/11/28
- プレイ時間:11時間
- 作品評価:評価:70点
プレイ時間は倍速モードも使用しての時間。
記念すべきメダロットシリーズの第一作。
まだカラーですらないゲームボーイ時代の趣の漂う良作RPG。そのあたりの時期に数多く発売された「ポケモン風RPG」(集めて交換する要素の強い作品)の中の1つだが、その中でも今だにシリーズとして生き残っている数少ない作品。
初代ということで、システムや設定には荒削りな所があり、シナリオのボリュームも多いとは言えないが、シリーズの根幹となるゲームシステムは初代の時点でほぼ完成している。白黒時代のゲームながら今やっても十分に楽しめるのはさすが長寿シリーズの第一作。
次の展開への説明が不親切なのは昔のゲームならでは(むしろ最近のゲームが親切すぎる?)。長いこと放置して久々に再開すると何をすればいいかわからなくなるので注意。また、収集系のゲームにも関わらず、イベントや入手できるアイテムに時間制限があるものが多いのも注意。
あと初代はやはり序盤(2体目のティンペットが手には入るまで)がしんどいので少しずつセーブしながら進めるのを推奨。二作目以降は多少その辺のバランス調整がされている気がする。
『メダロット2』
画像出典:メダロットクラシックス公式サイト
- 発売日:1999/7/23
- プレイ時間:18時間
- 作品評価:評価:65点
プレイ時間は倍速モードも使用しての時間。
評価はレースゲームがなかったらプラス10点。
ゲームボーイの時のは中盤あたりで勝てなくなってやめてしまってたので、二十年越しのクリア。
カラーがデフォルトになり、メダロットのグラフィック向上、会話時にキャラの顔画像がでるなどインターフェースは進歩した。各キャラの表情にもバリエーションがあり、会話イベントや会話量も増えたことで、シナリオ全体としてボリュームアップした。
前作から7年が経過した世界が舞台で、その後長らく活躍するイッキが主人公となり、前主人公のヒカルをはじめ過去作のキャラクターも多数登場。システムの進歩も相まって「正統進化の続編」のイメージが強い。
バトル面ではパーツ毎の行動のバリエーションの増加(サポートや妨害など)に、メダロットの必殺技とも言える「メダフォース」が追加され、バトルの幅が広がった(バトル自体は前作からお馴染みのシャトルラン)。
逆に残念な点としては、一つは「ミニハンドル」「かぜのつばさ」などの移動系のアイテムを使用するためにそれ用のメダロットを丸々1体組み上げる面倒がでてしまったこと。そして何よりも大きいのが悪名高いレースゲームの存在。それ単体で作品の評価を下げている。ただのボタン連打のためゲームとしての面白さは皆無。しかも無駄に高い難易度でストーリーの要所要所で何回もやることになり、ゲーム機本体への負荷が心配。ストレートに言って邪魔でしかなく、これがあるせいで周回プレイはしたくない。移植にあたり削除してほしかった。何故こんなものを入れたのか。
『メダロット3』
画像出典:メダロットクラシックス公式サイト
- 発売日:2000/7/23
- プレイ時間:20時間
- 作品評価:評価:75点
ここからは初見プレイ。
シリーズ3作目にして天領イッキ編の第2弾。
元の作品がゲームボーイカラー専用となったため画面がカラフルになった。また、なんとゲームボーイ系のハードながら一部ボイスが入るようになった。
登場するキャラクターは前作から引き継いでいるが、冒険の舞台が地底・海底・天空都市・そして宇宙にも及び物語のスケールが大きくなっている。また、テーマは「メダロットと人間」というシリーズの世界観の根幹に関わるものとなっており、思い悩む主人公イッキの姿が度々描かれている。
またシステム面での変更は大きなところとして「メダチェンジ」が導入された。いわゆる変形であり、一部のメダロットの形態・性能を変化させることができるが、パーツの組み合わせが限られるなどのデメリットもある。その他、各パーツの効果やメダルの名称や熟練度などのシステムが一新された。
また、前作まではティンペットに名前をつけていたが、本作からはメダルに対して名前をつけるように変更された。個人的には前作までの命名方式の方が好きだったかも。
舞台のスケールが大きくなり、バトルシステムも新しい要素を追加、さらにストーリーはメダロットと人間との関係を問う内容になっており、続編の名に恥じない進化を遂げた作品になっている。
ちなみに登場コミックボンボンで連載していた漫画『メダロッターりんたろう』からりんたろうとカンタロスがゲスト出演する。
『メダロット4』
画像出典:メダロットクラシックス公式サイト
- 発売日:2001/3/23
- プレイ時間:37時間
- 作品評価:評価:65点
シリーズ4作目にして天領イッキ編の最終章。
引き続きシリーズの根幹に関わる「メダロットと人間」「メダロット3ヵ条」という深いテーマでストーリーは描かれている。メダロット検定やロボトル以外の複数のバトル要素なども新たに取り入れられ、本編及びクリア後のやり込み要素も含めると最終章にふさわしい過去最大のボリュームになっている(これまでの作品が10~20時間で終えれたのに比べて、本作は37時間かかった)。
また、1体のメダロットをパートナーとして設定することができるようになっており、会話イベントなどにも参加してくる(メダルによって口調がかわったり、グラフィックも頭部パーツによって変化する等芸が細かい)。
ただ、残念ながら過去作以上のイライラ要素もチラホラ。特にそれが終盤になって目立つようになるのが残念。中盤までは間違いなくシリーズ最高に楽しかっただけに、これが無ければもっと高い評価だった。
- 無駄にボタン連打させるだけのレースゲームは形を変えて健在。ハードの負荷にもなる。
- 終盤の6vs6及び9vs9バトル。時間切れは敗北の中、相手が繰り返してくる地形効果攻撃(こちらの動きを止める)が戦略ややり込みなどを通り越してただのストレスでしかない。
- 最後のメダマスター試験の途中でパーツやメダルの付け替えができない。いくつかの競技がパートナーメダロット固定と言うのもうざい。どうしても不毛なレース等を考慮した編成をしなければならず、そのせいで最後のイベントを本来の相棒メダロットと迎えられないことも。せっかくのパートナーシステムがもったいない。
『メダロット5 すすたけ村の転校生』
画像出典:メダロットクラシックス公式サイト
- 発売日:2001/12/14
- プレイ時間:20時間
- 作品評価:評価:75点
シリーズ5作目。初めてサブタイトルのようなものがついた。
主人公はテンザンコイシマルに変更となり、イッキは伝説の最強メダロッターのような感じになっている。時系列的には前作『4』の数か月後or数年後ぐらいの模様。
システムは一新され、「メダフォース」「メダリア」「メダチェンジ」等が廃止(メダフォースは似た様な新機能が追加)され、『2』ぐらいのシンプルなシステムとなった。個人的には前作ぐらいまでくるとゴチャゴチャしてしまっていた印象が強かったので、本作ぐらいのシステムでちょうどよかった。
かなり壮大な話となった『3』『4』から一転、田舎の村の中で起こるドタバタ劇のような感じで世界観が大きく変更。学校のメダロット部の廃部を防ぐために部員集めに奔走したりとスケール的には小さくなっているが、田舎を舞台としたノスタルジーを感じさせる雰囲気はとても良く、登場するキャラクターも魅力的なキャラが多い。
惜しい点としては前作までと比べるとボリュームが薄い点。行ける場所が少ない、後半の展開が急、後々への伏線かと思ったらなんでもなかった振り(メダリンピックとか)等、「開発期間が足りなかったのでは?」と思ってしまう点がチラホラみられる。世界観は良かっただけにもっと遊びたかったというのが正直な所。
総評
思い出補正もあると思いますが、便利な追加機能もあって全体的に楽しめたと懐かしい作品でした。
前述の通り、2020年11月12日にNINTENDO Switchで「navi」「G」「弐CORE」が追加されて8作品収録となった『メダロット クラシックス プラス』が発売されますので、これからの購入を検討されている方はこちらの方をお勧めいたします。
【Switch版】
【3DS版】