PS Vita用ソフト『マクロスΔスクランブル』をプレイしたのでその感想です。
マクロス系のゲームは初めてですが、ゲームのジャンルとしては過去にプレイしたことのあるガンダムの『バトルユニバース』や『アサルトサヴァイブ』といったバトル系ゲームと同系統の作品でした。
本作は通常版と限定生産の「ルンピカ♪サウンドエディション」があり、ゲームの内容は同じだがルンピカ版は30曲ほど収録されている楽曲が多くなる。現状はどちらも店舗で新品を見つけるのは難しいが、中古だと通常版が1,500円ぐらい・ルンピカ版が2,500円ぐらいといった印象。
目次
『マクロスΔスクランブル』製品概要
機種:PS Vita
発売:2016年10月20日
ジャンル:フライト・アクション・シューティング
作品評価:70点
【プレイ時間】
37時間
プレイ時間はDCL含む全ステージSSランククリアしトロフィーコンプしたところまで。とりあえず全ステージ最低1回クリアするまでがだいたい25時間ぐらい。
2016年放送の『マクロスΔ』を中心に歴代のマクロスシリーズを題材にしたフライト・アクション・シューティング。マクロス機体の特徴であるファイター、ガウォーク、バトロイドの三段変形を再現し空中戦を主とした三人称視点のアクションゲーム。本作オリジナルキャラクターを操作してマクロスΔのストーリーの戦闘に参加していく形式だが、ゲームを進めていくことで原作登場キャラや歴代作品のキャラクターを入手・仕様することが可能になる。
本作はマクロスΔのテレビ放映とほぼ同タイミングでの発売だったためか購入しただけの状態では本編の途中までしかストーリーが再現されていない。しかし無償DLCで物語ラストまでのステージや追加のエクストラミッションが配信されており、プレイする場合はそこまでセットで考えることを推奨。また、無償DLCの内容にさらに追加のエクストラステージや機体・キャラクターを加えた有償DLCもある。
ゲームモードはケイオス編(主人公陣営)、ウィンダミア編(敵陣営)、エクストラ(歴代作品コラボ)の3つ。
【ステージ数】
ケイオス編 :32ステージ+4ステージ(無償DLC)
ウィンダミア:28ステージ+3ステージ(無償DLC)
エクストラ :35ステージ+2(無償DLC)+8(有償DLC)
作品の特徴や良かった点
歴代の機体でドッグファイト
歴代のマクロス作品に登場するバルキリーを使ってのドッグファイトがやはり本作一番の魅力。Vita後期の作品ということもあって各機体の細部までモデリングが作り込まれているため、色々な機体を見ているのも楽しい。お気に入りの機体を強化しながらシナリオを進めていくのが一番の醍醐味か。ファイター、ガウォーク、バトロイドの三段変形もちゃんと再現されているので状況に応じて使い分けて戦いを有利に進めていくという楽しみもある。
個人的にはマクロスゲームが初めてだったこともあり、色々な機体とキャラの組み合わせ+ボーカル入り楽曲で長く楽しめた作品という印象が大きかった。
マクロスの楽曲を流しながらのバトル
各ステージ開始前にBGMを選ぶことができ、当然歴代マクロスシリーズのボーカル曲を選択することも可能。
また、それ以外にもステージ中に歌姫のサポートスキルを使用したりイベントが起きたりすると曲が変わることもあり、マクロスゲームの醍醐味を味わえる大きなポイント。
今回はせっかくなので楽曲の多いルンピカ版+有償DLCのセットでプレイ。50曲以上の楽曲(BGMもあり)の中から気分でステージ曲を決めて遊ぶのは楽しかったし、やはり劇中の雰囲気が出てテンションがあがる。
ストーリーはオマケ程度
本編となるケイオス編とウィンダミア編はTVアニメのストーリーに沿ったものとなっているが、ストーリー要素は正直オマケ程度と言った感じ。ステージ前等に非常に簡単な状況の説明があり、あとはステージ内でストーリーに沿ったイベント会話やカットイン・楽曲変更が発生する。
TV版未視聴で本作でストーリーを理解しようとするのはかなりきつめ。どちらかと言うとTV版をみた作品ファンのためのゲーム。
歴代キャラの共演が面白い
エクストラステージでは『マクロスΔ』以外にも歴代作品のキャラクターや機体を入手・仕様が可能になる(ゲームを進めて陣営制限解除を入手すれば他のモードでも使用可能)。
自機・僚機・サポートメンバーの組み合わせ次第では作品を越えての掛け合いがボイス付きで発生するので、シリーズファンとしては嬉しいポインント。
マキナが「お姫様がいる~きゃわわ~」と言うので誰かとおもったらアルトだったのは笑った。
ダウンロードコンテンツ
前述の通り本作はTVアニメ本編と並行しての製作だったためか購入時の状態だとシナリオが最後までカバーできていない。そのため以下2種類のDLCが用意されている。
【無償DLC】・ケイオス編とウィンダミア編の追加シナリオ(TV本編ラストまで)
・追加EXミッション
・追加機体
・歌姫の追加カットイン
【有償DLC(1,000円+税)】
・無償DLCの内容
・さらに追加のEXミッション
・追加機体、追加キャラ
・追加カットイン
・追加楽曲
TV本編の内容を追うだけなら無償で十分だが、有償の方はマックス・ミリア・ミシェル・クランといった歴代作品のキャラが追加登場している。
本作をプレイするなら最低でも無償版はDLしておいて損はないが、Vitaのオンラインサービス自体いつまで続くかはわからない(一度2021年終了の発表が出た後で延長要望が多かったらしく延長した)ため注意。
クリアできないとき・SSランクが取れないとき
特にDLCの追加ステージには難易度が高く機体をある程度強化してもクリアが難しかったりSSランクが取りにくいものがある。
その場合、自機と僚機を量産機体にして、自機パイロットを「熟練」スキル持ち、僚機パイロットを「指揮官」スキル持ちにすると機体性能がかなり強化されるため攻略が楽になる。DLCで追加された高難易度ステージでもマキナのサポートスキルを発動させつつマシンガンとミサイルを連射していれば楽にSSクリアができる。それでもSSが取れない場合はどこかで増援の敵機を見落としている可能性が高い。
バグや裏技と言ったものではなくゲームの仕様の範囲内だが、バランスが崩壊しかねないのは確かなので最後の手段にといった感じか。
ダメな点・残念な点
続いて個人的に気になる点や残念な点。
ゲームが単調
ゲームプレイが単調になりがち。この一言につきる。前述の通りバトルがメインでストーリー部分はオマケのような感じなので単調なゲームプレイに感じがち。ガンダムのバトル系と比べると機体数やバリエーションも少ないので、ガンダムのバトル系をプレイ済みだと余計に感じる。
機体も歴代のものが多数登場はするが、武装は基本的にマシンガン系+ミサイル系(+キャノン)なので機体を変えてもやることがほとんど変わらない。
「マクロスの色々な機体を使えるのが楽しい」「キャラが喋ったり掛け合いを見るのが楽しい」「マクロスシリーズの歌を聴きながら遊べるのが楽しい」といったような原作愛が無いと結構きついゲームかもしれない。
資金稼ぎがしんどい
前項の単調と言う点につながるが、ゲーム後半はひたすら機体やキャラを買ったり機体性能を解放するためにお金を稼ぎ続けるゲームになりがち。ステージを一通りクリアするだけ(欲しい・使いたい機体やキャラが買えればいいだけ)ならそこまでの資金稼ぎは必要ないが、機体コンプ・トロフィーコンプをしようとするとかなり大変。
プレイ時間の37時間のうち10時間はトロコンのための資金稼ぎで効率のいいステージを延々周回していた印象。しかしそれでもトロコンの対象になっていない機体等は取れていない。
ガンダムのバトルシリーズのときからそうだったが、資金にしてもTP(機体強化のポイント)にしても膨大な量が必要になるため繰り返し作業が求められる。
総評
改めて評価をもう一度。作品評価:70点
個人的には初めてのマクロスゲームとしてそれなりに楽しめたと思います。ただ、やっぱり単調な感があることは否めないため、シリーズにある程度思い入れがあって「色々な機体やキャラや楽曲の組み合わせで遊ぶのが楽しい」という人じゃないと少しきついかもという印象。また、過去に同系統のマクロスゲームをやっていると新鮮さなんかは薄れて単調さが大きくなるかもしれません。
まさしく作品愛があれば楽しめる作品と言った感じだと思います。