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PS3『機動戦士ガンダム戦記』感想。戦闘に爽快感がないのが一番の欠点




PS3用ソフト『機動戦士ガンダム戦記』の感想です。
これまでPS2、PS3のガンダムゲームを色々やってきましたが、リアル系(戦記系?)の作品はこれが最後になると思います。


本作はガンダムゲームの中でもクソゲーという評価の多い作品ですが、実際にプレイしてみた感想としてはビジュアル面等いいところはありつつも、ゲームバランスやシステムに問題があって戦闘を楽しめない残念なゲームだと思います。まあ埋まりもせず地面に置いてある地雷をわざわざ踏みに行ったような形になったわけですが、他に名作と言われるゲームも多くありハードも2世代先が発売されているような現在では、わざわざプレイする必要があるゲームだとは思わないというのが正直な感想です。




目次


製品概要

機動戦士ガンダム戦記 - PS3 
 
定価:8,778円(税込)
機種:PS3
発売:2009年9月3日発売
ジャンル:アクション
プレイ時間:連邦10時間、ジオン10時間
作品評価:50点


<ステージ数>
連 邦:32ステージ
ジオン:32ステージ
フリー:64ステージ+6ステージ(無償DLC)


PS2で同名のタイトルがあるがリメイク等ではなく全く新規の別作品。
パッケージに書かれている正式な名称は『機動戦士ガンダム戦記 Mobile Suit GUNDAM Battlefield record U.C.0081』。主なゲームモードは「シナリオモード」「フリーミッション」「チュートリアル」の三つ。MS3機編成の小隊長となるお馴染みのフォーマットのアクションゲーム。画面は自機を背中から見ているタイプのTPS系視点が基本。コックピット視点への変更は不可。


シナリオモードの舞台は一年戦争終結後の宇宙世紀0081年。プレイヤーは連邦軍ファントムスープ隊ないしジオン残党軍インビジブル・ナイツのモビルスーツ小隊長となって、仲間たちと共に地上・宇宙の戦場を戦い抜く。シナリオは本作で書き起こされた完全新規のストーリー。


フリーミッションは連邦・ジオン共にシナリオと同じステージ数。シナリオモードを両方クリアすると「傭兵」が解放され、連邦・ジオン両方のミッションに参加し両軍の武器武装を入手可能。(今回はほぼ未プレイ)

 
 

作品の特徴や良かった点

CGグラフィックやアニメムービーの質は高い

PS3の作品だけあって、ガンダムゲームの中でも機体のCGグラフィックの質は高い。単純にMSが非常にカッコいい。

ステージ前後や途中に挿入されるCGムービーやアニメムービーの質も高い。アニメムービーについても本作のシナリオが新規のものであるため、過去作やアニメ作品の流用等は無く完全新規に作られたもの。



武器やパーツカスタマイズの自由度が高い

機体のカスタマイズの自由度が高いのも特徴で、同系統の作品にしては意外に珍しく武器の組み合わせも自由。


射撃武器や格闘武器を2本持ちにすることも可能(むしろ攻略においてはセオリー)で、両手にマシンガンや両手にビームライフル等中々他のゲームでは再現できない装備の自由度は魅力。条件を満たせば軍を跨いでの武装の組み合わせも可能(ザクにビームライフル等)。


強化パーツも様々なものが用意されており、射撃・格闘・装甲を強化するようなものから地上用機体を宇宙用にカスタマイズするようなものまで様々。パーツの組み合わせでかなり個性を出すことが可能。前述のザクにビームライフルという組み合わせも、強化パーツでジェネレーターを強化することで可能になり、リアリティを損ねることなく高い自由度を確保している印象。

 

気になる点・ダメな点

戦闘に爽快感がない・作業感が強い

まず戦闘が面白くない。ガンダムゲーで戦闘がつまらないのはきつい。

機体の操作性にあまり軽さがなくスピード感はない(上位機体+強化パーツである程度は解消可能)。
また、異様に硬い敵が多いので全体的に戦闘の爽快感は薄い。また、射撃武器は弾数制限があり弾数はかなりシビアだが、敵が硬いのにワラワラとわいてくるのですぐに弾切れする。そのため補給ポイントの周りで戦い続ける必要があり、せっかくの各ステージのマップをあまり楽しめない。そのため毎回同じような戦いになりがちでマンネリで作業感のある戦闘になりがち(特に序盤~中盤)。


一番バランスが悪いと感じてしまう要因はやはりとにかく敵が硬い。マップによってはビームライフルを10発近く当てたりサーベルで何回も斬らないと倒せないMS(しかも普通の量産機)がいるのは流石に不自然としか感じない。そしてAIがバカなのでボスも含めてノソノソ歩きながら撃って来るぐらいしかしない。敵機体のAIの動きで強い弱いをつけられなかったのでとりあえず硬くしたのではないかと思ってしまうほどとにかく戦闘が単調。ザコ=やわらかい、ボス=硬い、難しいステージ=硬い敵を沢山出しとけ、といった感じの差別化しかないイメージ。


シナリオモードもステージ数は多いものの、半数近くを占める追加ステージはストーリーと同じマップで延々わいてくる敵と戦うだけなので、作業感とステージの水増し感がぬぐえない。

 

補給システムが邪魔

前述の通り本作の射撃系武器には弾数制限があり、ステージに設置された補給ポイントで弾数を回復させることができる。これ自体は『ターゲットインサイト』からあったシステムだが、本作においてはバランスが非常に悪い。


前述の通り敵が非常に硬くワラワラと湧いてくるので、とにかく本作では射撃武器の弾数が足りなくなる。そのため基本的に補給ポイントを軸に行動する必要があり戦闘のワンパターン化を加速させてしまっている。しかも敵の攻撃であっさり破壊されるので、そうするとリセットするか格闘のみで戦うかしかなくなってしまう(敵の弾数は制限がないっぽいので斬りかかりに行く途中で無数の敵に蜂の巣にされることも)。そもそもステージ開始直後にこちらの射程外から敵スナイパーに破壊される補給ポイントをどう守れと言うのか。


弾数についても終盤に入れば強化パーツである程度は解消は可能だが、いっそこのシステム自体無かった方がゲームとしての楽しみはアップしたのではないかと思う。


 

不自然な部分

プレイ自体に影響はないけどやっていて不自然だった点がいくつか。

ゲーム的に仕方ないかもしれないが、連邦側でやるとジオン残党の物量にまず驚く。各ステージで敵がわらわら湧いてくる上、ストーリー途中で「世界中でジオン残党が武装蜂起」という部分があったが、U.C.0081年のジオン残党にそこまでの力があったのかは疑問。ゲーム的には野暮な指摘なのかもしれないが、『コロニーの落ちた地で』のようにステージの敵機体数が少なくても名作なゲームはあるのでやっぱりちょっとツッコミたくなってしまう。本作のジオン残党とデラーズフリートとアクシズ勢が一斉に蜂起すれば連邦と結構がっつり戦えたのでは?と思ってしまう。逆にジオン側でやると敵である連邦機体がわらわら出てくるので、残党軍のつらい状況を存分に味わうことができる。


あとストーリー全体が飛ばし飛ばしで説明不足な部分もちらほら(突然シェリーが助けに来たとことか)。ストーリーについてはコミカライズ版で補完されているので、気になる人はそちらがお薦め。作者はPS2戦記のコミカライズと同じ夏元雅人氏。




総評

改めて評価をもう一度。

作品評価:50点


「クソゲー」と切り捨てるほどプレイするのに致命的な欠陥はないものの、それ以上でもそれ以下でもないというのが正直な感想です。やっぱり戦闘に今一つ楽しさを感じられないのはガンダムゲームとしては厳しいところ。「オンラインでのフリーミッションが本番」とも言われていたようだが、今更PS3でオンラインという感じでもないしあまり黙々とフリーミッションを進める気も起きず、ストーリーを連邦ジオン両軍クリアしたところまでの感想です。発売当時友人等とオンラインで遊んでいたらもっと楽しめたのかも。

残念ながら僕のように「ガンダムと名の付くゲームは一度やっておかないと気が済まない」という方以外にはあまりお勧めできないのが正直なところです。ただ、現状中古で1000円切っていたりするので、気になるかたは試しに手に取ってみるのもいいかもしれません。ストーリーだけが知りたいという方にはコミック版の方がお勧めかも・・・。